AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2007年02月06日(火)

MEN'S EX 3月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.10 [MEN'S EX 掲載記事]

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菊池武夫さんと赤峰幸生さん。
ファッション界の2人の巨匠が毎回テーマを決め、それに基づいてファッションを披露し語り合う、夢の対談連載。

「今月のテーマ」
2人の気分の紺ジャケット

本連載6回目('06年11月号)で「『Be Buffalo Forever!』の名を冠したジャケットを作ろう」企画が持ち上がったのをご記憶でしょうか?
4ヶ月の時を経て、この度遂に完成の運びと相成ったわけですが、いやはやお2人のこだわりが詰まった1着は、実に見事な出来映えでした。当然、今回の対談テーマはそれ。
お2人は今日も舌好調です!

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■Be Buffalo Forever!の別注ジャケット■
 
■(写真右)赤峰幸生氏
・リヴェラーノ&リヴェラーノでス・ミズーラしたシャツ
・1940年代の英国製ヴィンテージスカーフ
・ジョン・スメドレーのニット
・リヴェラーノ&リヴェラーノでス・ミズーラしたウールパンツ
・エドワード グリーンのシューズ
 
 
 
■(写真左)菊池武夫氏
・CA4LAの帽子
・40カラッツ&525のコットンプリントシャツ
・アンセ・ムーレのスカーフ
・ロダのカシミアチーフ
・Gスターのブルージーンズ
・カチンのアリゲーターシューズ

 

菊池武夫×赤峰幸生×M.E. 夢のコラボジャケット完成!
40カラッツ&525にて限定20着!8万9250円

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モーリス・ロネをイメージした、トリプルネームジャケットです
今回のジャケットのテーマは「死刑台のエレベーター」のモーリス・ロネ。ドロップしつつも美しいショルダーライン、浅めのベントや短めの着丈など、当時のパリの雰囲気を見事に再現した1着です。玉縁ポケットで、袖口のボタンは3つ。2月6日(火)より、タケ先生のお店「40カラッツ&525」にて、限定20着のみ展開されます。8万9250円(ビー バッファロー フォーエバー!/40カラッツ&525 tel03-3408-8562)

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生地はエンブレム社のコットンリネンを使用
アイルランドはエンブレム社のコットンリネン(コットン55%、リネン45%)。ヘビーウェイトすぎずでも打ち込みはしっかりしていて、着るほどに味が出ます。

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夢のコラボジャケットのスペシャルタグです
今回のトリプルネームタグ。上の帽子マークがタケ先生の「40カラッツ&525」、中央が赤峰さんの「Y.AKAMINE」、下に「Be Baffalo Forever!」の名前が入ります。

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■長いプロセスを経てようやく完成しました■

お2人のこだわりが満載です
◇上・上中 最初にテーマを決め、打ち合わせを重ねてディテールや生地などを決めていきました。
◇下中 菊池さんオススメのパリの生地屋に、赤峰さんと生地を探しに行きました。
◇下 パリの生地展、プルミエールