AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2007年08月24日(金)

OCEANS 10月号 連載#19 [OCEANS掲載記事]

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King of Elegance

マエストロ赤峰の
「粋がわかれば、すべてがわかる」

(最終回)


無造作の“粋”

 「お洒落ですね」と言われるのが好きではない。お洒落に見えるとは、言い換えれば不自然に目立っているということである。私は誰かの関心を得るために服を選び、着ているわけでは毛頭ない。ましてや、モテるためとは論外も甚だしい。服は自分を実像以上に見せるための手段ではない。だから、「お洒落ですね」と言われれば、その時の格好がその場にそぐわなかったのだと判断する。服を上手に着こなすとは、服が板についているということ。つまり、着ている本人よりも前に出ない。あくまで控えめで、目立たない。それがつまるところ、自然に見える「無造作の粋」なのだ。
 ただし、無造作に見えるためのマニュアルなどというものはない。己の生き様すべて服装に表れるのだ。しかし、無造作に服を着こなしたいと願う者に対して、赤峰流を伝えることはできる。今回はそうした参考例と捉えていただきたい。同じように真似をしたとて、それはその時点で無造作ではなくなるのではあるが。
 まず、基本はルールを知り、それを実践することが肝要。ルールとは、先達のさまざまな流儀の中から、最良の見え方をする着こなしとして定着したものだ。ジャケットのラペルの角度とシャツの襟の角度とを合わせるとか、ジャケットの袖口からシャツのカフスを少しだけ覗かせるとか、パンツの裾を少し弛むぐらいの長さにするとか、そういった類のことである。(注1)ジャストフィットの服を着ることも前提となる。そういう要素ができあがってこそ、自分らしいこなし方ができる。しかし、ルールに縛られる必要はない。チーフは(注2)TVホールドで入れなければならないか?そんなことはない。その日の気分で、無造作に挿せばいい。タイは大剣の先がベルトに掛かる長さにしなければならないか?そんなことは気にしなくてよい。多少、長かろうが短かろうが構わない。つまり、無造作とは「自分らしさ」と同義なのである。
 また、加えて服が板に付く赤峰流儀を挙げるならば、服を愛でること。つまり服を長く着続けること。買った服を、あまり着ないのでは、服が使命を果たせず哀れ。主となったからには、その服をとことん着倒す。その結果、服の持ち味を知り、自然と服が板につく。そのためには、素材と仕立てを見極めて、耐久性を求めることが不可欠だ。私が(注3)ヘビーウェイトの生地を用いた服を好むのはそういう理由がある。
 (注4)クラーク・ゲーブル(注5)フランク・シナトラなどの先達がなぜ粋に見えるか?それは、彼らがいかに上手に服を無造作に自分らしく着こなしているからにほかならない。その境地に立ち入るには、マニュアルはない。私とて、道程にいるのである。
 
 
(注1) 「ジャストフィット」
マエストロのスーツはオーダーでの仕立て。オーダーでなければならぬ、ことはないが、ジャストフィットを求めるならば必然となる。また体形を維持し続けることも必要となる。


(注2) 「TVホールド」
アメリカのテレビアナウンサーが始めたといわれる、ポケットからチーフを1cmほど水平に覗かせる挿し方。最も一般的で広く定着している。


(注3) 「ヘビーウェイト」
スーツやシャツなどの生地はウェイト、つまり重さで種別される。厚地であればヘビーウェイトとなり、ウェイトと丈夫さはおおよそ比例するもの。


(注4) 「クラーク・ゲーブル」
アメリカの映画俳優。代表作は『風と共に去りぬ』など。


(注5) 「フランク・シナトラ」
20世紀を代表する歌手であり、映画俳優としても活躍。代表作は『上流社会』など。


 

[これがマエストロの粋の原点]

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映画スターから学んだ無造作な着こなし
赤峰氏の会社、インコントロにはこれらの映画スターのポートレートが飾られている。イヴ・モンタン、カーク・ダグラス・・・etc.皆、服が板についており、それゆえに、立ち居振る舞いが自然で粋に見える。赤峰氏が参考とするお手本だ。
 
 

■無造作な粋が自然と盛り込まれたマエストロ流儀の着こなし方

「テクニックうんぬんではなく、ルールに則ったうえで、その先は自分の感覚で自由に着こなせばいい」と語る赤峰氏。今回は、氏の敬愛する、映画俳優らのモノクロームのポートレートのように、モノトーンでのスーツスタイルを拝見させていただいた。スーツは、氏の行きつけでもあるフィレンツェの「リベラーノ リベラーノ」で仕立てたもの。生地は「ドーメル」のトニックを用いている。袖口は本切羽仕様だが、これ見よがしにボタンを開けることはなく、手を洗うときに袖をまくるために利用する。トレンチコートは、「アキュアスキュータム」の1941年製のヴィンテージ。着続けられて、味わいが深くなった服が装いを自然に見せる。服が板につくとは、こういうことを言うのである。

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無造作@

「TVホールドもするし、スリーピークスにするときもある。けれど、ルールには縛られない」。何気なく折り畳んだチーフを、ふんわりと入れる。自然にサングラスを覗かせるのもいい。

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無造作A

「ワザワザするわけではないが、シャツのカフスが折れていることが多い」。腕時計はカフスから半分くらい見せるのが一般的。しかし、赤峰氏はあえて腕時計をカフスに隠れるように巻いて時計の露出を避けるのだとか。

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無造作B

「タイは一回巻いたら、それで決まり。何度も巻き直したりはしない」。小剣は大剣裏のループに通さず、このようにズレてもお構いなし。長さもあまり、気にしていない。これぞ赤峰流儀。

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無造作C

「ルールとしてはありえないがシャツの襟がハネていても気にしない。むしろ、自然ではないか」。襟裏のキーパーは抜くことが多く、シャツの襟を柔らかく自然に見せている。

無造作D
「もちろん、袖を通してベルトを締めるときもあれば、肩から羽織るだけのときもある。このように片方の肩に引っ掛けるだけのときも」。こうした着流し感が、無造作に見えるのだ。

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無造作E

「鞄はそれこそ無造作に、乱暴に扱う。用を足すために、地面に置いて、足で挟むのも自然な振る舞い」。過敏に大事に扱うことは無粋。真っ当に使って、味が出てこそ、魅力が自然と増す。

 
■ 来月からマエストロの連載がリニューアルします! ■
次号より、読者のさまざまな質問に、マエストロこと赤峰氏が答えるという形式の連載内容にリニューアルします。乞うご期待!

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2007年07月24日(火)

OCEANS 9月号 連載#18 [OCEANS掲載記事]

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King of Elegance

マエストロ赤峰の
「粋がわかれば、すべてがわかる」



ネイビーの“粋”

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南仏リゾートのマインドで着こなした夏のネイビー

マリアーノ ルビナッチのネイビーシャツは、プルオーバータイプで素材はリネン。ボタンは白蝶貝。パンツはアカミネ ロイヤルラインのシアサッカー。ネイビーキャンバスのエスパドリーユはアンクルに巻く紐が付いていて、アウトソールはレザー。パリのエルメス本店にて購入。基本的に色は2色まででまとめるという、マエストロ赤峰流の原則を実践。プルオーバーのシャツの場合は、上にジャケットなどを羽織らずにシャツ1枚で着る。(日本橋三越本店取扱い)

 
 色の好き嫌いは、それこそ十人十色。しかし、ネイビーが嫌いと言う人はいないのではないだろうか。広範囲にわたる好感度、それこそがネイビーの魅力だ。さらに誰にでも似合う。ネイビーほど、ユーティリティな色は他に見当たらない。
 私の場合、ネイビーとの付き合いは幼少期に遡る。子供のときにはネイビーしか着ていなかったほど。セーターにしても、ショートパンツにしても。おそらく、母親が好んでいたのだろう。そうした影響もあって、ネイビーを着ることが自然な感覚として染み付いた。また、(注1)叔父の影響も多大だ。当時、私の叔父は日本橋丸善で仕立てたネイビーのブレザーをよく着ていて、その姿の格好よさに憧れた。キチンと服を着ることが板についていて、それがとても自然で、上品に感じられた。無造作のエレガンスとでも言うべきか。これ見よがしの格好悪さ、逆にこれ見よがしではない格好よさ。私はそうした感覚を母から着せられたネイビーの服、叔父が着ていたネイビーの服から感覚的に学んだのだ。
 私の服の基本色はネイビーであるわけだが、着こなしにおいて大切なことは季節感となる。冬であればフランネルのスーツ、ダッフルコート、ニットなどでネイビーを着る。夏であれば、やはり、コットンのポロシャツ、そしてリネンのシャツなどが中心となる。今回、着用しているのは(注2)マリアーノ ルビナッチのリネンシャツ。胸ポケット付きのプルオーバータイプだ。着こなしのコツをあえて言葉とするならば、袖まくりにある。ロングスリーブでは暑いから、袖をまくる。ただそれだけのことなのであるが、見た目にも開放感を与える。何センチ間隔でまくるとか、そういったマニュアルのようなものはない。あくまでも無造作に、たくし上げる。それでいい。ポロシャツの襟を立てるかどうかも、同じこと。首裏に受ける日差しを避けるために、襟を上げる。ただそれだけのことである。今回は、足元の(注3)エスパドリーユでもネイビーを選んだ。適度に素足が露出され、キャンバスの質感が清涼感を与えられる。(注4)ウィンザー公(注5)イヴ・モンタン、彼らのエスパドリーユのこなし方が理想であり、よき参考例となる。ボトムスはブルーのシアサッカーで、シャツと靴とをつなげた。全体のイメージはニースやサントロペ。南仏の避暑地で過ごすときのリゾートマインドでの着こなしである。リゾートへ赴く際、どうしてか普段は着ていない派手な色をここぞとばかりに着る人が日本人に多く見受けられる。否定はしないが、清涼感を意識しながら、ネイビーを活用してはいかがだろうか。
 
 
(注1) 「叔父」
社会学者であった清水幾太郎氏。東京大学卒、著書多数。学習院大学にて教授職も務めた。


(注2) 「マリアーノ ルビナッチ」
ナポリの名店、ロンドンハウスのオーナー、マリアーノ・ルビナッチ氏によるブランド。


(注3) 「エスパドリーユ」
スペインのバスク地方発祥の靴。底にエスパルトという繊維を編み込んでいたことから名付けられた。アッパーはキャンパスが一般に用いられる。特にフランスでリゾート用の靴として定着し、愛用されている。


(注4) 「ウィンザー公」
1910年にプリンス・オブ・ウェールズとなり、後にエドワード8世に。退位後、ウィンザー公の称号を与えられた。稀代の洒落者として名高く、ファッションに多大な影響を与えた。


(注5) 「イブ・モンタン」
'50〜'60年代にフランスで活躍したシャンソン歌手・俳優。「枯葉」や「セ・シ・ボン」などの名唱で“世界の恋人”と謳われた。マリリン・モンローと浮き名を流したことは」有名。


 
 

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赤峰氏が影響を受けたネイビーの粋な着こなし
1_紺ブレを着ている叔父の清水氏。ローマにて。
2_「Montand」より。シャツの袖をまくり上げ、エスパドリーユを洒脱に履いているイブ・モンタン。
3_「FRENCH RIVIERA」より。エスパドリーユをスーツに合わせているウィンザー公。

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夏のネイビーの着こなしは“本場”南仏のリゾートで映える
仕事柄、海外へ出向くことが多い赤峰氏。南仏のリゾート地ではバカンスを過ごし、ネイビーの着こなしを“本場”にて楽しむことも多々。実際に見て、肌で感じ、自らの感性でアレンジする。それがマエストロ流。上の写真は南仏の代表的なリゾート地であるサントロペ。

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今月の赤峰ワードローブ [OCEANS掲載記事]

ポロ競技のユニフォームの白ポロシャツ

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スイスのサンモリッツで行われるポロ競技用の公式ユニフォーム。このポロシャツはイタリアのファブリックメーカー、グアベロ社のチームのもの。白地にネイビーのレタードが、上品かつ爽やか。マエストロ赤峰はこのポロシャツにシアサッカーのパンツや5ポケットパンツなどを合わせて、スポーティな着こなしを楽しむ。

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2007年06月24日(日)

OCEANS 8月号 連載#17 [OCEANS掲載記事]

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King of Elegance

マエストロ赤峰の
「粋がわかれば、すべてがわかる」



英国素材の“粋”

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ドーメルのトニックで仕立てたネイビースーツの着こなし

赤峰氏が着用しているネイビースーツは、1950年代、トニックが発表されたころのアーカイブを用いて、自身のプライベートブランド、アカミネ ロイヤルラインにて仕立てた一着。「ヘビーウェイトで、仕立て映えして、シワになりにくい。そして、清涼感が素材から伝わってくる。英国素材のよさが凝縮されている」。ブロードの白シャツとシルクの千鳥格子のチーフは、ともにシャルベ。ブラウンのスリッポンはジョン ロブ。ネイビー無地のタイを合わせて、色使いは控えめに。ドーメルのトニック製、王道のネイビースーツを粋に着こなす。

 
 

 
 すべての服は素材から始まる。(注1)Y.アカミネも、素材からデザインのイメージが膨らむ。そのため、クオリティの優れた素材を求めて世界中を巡る。その中で、最高級素材のひとつに数えられるのが(注2)ドーメルだ。今回はドーメルの代表であるドメニク・ドーメル氏の来日に際し、英国素材の粋について語らった。
 

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素材について語り合うドーメル氏と赤峰氏
対談は赤峰氏のオフィスにて。「赤峰氏はいつも着こなしがエレガント。決して、華美ではなく、控えめな色使い。スタイルが明確で、オリジナルの雰囲気が醸し出されています。服は素材に始まるという考え方に、共感しています」とドーメル氏。「ドーメル氏の着こなしこそ、まさに英国素材の粋を語るよう。会社のトップに立つ人物が、自らの着こなしで素材のクオリティを証明している。服を作る立場にとっては、それが信頼できる証でもある」と赤峰氏。お互いをリスペクトする関係だ。

 

赤峰  ドメニクと初めて出会ったのは、フィレンツェのリベラーノ&リベラーノです。たしか、(注3)アントニオの紹介でしたね。彼も重用していますが、私がドーメルをギャランティするのは何より服地メーカーとしてブレない軸があるからです。つまり、永きにわたる歴史を、揺るぎなく受け継いでいるのです。
ドーメル  私たちは繊維商として商いを始めました。現在ではファッションブランドとしても認知されていますが、服作りはあくまでも素材ありき。クオリティを何よりも優先します。よりよい原毛を探し、糸にし、生地にする。完璧な自社でのコントロールのもと、研究と開発を繰り返す。多くのテーラーやデザイナーが求めるのは、ドーメルという名が付いた生地のクオリティ。また、英国の服地のよさを広く伝えていくことも、ドーメルの使命です。
赤峰  素材作りは一朝一夕にできるものではない。培ってきた歴史があってこそ。だから、英国製の服地が選ばれ、ドーメルに信頼を寄せる。私自身もそのひとり。そして、ドーメルにはドーメルだけの個性がある。その代表例が(注4)トニックです。
ドーメル  モヘア混ウールのトニックは1956年に発表されました。私の祖父が「エレガントな男性には、みっともないシワがあってはならない」と、開発に着手。モヘアは滑りやすい繊維で、新しい技術を用い、完成までに3年の月日を要しました。それが、今日ではドーメルの代名詞的な素材となりました。
赤峰  私自身もトニックのスーツを愛用しています。仕立て映えがし、なによりシワになりにくい。
ドーメル  私も愛用しています(笑)。私たちはトニックのように、過去に開発された素材を大切に受け継いでいます。一方、ライフスタイルや気候の変化に合わせて、新しい素材も必要となっています。近年、日本ではライトウェイトの素材が求められるようになってきました。しかし、どんな素材であろうとも、伝統的な作り方、クオリティを最優先する姿勢は決して変わることがないでしょう。
赤峰  素材は仕立てられてから真価を発揮しますが、その善し悪しは着続けてこそ判断ができる。5年後、10年後、より魅力ある風合いとなるから、英国素材は粋なのです。
 
 
(注1) 「Y.アカミネ」
赤峰氏のプライベートブランド。目利きである氏が選び抜いた上質な素材だけが用いられ、クラシックをベースにデザインされている。展開は全国の有名百貨店や有名セレクトショップにて。


(注2) 「ドーメル」
1842年に創業。フランス人、ジュールズ・ドーメルが英国素材を輸入したことから興り、今なお創業者一族での経営が続く。現在では服地メーカーとしてのみならず、トータルファッションブランドとして発展を続けている。


(注3) 「アントニオ」
赤峰氏が信頼するフィレンツェのテーラー、リベラーノ&リベラーノの当主。


(注4) 「トニック」
3プライ(3本の糸からなる撚糸)のモヘアを横糸に、3プライのウールを縦糸にして織る混紡素材。現在では反物の状態になっている素材の端に、生地ブランドの名前が書かれていることは珍しくないが、その“耳文字”を世界で先駆けたのもドーメル。

 
 

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英国素材の伝統を継承するドーメル

4代目当主のドメニク・ドーメル氏。「トニックという名前の由来は、ユニークなんです。ようやく完成したという日に、祖父はジントニックで乾杯したそうなのです。そこで、トニックと名付けた!知ってる人は案外、少ない。でも、本当の話です」。日本でのクールビズについてコメントを求めた。「地球環境を守ることは大切です。けれど、男性の最高の装いはスーツにタイ。涼しさを得られる素材の開発に取り組み、エレガンスと機能性を両立させていきたい」。

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対談当日の両名のVゾーンはともにエレガントな王道

(写真上)赤峰氏はブラウンのスーツを着用。Vゾーンは襟先がラウンドしているブラウンのストライプシャツに、ブラウンの小紋タイ。ブラウンのグラデーションでの粋な着こなし。
(写真下)ドーメル氏はジェットという素材を用いたネイビージャケットを着用。「スーツはグレーが多く、ジャケットはネイビー。もちろん、素材はドーメルです」。スポーティなイメージのチェックのシャツにグレーのクレストタイで、ネイビージャケットのVゾーンを構成していた。

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今月の赤峰ワードローブ [OCEANS掲載記事]

Y.アカミネのシアサッカーのジャケット

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避暑地のホテルで過ごすときのイメージで着こなしたい、夏にふさわしい清涼感のシアサッカージャケット。赤峰氏は白のリネンシャツもしくはネイビーのポロシャツをインナーとし、生成りのリネンパンツに、ブラウンのスムースレザーか、ベージュスエードのスリッポンを合わせて着こなす。ダブルブレストが堅苦しく見えすぎないように、ボタンを外して着るのが赤峰流のこなし方だ。

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出張達人の「上質最低限」拝見! [OCEANS掲載記事]

あの人の気になる持ち物、大公開!

本誌(OCEANS)連載でもおなじみのマエストロ赤峰こと、赤峰幸生氏。
仕事で世界中を飛び回る機会の多い赤峰氏はまさに出張の達人。
本邦初公開!な達人の上質最低限をご覧ください。

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「生活をそのまま持っていく」それが赤峰流の出張スタイル

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 少なくとも年間に6回は海外出張に行くという赤峰氏。氏のスーツケースを開け、荷物の量を見れば、その達人ぶりは明らかだ。
 「これは自分にとって、最低限のもの。僕は、自分の周りにある生活すべてを旅先に持ち込みたい」
 日本の味が恋しくなったときのために日本食ももちろん用意する。では、出張に欠かせないスーツは、何を基準に選ばれているのか。
 「グレー・ネイビー・ブラウン。これが僕の“着こなし三原色”。で、各色を軸にしてコーディネートしていく。靴もシャツもネクタイも“三原色”に従って自由に組み合わせることができれば、旅先でも納得のいくスーツの着こなしが可能です」
 旅先に氏が持っていくスーツを見れば、なるほど、納得の量。
 「僕は旅先でもその日の気分に合わせてネクタイを選びたいのです」
 旅というと、人はいかに必要最低限の荷物で済ませるかを考えがちだ。しかし、氏はそんな「限定された生活」を嫌う。氏にとってそれがたとえ旅先であっても、自宅にいるときと何ら変わらない同じ環境、つまり「生活」が必要なのである。「生活すべてを旅先に持ち込む」。それが、達人の上質最低限への考え方だ。
 
