AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2007年09月24日(月)

OCEANS 11月号連載 AKAMINE STYLE 目覚めよ、日本の男たち! [OCEANS掲載記事]

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マエストロ赤峰の「オトナ相談室」
仕事や家庭、恋愛、育児、そしてファッション・・・・etc.。
さまざまな悩みを抱えているオーシャンズ世代の皆さまに救いの手を差し伸べるべく、オトナ相談室を開設しました!
そしてその相談役を引き受けるのは、“マエストロ”こと赤峰幸生氏。あれやこれやと悩む前に、まずはオトナ相談室までご一報を!教えてっ、マエストロ!



今月のお悩みキーワード
“ジェントルマン”

[今月の質問]
ここ最近、「品格」という言葉が流行っています。男としてより格好よくあるために、僕もかねてより「品格」ある男性、つまり「ジェントルマン」に憧れています。だから、「リアルジェントルマン」と称されるマエストロに聞きたいんです!今すぐにでも「ジェントルマン」になれる方法を教えてください。(26歳・オーシャンズ編集部員A・T)

 

Q.マエストロ、今すぐジェントルマンになる方法を教えてっ!
 馬鹿やろう!「ジェントルマン」にたやすくなれるわけがない。断っておくが、オレは自分が「ジェントルマン」だなんて思ったことなどない。そもそも、「ジェントルマン」かどうかは自分が決めることではない。他人が評価するものだ。今すぐにだと?ふざけるな、と言いたいね。「ジェントルマン」であることは、毎日の積み重ねだ。生をまっとうしたときにでも、あの人は「ジェントルマン」だったと回想してもらえたら、うれしいと思うがね。
 どうやら最近は“品格ブーム”が起こっているようだ。品格のある人間になりたいと思うことは大変結構。だが、ブームだから、なんてことでは話にならん。日本人はとかく影響されやすい。ブームに乗っからないと、不安で仕方ないのだろう。だがね、品格のある「ジェントルマン」になるなんてことは、一朝一夕にできるわけがない。そんなこと言う男は、顔洗って出直してもらいたい感じだよ、まったく。それでもいつか、「ジェントルマン」になりたいと願うのであれば、アドバイスを送ろう。それは、「朝勝負の男」になることだ。朝、決まった時間に起きて、顔を洗い、ヒゲを剃り、しっかりと朝食を摂る。そして、「おはようございます」と挨拶をする。そうして、一日をスタートさせるのだ。そして、それを毎日、繰り返す。オーシャンズ世代は、仕事が忙しいからと夜型になっている男が多いだろう。だが、夜の仕事をやめ、その分早く起きて仕事を進める。そうして、生活のリズムが自然の摂理に従ってこそ、毎日の活力が生まれる。朝、つまり午前中にポジティブ=前向きでいることがすべての始まりだ。そしてもっとも大切なのは、自分に対しても、相手に対しても「礼を忘れない」でいること。そう断言するね。何事にも「ありがとう」の気持ちを持たずして、どうして「ジェントルマン」になどなれようか。偉ぶるな、謙虚になれと言いたい。特に先人に敬意を払うことは、忘れてはならない。

Q.では、「ジェントルマン」に見られる服装を教えてもらえませんか?
 だから、馬鹿やろう!と言っているだろう。上っ面だけ「ジェントルマン」に見られようと思うことが、もう道を逸れているのだ。そんなことを言う君には、裸で人と付き合うことができるか、と問いたい。風呂屋に行ったときに、服を脱いで、知らない人と素っ裸で自然に「世間話」ができるかどうか。これは重要なポイントだね。つまり、服など二の次ということ。肩書きも収入も関係ない。それでいて、面と向かって人としっかり会話のできる男が「ジェントルマン」だ。「ジェントルマン」の服装などというハウトゥーはない。ただし、こうアドバイスは送ろう。トレンドというまやかしに踊らされないことだ。そのためには自分流の軸を持つことが大事だ。軸さえ定まれば、ブレることがない。アレコレと服を取っ替えるのではなく、長く着続けられる服を選ぶ目を持て。ハリボテのような服ばかりを着ていないかどうか、自問してほしい。どこでどう作られているかもわからない、イタリア語のようなブランド名を付けただけの服。有名なブランド名が付いていても、実が伴っていないライセンスの服。ブランド名をこれ見よがしにひけらかす服。名前に騙されてはいけない。自分で判断するための目を持たねばならない。10年後も着ていられるか。まずはそれを判断の基準として服を選べば、「ジェントルマン」への道は開き始める。

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(→)自宅の近所にある行きつけの魚屋さんにて、夕飯にする魚を選んでいるマエストロ。魚を選ぶ目も、朝ネクタイを選ぶ目と同じ。そう語るマエストロの、日常の生活の何気ない、当たり前の行為にこそ「ジェントルマン」たる立ち居振る舞いが表れるのである。
 

Q.「ジェントルマン」としての女性との付き合い方を教えてください。
 相手を尊重して、精神的にサポートすることに尽きるのではないか。女性のバッグを持って歩かされている男をよく見かける。重い荷物は男が持つべきだ。だが、自分のバッグを持たせるような女には、「自分の荷物は自分で持て」と言うべきだ。言うべきことは、はっきり言う。それが、男が男らしくいることにもつながる。それが「ジェントルマン」としての女との付き合い方だ。元来、男と女は違いがあればこそ、惹かれ合うものだろう。腰が引けた付き合いはするな、と言いたいね。オーシャンズ世代なら、結婚している男も多いだろう。一緒に生活をしていれば、いいところだけを見せるわけにもいかない。素で付き合うこととなる。それであっても、いつまでも男と女であらねばならないのだ。もっと言えば、「不倫や浮気」なんてのはありえない。なぜなら、全力でぶつかり合うのが重要なのだから。その意味で言うなら、結婚だって何回したっていい。「ジェントルマン」に結婚の回数は関係ない、何回でもしろ!

Q.「ジェントルマン」に近づくためのよき映画や本を3つずつ教えて!
 その手の質問には、もううんざりだ。だが、映画や活字を読むことは知らないモノ・コトを謙虚に受け止められるいい機会だ。たしかに、素晴らしい作品には「ジェントルマン」になる方法が隠されているかもしれない。たくさんありすぎるが、あえて絞るとすれば次のようになるだろう。映画は『(注1)第三の男』『(注2)暗殺の森』『(注3)東京物語』。今の映画ではなく、クラシックな映画はよき人生の手本ともなるものだ。本は『(注4)男たちへ』『(注5)武士道』『(注6)人生心得帖』。時間を作って、ぜひ一読されることをすすめる。そしてこれから何を感じ取れるか。教訓を得たならば、翌日からすぐに実行してほしい。そんなふうに、もっと独りの時間を持って、独りの時間を楽しむのだ。今の世の中は、何事も急いている。早く、早く、という具合にだ。生活に「間」というものがまったくない。本を読んだっていい、散歩をしたっていい、ジムに行ってもいい、靴を磨いたっていい。連れションじゃなくって、独りションだ。「ジェントルマン」になるためには、そうやって自分を振り返る時間くらいの余裕がなければいけないのだ。そのためには、五感が錆びつかないように常に心がけること。そして、「礼を忘れない」で謙虚な気持ちでいることが大切だ。そうすれば、日々、何か得るものがあるはず。「ジェントルマン」になる。それは長い道のりかもしれないが、いつかきっとたどり着けるだろう。少なくとも私はそう信じて毎日を生きている。

 
(注1) 「第三の男」
1940年のイギリス映画。監督はキャロル・リード、主演はオーソン・ウェルズ、ジョセフ・コットン。1950年のアカデミー賞では白黒映画部門にて撮影賞を獲得。


(注2) 「暗殺の森」
1970年製作、イタリア、フランス、西ドイツの合作映画。監督・脚本はベルナルド・ベルトルッチ。原作はイタリア人の作家、アルベルト・モラヴィアの「孤独な青年」。


(注3) 「東京物語」
小津安二郎監督、笠智衆主演。1953年公開。日本映画の最高傑作とも評される。


(注4) 「男たちへ」
塩野七生著、文芸春秋発行。副題は「フツウの男をフツウでない男にするための54章」。辛辣にしてユーモアに満ちた「男性改造講座」。


(注5) 「武士道」
新渡戸稲造が1899年に英文で「武士道」を発表。世界的な反響を呼ぶ。日本人とは何かを問い、倫理観、道徳観を見直すことのできる格好の書。


(注6) 「人生心得帖」
経営の神様と謳われた松下幸之助著。心得帖シリーズの4作目。生き方の知恵、人生の指針が示されている。


 
 

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−近ごろのマエストロ−
「日本人はもっと休め」

フレッシュな自分を保つためには、休みが必要不可欠というマエストロ。「ツーリストとして数日、休むだけではダメ。1年に1回は20日くらい連続して休暇を過ごすべきだ。生活の場を移動させることが大切」。そう語るマエストロは、イタリアの街中の人が水をかけ合うことで知られる、8月の祝日「海の日」にフィレンツェ近郊のシーサイドリゾートにて夏休みを過ごしたそう。働きずくめの日本人に喝!!

■みなさんからの質問待ってます!
仕事から家庭、恋愛、そしてファッション・・・・・・etc.、日ごろ読者のみなさんが抱える悩み、疑問など、相談したいことをなんでも教えてください。マエストロ赤峰がズバッと解決いたします!官製ハガキに @相談したいこと A氏名(ふりがな) B住所 C年齢 D職業 E電話番号 Fメールアドレス G赤峰連載への感想 を明記し、〒162-0825東京都新宿区神楽坂6-42 喜多川ビル8F オーシャンズ編集部「オトナ相談室係」までお送りください。質問が採用された方の中から、抽選で毎月1名様にマエストロ直筆の“ありがた語録”色紙をプレゼント!

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2007年09月21日(金)

トーク&トランクショー のご案内 [INCONTRO NEWS]

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10月8日(祝)三越日本橋本店にて弊社代表赤峰がトーク&トランクショーを行います。

★10/2〜スタートします三越英国展内にてトーク&トランクショーを行い、07秋冬から立ち上げましたAkamineRoyalLineのパターンオーダー会も引き続き行って参ります。

*アイテム :スーツ(SB/DB)、ジャケット、トラウザーズ
*価格   :例)スーツ ¥168,000.-〜

トーク&トランクショーは13:30〜と15:30〜の2回。場所は、三越日本橋本店本館7F
テーマは、‘AkamineRoyalLine×DORMEUIL’

*Akamine Royal Line :98春夏から作り続けたY.Akamineを
07秋冬からAkamine Royal Lineへブランド変更しました。
10年着ても耐え忍べる一着を念頭に置き、「何も足さない何も引かない、なんて事はないが良い物」として低速織機で作り込むアーカイヴ復刻生地を中心に、英国ハダースフィールドや伊国ビエッラの生地も使用。積み重ねた“上質”を一つの形に表現したリアルクローズです。

*DORMEUIL : 1842年ジュールス・ドーメル(仏)が英国から毛織物を輸入して販売したことに始まり、貴族社会における紳士の作法というべきあらゆる場面でのスタイルをSPORTEX、TONIK、などというあまりにも有名な生地の開発を行っていた。現在は80カ国の紳士服地の基本と言えば、『DORMEUIL』。その知名度と信頼感は絶対的なものです。

皆様のご来場を心よりお待ちしております。

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2007年09月20日(木)

繊研新聞掲載「再び物作りと向き合う時代に」 [繊研新聞掲載記事]

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繊研新聞2007年9月20日付け記事「再び物作りと向き合う時代に」に掲載されました。

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2007年09月06日(木)

MEN'S EX 10月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.17 [MEN'S EX 掲載記事]

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菊池武夫さんと赤峰幸生さん。
ファッション界の2人の巨匠が毎回テーマを決め、それに基づいてお互いのファッションを披露し語り合う、夢の対談連載。

「今月のテーマ」
自分のスーツスタイルの見つけ方

男だったら、いつかは自分のスーツスタイルを築きたいと憧れるものです。が、当然ながら、それは一朝一夕で身につけられるものではありません。お2人は、自分のスーツスタイルをどのように築いていったのでしょう?自らの経験を語っていただきました。近道はあるのでしょうか?

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■(写真右)赤峰幸生氏
・アカミネ ロイヤルラインの白のポプリンシャツ
・タックスの'60年代製ジャカードタイ
・アイリッシュリネン カンパニーのチーフ
・リヴェラーノ&リヴェラーノのグレイフランネルスーツ
・ジョン ロブのシューズ

■(写真左)菊池武夫氏
・五大陸ボウタイ
・ダンヒル シャツバーのシャツ
・アンティークのシルクストールをチーフ使い
・ロロ・ピアーナのスーパー120'sを使用した40カラッツ&525のオリジナルスーツ
・デュカルのシューズ



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ビシッと着たスーツスタイルは実に自然体でもの凄い貫禄があります。
まさしく男惚れするカッコよさ!
スーツに対する自論を展開してくださり、大いに勉強になりました。

■それぞれ自分を象徴するスーツの素材・色柄がある
菊池  随分前からスーツを着ることってほとんどなかったんですけど、ここ最近なんとなくスーツを着たいなと思っているんです。僕はストレートな着こなしができないので、ついついひねってしまうんですけど、そのぶんベースとなるスーツはオーソドックスなほうがいいですね。僕なりのコーディネイションで、らしさを出せればいいなと思っています。
赤峰  らしさといえば、今日はボウタイが見事に決まってらっしゃいますね。
菊池  ボウタイは前からしたいなと思っていて、僕よりも振れ幅があって面白く着ている人たち、チェックのジャケットにボウタイみたいな感じの捉え方で、着こなしてみたいなと思っていたんです。最近は海外に買い付けに行っていても、大きな流れではファッションがあまり変わっていないですから。どうにかして違う方向にもっていこうとしたときに、一番面白いのはスーツかもしれないって思ったんです。でもまだ僕自身の中で掴まえきれていないので、しばらくスーツを着てみようと思っています。
赤峰  読者の中心層のビジネスマンは何着もスーツを持っているわけですけど、彼らの中でスーツを着ることとか買うことの意識が変わってきているんじゃないかと思うんです。今までは極端な話、3つボタンのサイドベンツだったらまず無難、みたいなのがありましたよね。ただ、そういうのも一巡してしまって、(注1)クラシコイタリアも終わってしまって、消費者は今、上質感のある日常のものをベーシックに回帰して着ることを求めているんだと思うんです。ベーシックな日常に自分なりの変化をどうやってつけるのかということに、消費者の意識が傾いているのかなと。今までは生地メーカーやブランド名が上質の代名詞でしたけど、もっと全体で判断する時代になってきましたよね。
M.E.  なるほど。
赤峰  今日着ているグレイもそうですけど、(注2)より上質性の高いグレイとか上質性の高いネイビーとかね。ごくごくフツウの色にしか見えなくても、その中でも微妙な差があって、いろいろな質があるんです。
菊池  今日着ていらっしゃるずっしりしたグレイフランネルは、凄く赤峰さんっぽい感じがします。赤峰さんと聞いてイメージする素材として成立していますよね。
赤峰  ありがとうございます。ミディアムグレイのフラノは最も好きな素材のひとつなんです。菊池さんもいつもおっしゃられていますけど、スーツって、新しく作ったふうに見られるのが一番恥ずかしいんですよね。
菊池  そうなんです。私の場合、今着たばかりっていう感覚を自分で意識しだしたら、どうにも落ち着かなくなってしまいます。たとえ新調したものであったとしても、あたかもずっと着ているように見せたいっていうのがあります。だから、極端な話、スーツを洗濯機で洗ってしまうことだってあるんです。
赤峰  タケ先生はストライプっていうイメージがありますけど。
菊池  ストライプは大好きで、今日着ているような紺のストライプはとにかく多いですね。あとは、グレイ系、それにサキソニーかフラノが多いです。今日もグレイを着るかこれを着るか迷っていたんです。結局のところ、昔から同じようなものばかりを選んでしまっている。黒はほとんど着なくて、ダークスーツだったら、自分の場合はほとんどが紺。
M.E.  自分なりの色というか、イメージを作ることが大切なんでしょうね。
赤峰  そうなんです。ひと口にグレイといっても、質とか厚み色とか、もの凄く奥が深くて、それを自分の中で極めていくのが面白いんです。例えばフラノって毛羽があるじゃないですか。僕の大好きな打ち込みのしっかりしたミディアムグレイのフラノの中でも、着込んで毛羽が取れてきたフラノのほうが、自分にフィットしているっていうか、いいアジが出ていてもっと好きなんです。
菊池  10年くらい着込んでいくとそうなりますよね。
赤峰  そうなんです。そのくらい着込んでいくと、本当にいい感じになってきます。ただ、映画の中とかで、着ているのは新調したスーツなんだけれど、長年着込んでいるかのような雰囲気を出している俳優さんいるじゃないですか。ヴィンテージだろうが新調したものだろうが、見た人からはわからないっていうのが、僕の中での理想なんです。いかにもヴィンテージを着ているよ、新調したものを着ているよっていうのはちょっと嫌ですね。

■歳とともに削ぎ落としていけばいいだけのこと
菊池  自分の好きなスタイル、生地、色が1つ見つかれば、そこからスーツスタイルの奥行きが増していくと思うんです。自分が着ていた服はほとんど捨てていないので、さすがに20代の頃に着ていた服は着られないですけど、20年前、30年前の服だったら今でも着られます。好きなスタイルが変わっていないっていうのもあるかもしれません。その代わり春夏だろうが秋冬だろうが、傾向が似てしまうんです。
赤峰  私も同じです(笑)。今日着ているストライプも、夏用もあれば3シーズン着られるのもあるし、本当同じような柄が自然と揃っているんです。
菊池  ちょっと話は脱線してしまいますけど、服を着るときって、ほとんど上体や胸や肩のあたりで決まってしまうと思うんですよね。それをちゃんとするには肉体的な問題を気にしなければいけないと思うんです。自分たちが若い頃に一番気になったのは、素のカラダつきなんですよね。今の若い人たちって上手く服を着ていると思うんですけど、あまりそういうのを気にしていないと思うんです。どんな体型をしていてもいいと思うんですけど、洋服に着られるのではなく、着るほうにならなければいけないわけですから。そういう意識は、特にスーツの場合、強くもっていたほうがいいと思います。
赤峰  あと、スーツは肩が命っていうじゃないですか。上手に着る人は上着をしっかり肩に乗せているというか、安定感があるんですよね。下はヘラヘラしていてもいいんだけど、肩がしっかり収まっていることが大切なんです。
菊池  ショルダーラインっていう言葉があるくらいですからね。
赤峰  スーツを上手に着ている人ほど肩のラインがきれいに出ていますよね。上下同じでありさえすればスーツだと思って着ている人との差は、歴然としています。
菊池  それはいえるかもしれません。
赤峰  今まで着てきた20年前、30年前のスーツを、ふと思い出すことがあるんです。その中にはもちろん買って失敗したものもありましたけど、失敗の繰り返しの数ほど、そこから学んで上手く着こなしがでいるようになるものだと思うんです。安全や無難ばかりを求めてしまうと、着こなすっていう感覚が薄れてしまいますよね。
菊池  自分のスタイルを築きたいんだったら、やっぱり繰り返し着るしかないんじゃないでしょうか。自分の分身となるような洋服と、ずっと付き合っていくことが大切だと思います。
赤峰  80歳とか90歳で(注3)タイを凄くきれいに結んで、仕立てたスーツやジャケットを着ているお爺さんとかいるじゃないですか。もう「ごめんなさい」、「お見事」って感じですよね。
菊池  敵わないですよね。今になって、若い頃はなんでこんな格好をしていたんだろうって思うことがあるんですけど、とはいえそこから学ぶことも多々あったように思います。今の人たちは、世間的なことをあまりにも先に計算しすぎてしまっているんです。それだと、あまり面白くない。
赤峰  僕も今のスタイルに行き着いたのは50歳を過ぎてからですから。今思えば、50歳までは学習期でした。歳とともに削ぎ落としていけばいいわけですから。若い頃は突っ張っていろいろ着てみるのもいいのでは?




(注1) 「クラシコイタリアも終わってしまって」
クラシコイタリアがブームのときは、クラシコイタリアのみが正義みたいな風潮がありました。が、市場が成熟した現在は、もっと広い意味でクラシックなスーツが国に関係なく受け入れられるようになりました。スーツは次のステージへと突入したのです。

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(注2) 「より上質性の高いグレイとか上質性の高いネイビーとか」
左は1月号でご登場いただいたときの写真。赤峰さんはグレイのフランネル、タケ先生はネイビーのフランネルのスーツを着ています。ベーシックなものこそ、そこに求めるべきものはまず上質であるというのは、お二人の意見の一致するところです。

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(注3) 「タイを凄くきれいに結んで、仕立てたスーツやジャケットを着ているお爺さん」
タイドアップ姿がお洒落なお爺さんといえば、左の写真に写っているA.カラチェニのマリオ・カラチェニさんや、チェサレ・アットリーニさんが最初に思い浮かびます。お二人には、お洒落を超越した何かを感じずにはいられません。

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赤峰さん的スーツの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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柄のピッチを合わせています

柄ものを合わせるときは、スーツのストライプ幅とタイの柄の幅を基本的に揃えているという赤峰さん。例えば、小紋タイの小紋の間隔は、スーツのストライプの幅に合わせます。