 

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(←)旅の疲れを効果的に取るには気持ちのいい“入浴と睡眠”
左の袋は、氏愛用の漢方入浴剤「救養草」。その名のとおり、海外で疲れたとき、この漢方入浴剤でパワーチャージ。真っ黒のお湯&薬草の匂いの効果は想像以上。仕上げは上質コットンのパジャマでの快眠。
 

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旅だから・・・・というのは、とにかくないのです!(→)
活字も文庫本で読まず、多少かさばってしまったとしても、必ずハードカバーのもので楽しむ。これも赤峰氏流の粋といえる。行動に限りがある旅先であろうと、氏は自身のダンディズムを貫く。

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(←)海外にいても日本の味は不可欠!
「ごはんですよ!」はトーストに、「和がらし」と「ウスターソース」はミラノで名物“コットレット・アッラ・ミラネーゼ(ミラノ風カツレツ)”に塗っていただくとのこと。そんな赤峰氏に一口ねだるミラネーゼが必ず現れるそうだ。

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美しい風景はスケッチブックに描く(→)
旅先で出会う胸を打つような美しい風景は、スケッチブックの上で、その輪郭をなぞりながら、同時に記憶に留めていくとのこと。ゆっくりと刻まれていく記憶は、簡単に消え去ることはないとは氏の弁。画材とスケッチブックは旅の必需品。ちなみに、「コノリー」のレザージャケットを着て出かけるそう。額に入った絵は過去の旅で氏が描いた作品。

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(←)ビジネスマンとしてのたしなみのひとつ
仕事柄、旅先で手紙やメモを残さねばならないシチュエーションは日常茶飯事。氏はそれをホテルのレターパッドで済ますのは野暮だと言う。自身の名前が入ったオリジナルのレターパッドを使うのが赤峰流。

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外国語堪能な氏が使う会話のきっかけ作りがコレ!(→)
「これはナンパ用!」と笑いながら紹介してくれたのが、こちらのアリのおもちゃ。言葉の通じない異国でコミュニケーションを取るとき、こんなグッズがときには役に立つとのこと。とはいえ、氏はもちろん外国語が堪能だ。

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(←)粋な男性ならばカジュアルも完璧に!
旅先では、シワになりにくいコーデュロイパンツが大活躍。特に長い時間着用する機内用の服として、氏の定番にまでなっているそう。コーディネイトは、ポロシャツやスエードのブルゾンを合わせ、足元はコンバース!

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いつもと同じようにネクタイはその日の気分で選ぶ(→)
ネクタイは滞在日数の倍の本数を持っていくのが赤峰流。本数に限りがあると、その日の気分に従えない。つまり、コーディネイト優先ではなく、ネクタイはあくまでも「その日の気分」を優先したいからだとか。これぞ、こだわり。上のアイウェアもご覧のとおり。

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(←)スーツは基本の3着と今もっとも「気分」な1着
赤峰流スーツ選びのルールに従って厳選されたのが次の4着。まず右上の、モヘア生地で仕立てられたグレーのスーツ。これはシャリ感のある薄手の生地で3シーズン対応可。そして左上、モヘアのトニックで仕立てられたミッドナイトブルーのスーツ。氏は濃紺より、やや明るめのネイビーを好む。ネイビーは氏のグレーに続くフェイバリットカラー。そして右下は、茶の夏用シャークスキンで仕立てられた一着。そして夏の旅には、氏が今もっとも「気分」だというシアサッカーのスーツだ。

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ベルトは茶と黒のみで
スーツ用とカジュアル用に!(→)

ベルトはスーツ用とカジュアル用に、それぞれ茶と黒を2本づつ計4本持っていく。つまり基本色のみ。この用意があれば、どんな場合でも対応できるとのこと。

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(←)ドレスアップが必要なときも準備があれば憂いない!
出張時にドレスアップが必要なときのために、ボウタイやシルクのスカーフも持参。タキシードを持参していなくても、チャコールグレーのスーツにダブルカフスの白シャツがあれば、ボウタイひとつでセミフォーマルに装える。

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革靴だってスーツに合わせてこれだけ用意!(→)
「ジョン ロブ」のコゲ茶のワンピースは茶のスーツに、同じく「ジョン ロブ」の明るい茶のウィングチップは紺のスーツに、「クレバリー」の黒のストレートチップはグレーのスーツに合わせるそう。あとは、カジュアルなスタイルに合わせて、「エルメス」のエスパドリーユや「コンバース」のスニーカーを。
 

■赤峰氏の「旅行カバン」

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「サムソナイト」のトランクは空港で預け、「リモワ」のミニトランクは機内用。「ペルックス」の書類カバンは座席の下へ。軽くて薄い「オロビアンコ」のリュックは、予備バックとして準備。この4つが出張時のレギュラー選手。

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2007年05月24日(木)

OCEANS 7月号 連載#16 [OCEANS掲載記事]

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King of Elegance

マエストロ赤峰の
「粋がわかれば、すべてがわかる」



白パンツの“粋”
 

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白でまとめた夏のドレスアップは素材感を変えてこなすのがコツ!
パンツはサラリとしたコットン混紡のフランネル。ハイウエストで尾錠付き。こちらは赤峰氏のプライベートブランド、Y.アカミネ ロイヤルラインのもの。サファリジャケットはY.アカミネの2007年S/Sコレクションで展開されている一着。一枚仕立てで、ヘビーウェイトのアイリッシュリネンを使用しています。靴は「McAFEE SHOES」という、現存していないと思われるメーカーで、ロンドンのヴィンテージショップにて手に入れたホワイトバックスのウィングチップ。タイはクラススポーツ的着こなしにふさわしい、クレスト入りのレジメンタル。写真では見えませんが、ソックスにも白を合わせています。
 
 
 
ベストを有効活用すれば、よりスポーティにこなせます
Vネックのベストは1950年代のもので、ロンドンのヴィンテージショップにて手に入れたもの。白いシャツを袖まくりでラフにこなし、パンツの素材は右と同じくコットンとの混紡フランネル。テニスやゴルフなど、クラススポーツ的な粋な着こなし例です。

 

 日本では「人は見かけによらぬもの」という言いまわしがあるが、良識のある人は、概ね見かけも魅力的である。趣味のよいものを身に着け、優雅な物腰の人物は、話をしてみると共通項が多く、有意義な時間をともに過ごせる。そういう意味で、身なりとはすなわち自己表現となる。今回は白のパンツを題材としたが、白のパンツをどのように着こなしているか、それは、私とはどのような人物であるかを伝えるひとつの手段となる。
 さて、まずは白の捉え方について。ピュアな白は正装に向いている。一方、日本では生成り、またエクリュとかパンナとも呼ばれるベージュがかった白は、エレガントでありつつ、スポーティな雰囲気。テニスやゴルフ、競馬観戦など、クラススポーツの場面でしばしば用いられる白だ。
 かつて、英国人はインドやアフリカを訪れる際、ベージュにほど近い麻のスーツを好んで着ていた。それは清涼感を求め、かつドレスアップするというマインドを反映したものだ。俗に今では(注1)コロニアルスタイルと呼ばれる。フォーマルまではいかないが、昼間にふさわしいドレスアップした着こなしだ。ホワイトタキシードのドレスダウンしたポジション、とも言い換えられる。
 私が着用しているのは、そうしたコロニアルな白の(注2)フランネル製のパンツだ。ピュアな白で素材がコットンもしくは麻ならば、通常マリンなイメージが強く感じられる。しかし、このパンツは対極。海よりは森。もっと突き詰めれば、未開の地に赴くような雰囲気を備えている。だから、自ずとサファリジャケットがマッチする。白いパンツといえども、捉え方の奥行きは実に深い。かつて(注3)フレッドアステアは白パンツを好んで着ていた。彼のセンスのよさは広く知られるが、白パンツのこなし方も一流であった。
 白パンツを着こなすコツであるが、全身を白一色でまとめる場合には、素材感をグラデーションにすることだ。今回は、ジャケットがヘビーウェイトの(注4)アイリッシュリネン、シャツがロイヤルオックス、パンツがコットンとフランネルの混紡、靴が(注5)バックスキン。このようにして、同じ白で統一しつつ、素材感を変えて合わせる。すると、メリハリが生まれて、スマートにまとまるのである。コロニアルな白ゆえ、健康的な日焼け肌で着こなすことも、粋に見える秘訣となる。
 
 
(注1) 「コロニアルスタイル」
コロニアルスタイルとは“植民地の”という意味。サファリジャケットやショートパンツ、麻のスーツなどがアイテムの中心。通常は白からベージュ、黄土色などのグラデーションカラーで着こなす。


(注2) 「フランネル」
紡毛糸を軽く縮絨して毛羽立たせた毛織物の総称。フラノとも呼ばれる。冬用生地との捉え方が一般化しているが、薄手のものであれば、夏にもふさわしい。


(注3) 「フレッド・アステア」
20世紀を代表するダンサーであり、不世出のミュージカル俳優。粋な着こなしで多くのファンを魅了した。下の写真集も参照。


(注4) 「アイリッシュリネン」
アイルランドにて亜麻の繊維で織られた生地のこと。特有のざっくりとした質感を持ち、現在では生産量が少なく、希少性が高い。リネンの最高峰とも謳われる。


(注5) 「バックスキン」
雄の鹿革を毛羽立たせて仕上げている素材のこと。特に白はホワイトバックスと呼ばれ、19世紀後半頃、オックスフォード大学の学生がスポーツ観戦用に好んで履いた靴がその始まりといわれる。