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ミディアムグレイの英国製フランネル

秋冬の赤峰さんといえば、ウエイトのある英国製グレイフランネルが大定番。中も写真のようなミディアムグレイにに白のチョークストライプが入ったタイプは大のお気に入り。

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ロングノーズの靴は合わせません

靴はクラシックタイプを好み、ロングノーズは好みません。パンツの丈、裾幅、折り返し幅も、すべて決めています。ちなみにスリッポンはジョン ロブの日本未展開モデル。

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菊池さん的スーツの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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スーツにボウタイという洒落っ気

スーツにボウタイを合わせるあたりは、タケ先生ならではのこなしです。何を着ても、必ずどこかにヒネリが利いていて、毎回それがちゃんとタケ先生節になっているんです。

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スーツの縞色をさりげなく拾います

スーツのストライプに合わせて、シャツもうっすらパープルがかったものを合わせています。ラグジュアリーな生地のシャツは、パリで購入したダンヒルシャツバーのもの。

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コンビシューズが今の気分です

チャーチの白と黒のコンビ靴を合わせたかったそうですが、「見つからなくて」。というわけで、デュカルの靴を選択。靴のパンチングレザーにソックスの質感を合わせています。

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2007年08月24日(金)

OCEANS 10月号 連載#19 [OCEANS掲載記事]

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King of Elegance

マエストロ赤峰の
「粋がわかれば、すべてがわかる」

(最終回)


無造作の“粋”

 「お洒落ですね」と言われるのが好きではない。お洒落に見えるとは、言い換えれば不自然に目立っているということである。私は誰かの関心を得るために服を選び、着ているわけでは毛頭ない。ましてや、モテるためとは論外も甚だしい。服は自分を実像以上に見せるための手段ではない。だから、「お洒落ですね」と言われれば、その時の格好がその場にそぐわなかったのだと判断する。服を上手に着こなすとは、服が板についているということ。つまり、着ている本人よりも前に出ない。あくまで控えめで、目立たない。それがつまるところ、自然に見える「無造作の粋」なのだ。
 ただし、無造作に見えるためのマニュアルなどというものはない。己の生き様すべて服装に表れるのだ。しかし、無造作に服を着こなしたいと願う者に対して、赤峰流を伝えることはできる。今回はそうした参考例と捉えていただきたい。同じように真似をしたとて、それはその時点で無造作ではなくなるのではあるが。
 まず、基本はルールを知り、それを実践することが肝要。ルールとは、先達のさまざまな流儀の中から、最良の見え方をする着こなしとして定着したものだ。ジャケットのラペルの角度とシャツの襟の角度とを合わせるとか、ジャケットの袖口からシャツのカフスを少しだけ覗かせるとか、パンツの裾を少し弛むぐらいの長さにするとか、そういった類のことである。(注1)ジャストフィットの服を着ることも前提となる。そういう要素ができあがってこそ、自分らしいこなし方ができる。しかし、ルールに縛られる必要はない。チーフは(注2)TVホールドで入れなければならないか?そんなことはない。その日の気分で、無造作に挿せばいい。タイは大剣の先がベルトに掛かる長さにしなければならないか?そんなことは気にしなくてよい。多少、長かろうが短かろうが構わない。つまり、無造作とは「自分らしさ」と同義なのである。
 また、加えて服が板に付く赤峰流儀を挙げるならば、服を愛でること。つまり服を長く着続けること。買った服を、あまり着ないのでは、服が使命を果たせず哀れ。主となったからには、その服をとことん着倒す。その結果、服の持ち味を知り、自然と服が板につく。そのためには、素材と仕立てを見極めて、耐久性を求めることが不可欠だ。私が(注3)ヘビーウェイトの生地を用いた服を好むのはそういう理由がある。
 (注4)クラーク・ゲーブル(注5)フランク・シナトラなどの先達がなぜ粋に見えるか?それは、彼らがいかに上手に服を無造作に自分らしく着こなしているからにほかならない。その境地に立ち入るには、マニュアルはない。私とて、道程にいるのである。
 
 
(注1) 「ジャストフィット」
マエストロのスーツはオーダーでの仕立て。オーダーでなければならぬ、ことはないが、ジャストフィットを求めるならば必然となる。また体形を維持し続けることも必要となる。


(注2) 「TVホールド」
アメリカのテレビアナウンサーが始めたといわれる、ポケットからチーフを1cmほど水平に覗かせる挿し方。最も一般的で広く定着している。


(注3) 「ヘビーウェイト」
スーツやシャツなどの生地はウェイト、つまり重さで種別される。厚地であればヘビーウェイトとなり、ウェイトと丈夫さはおおよそ比例するもの。


(注4) 「クラーク・ゲーブル」
アメリカの映画俳優。代表作は『風と共に去りぬ』など。


(注5) 「フランク・シナトラ」
20世紀を代表する歌手であり、映画俳優としても活躍。代表作は『上流社会』など。


 

[これがマエストロの粋の原点]

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映画スターから学んだ無造作な着こなし
赤峰氏の会社、インコントロにはこれらの映画スターのポートレートが飾られている。イヴ・モンタン、カーク・ダグラス・・・etc.皆、服が板についており、それゆえに、立ち居振る舞いが自然で粋に見える。赤峰氏が参考とするお手本だ。
 
 

■無造作な粋が自然と盛り込まれたマエストロ流儀の着こなし方

「テクニックうんぬんではなく、ルールに則ったうえで、その先は自分の感覚で自由に着こなせばいい」と語る赤峰氏。今回は、氏の敬愛する、映画俳優らのモノクロームのポートレートのように、モノトーンでのスーツスタイルを拝見させていただいた。スーツは、氏の行きつけでもあるフィレンツェの「リベラーノ リベラーノ」で仕立てたもの。生地は「ドーメル」のトニックを用いている。袖口は本切羽仕様だが、これ見よがしにボタンを開けることはなく、手を洗うときに袖をまくるために利用する。トレンチコートは、「アキュアスキュータム」の1941年製のヴィンテージ。着続けられて、味わいが深くなった服が装いを自然に見せる。服が板につくとは、こういうことを言うのである。

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無造作@

「TVホールドもするし、スリーピークスにするときもある。けれど、ルールには縛られない」。何気なく折り畳んだチーフを、ふんわりと入れる。自然にサングラスを覗かせるのもいい。

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無造作A

「ワザワザするわけではないが、シャツのカフスが折れていることが多い」。腕時計はカフスから半分くらい見せるのが一般的。しかし、赤峰氏はあえて腕時計をカフスに隠れるように巻いて時計の露出を避けるのだとか。

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無造作B

「タイは一回巻いたら、それで決まり。何度も巻き直したりはしない」。小剣は大剣裏のループに通さず、このようにズレてもお構いなし。長さもあまり、気にしていない。これぞ赤峰流儀。

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無造作C

「ルールとしてはありえないがシャツの襟がハネていても気にしない。むしろ、自然ではないか」。襟裏のキーパーは抜くことが多く、シャツの襟を柔らかく自然に見せている。

無造作D
「もちろん、袖を通してベルトを締めるときもあれば、肩から羽織るだけのときもある。このように片方の肩に引っ掛けるだけのときも」。こうした着流し感が、無造作に見えるのだ。

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無造作E

「鞄はそれこそ無造作に、乱暴に扱う。用を足すために、地面に置いて、足で挟むのも自然な振る舞い」。過敏に大事に扱うことは無粋。真っ当に使って、味が出てこそ、魅力が自然と増す。

 
■ 来月からマエストロの連載がリニューアルします! ■
次号より、読者のさまざまな質問に、マエストロこと赤峰氏が答えるという形式の連載内容にリニューアルします。乞うご期待!

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赤峰 幸生 (あかみね ゆきお)

● イタリア語で「出会い」の意のインコントロは、大手百貨店やセレクトショップ、海外テキスタイルメーカーなどの企業戦略やコンセプトワークのコンサルティングを行う。2007年秋冬からは『真のドレスを求めたい男たちへ』をテーマにした自作ブランド「Akamine Royal Line」の服作りを通じて質実のある真の男のダンディズムを追及。平行して、(財)ファッション人材育成機構設立メンバー、繊研新聞や朝日新聞などへの執筆活動も行う。国際的な感覚を持ちながら、日本のトラディショナルが分かるディレクター兼デザイナーとして世界を舞台に活躍。 Men’s Ex、OCEANSに連載。MONOCLE(www.monocle.com)、MONSIEUR(www.monsieur.fr)へも一部掲載中。

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Discover Japan 10月号が発売されました

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朝日新聞be on Saturday " 赤峰幸生の男の流儀 『シャツの腕まくり』 2013年8月3日(土)掲載"

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エスクァイア日本版「LAST(vol.8)」11月号臨時増刊(男の靴雑誌)に登場しました。

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