 
 

赤峰氏所蔵の本より抜粋した、白パンツの粋な着こなし例。

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1_「LE STYLE FRED ASTAIRE」より。
白いパンツの粋な着こなしでは右に出る者がいない、と赤峰氏も語るフレッド・アステア。
ブラウンチェックのジャケットに白のフランネルパンツを合わせて、足元はホワイトバックス。
右側の写真ではテニスラケットを抱えています。

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2_「Slim Aarons:A Place in the Sun」より。
英国の紳士たちが、全身、白の着こなしで、ボウリングに興じている様子。
白をクラススポーツで着こなす参考例です。

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3_「L'ALLURE DES HOMMES」より。
クラシカルなテニスでの着こなし。やはり、全身を白でまとめています。

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4_「Jean Cocteau」より。
フランスの芸術家は着こなしも粋、そのもの。
白いパンツにはニットをレイヤードして、黒いタイを合わせています。

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今月の赤峰ワードローブ [OCEANS掲載記事]

Y.アカミネのネイビーストライプジャケットジャケット

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赤峰氏のプライベートブランド、Y.アカミネの2007年春夏コレクションより選んだ一着。デザインはチェンジポケット付きの英国調。仕立て映えするイタリア製のシルクと麻の混紡素材を使用。ざっくりとした風合いと光沢感を兼ね備え、ネイビーに白のコードストライプが配されたジャケットには、マリンリゾートでのドレスアップにふさわしい雰囲気が醸し出されています。白の麻シャツもしくは白のポロシャツをインナーに、下にはミディアムグレーのパンツを合わせるのが、赤峰氏が実践する粋な着こなし方。

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2007年04月24日(火)

OCEANS 6月号 連載#15 [OCEANS掲載記事]

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King of Elegance

マエストロ赤峰の
「粋がわかれば、すべてがわかる」



茶革の“粋”

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骨太な茶革のブリーフがスーツ姿に深みを与えてくれる
赤峰氏が着ているのは、グレーのキッドモヘア素材のダブルブレストスーツ。そして、氏が携えているのは、25年ほど前にミラノにて購入したヴァレクストラのブリーフケースだ。素材はチンギアーレ。丈夫であるがゆえに、長く使い続けることができ、茶革が見事な味わいに変化している。氏曰く「ヴァレクレストラはブランドでありながらこれ見よがしにならない、粋なブランド。職人を大事にしているからこそ、優れた革製品が作られている。機能性のためのデザインは飽きることがなく、初めは硬かったチンギアーレも使い込むうちに柔らかくなってきた。イタリアでも、イギリスでも、このブリーフケースを携えていると、どこのものか?と尋ねられることが多い。それは革が魅力的に映ることにほかならない。ヴァレクレストラだと答えると、皆、納得する」。
 

 今の世の中は、時間に追われている。利便性ばかりが求められ、何事も即物的である気がしてならない。それはファッションについても然り。しかし、そうしたマーケティング主導で作られたモノには魅力を感じられるものが少ない。イタリアでは「(注1)ファット ア マーノ」という言葉が重んじられる。職人の手作りによるモノは完成までに長き時間を要し、そして時間をかけた分だけ魅力を備えていく。私はブランドの名前にはこだわらないし、ブランド名があからさまなのは好まない。しかし、職人を育て、大事にし続けているブランドを選ぶのは、ゆったりとした時間の中で良質なモノを作り上げ、必然的にクオリティが高いからだ。特に革製品は、それがことさらである。
 (注2)ヴァレクストラのブリーフケースはそうした理由で選び、ミラノの店で購入して以来、25年ほど使い続けている。デザインありきではなく目的に適ったシンプルで飽きのこないもので、素材の(注3)チンギアーレはとても丈夫。使い始めは硬いが、使うたびに柔らかくなり、しっくりと手になじむ。それが心地よい。やや明るめの茶を選ぶのは、黒よりも味が出やすく、茶の色合いが濃くなるにつれ、艶が増して美しい風合いとなるから。キズですら、味となり魅力のひとつとなる。(注4)スマイソンのパスポートケース、ティファニーのアンティーク時計、(注5)チェレリーニのコインケースも使うほどに味わい深くなる茶革がいい。まだ幾分、味が足りないが、今よりも来年、そして5年後、10年後の色合いが楽しみだ。
 長く愛用して味の出た茶革の小物を身につけていると、揺ぎない芯が自分に一本通っているようにすら思える。そして、きっとそれは男らしい趣味のよさでもあるのだ。多少、値が張ったとしても結果的に得をするということを思えば、その価値以上の価値を見出すことができるはず。
 最後に着こなしについて触れよう。革小物は色を揃えるのが基本だ。特に鞄と靴。財布や名刺入れ、時計のベルトも揃っていた方がスマートに見える。黒であれば黒で統一すること。それは難しくない。茶であればもちろん茶で統一を。その際、濃淡までも合わせようとする向きもあるが、私は気にしない。揃いすぎているのも不自然で、使っている年月に応じて色合いが変わるのだから。
 
 
(注1) 「ファット ア マーノ」
「fatto a mano」はイタリア語で手作りという意。職人が丁寧に一針一針縫い上げた革製品は、丈夫で傷んでも直しが利き、長く愛用できる。


(注2) 「ヴァレクストラ」
1937年、ミラノにて創業した老舗。クオリティを重視した革製品に定評がある。日本では銀座に路面店があり、多数のアイテムを揃える。


(注3) 「チンギアーレ」
イタリア語でイノシシ革の意。古くから高級素材として用いられ、鞄や財布のほか、グローブにも使われる。丈夫で、キズつきにくいことが特性。


(注4) 「スマイソン」
創業は1887年。英国王室御用達の老舗で、ステーショナリーを中心として扱う。ロンドンではニューボンドストリートにショップを構える。赤峰氏はパスポートケースのほか、特注したネーム入りの便箋も愛用。


(注5) 「チェレリーニ」
1956年にフィレンツェにて創業以来、クオリティ重視の姿勢を貫き、熟練の職人が丹念に革製品を作り上げ、各界の名士を顧客に抱える。


 
 

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経年変化が魅力となる茶革の鞄を愛用する、英国紳士の粋
赤峰氏所蔵の本「BRITISH POLITICAL」より。写真の人物はチャーチル時代の内閣で活躍した政治家、HUGH DALTON。デスクの上に置かれているブリーフケースにご注目を。何年も使い込んだのであろう、深い味わいに変化している茶革が見て取れる。まるで、これまで歩んできた自分の歴史が刻み込まれているかのようだ。特に英国紳士にはモノを長く使い続ける精神が根付く。氏はそうした姿勢をとても粋と感じる。
 

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金具を修理し、寿命を延ばす。
そして、永く愛用し続ける!

少々乱暴に扱っても革はへこたれないが、25年も使っていたら、金具の部分が壊れてしまったそう。赤峰氏は靴の修理で知られるユニオンワークスに依頼し、壊れた金具を取り替えた。「壊れたら修理して使う。使い捨てはしない。この鞄はまだまだ現役だ。今後、この革はもっといい色に変化していくだろう。」

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今後の革の味わいの変化が
楽しみなパスポートケース

ロンドンにあるスマイソンで5年ほど前に購入したピッグレザーのパスポートケース。こちらは海外出張のときに使用。同じものを長く使っていたが、ミラノからフィレンツェに向かう列車の中で盗難にあってしまったとのこと。お金よりも、味の出ていたパスポートケースを失ったことが残念と語る。

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腕時計よりも魅力を感じるのは
味が出ている茶革のベルト

ステンレスベルトの腕時計は好まない赤峰氏。このティファニーの腕時計は10年ほど前に、ニューヨークのアンティークショップで見つけて購入。革に汗が染み込んで、部分的に色が濃くなる。それは使い続けていれば自然なこと。そういう変化を楽しむことに、革の醍醐味があるのだ。
 

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海外出張時に便利な
仕分けのできるコインケース

フィレンツェのチェリーニで購入。グリーン、レッド、ベーシュ、ネイビー、それぞれのジッパーごとに4室に分かれているので、ユーロ、ポンド、ドル、円の小銭を仕分けられるのが重宝する。普段、赤峰氏は財布を使わないそう。札やカードは特大のクリップで挟んで使用している。
 

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今月の赤峰ワードローブ [OCEANS掲載記事]

Y.アカミネのコードストライプのサマージャケット

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赤峰氏のプライベートブランド、Y.アカミネの2007年春夏コレクションにラインナップされているジャケット。かつてロンドンで購入したジャケットを今日的に復刻したもの。素材はイタリアのファブリックメーカー、フェルラ社によるもので麻×シルクの混紡。ネイビーのコードストライプが特徴的。デザインは2ボタン、センターベント、ポケットはチェンジポケット付きのスラントで英国調。白シャツにグレーパンツでリゾート風のこなしがおすすめ。ジャケットは日本橋三越本店、他にて展開

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赤峰 幸生 (あかみね ゆきお)

● イタリア語で「出会い」の意のインコントロは、大手百貨店やセレクトショップ、海外テキスタイルメーカーなどの企業戦略やコンセプトワークのコンサルティングを行う。2007年秋冬からは『真のドレスを求めたい男たちへ』をテーマにした自作ブランド「Akamine Royal Line」の服作りを通じて質実のある真の男のダンディズムを追及。平行して、(財)ファッション人材育成機構設立メンバー、繊研新聞や朝日新聞などへの執筆活動も行う。国際的な感覚を持ちながら、日本のトラディショナルが分かるディレクター兼デザイナーとして世界を舞台に活躍。 Men’s Ex、OCEANSに連載。MONOCLE(www.monocle.com)、MONSIEUR(www.monsieur.fr)へも一部掲載中。

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MEN'S EX 2013年6月号 赤峰幸生の「服育のすゝめ」 vol. 6

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ネクタイの季節

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エスクァイア日本版「LAST(vol.9)」5月号臨時増刊(男の靴雑誌)“Akamine's choice”

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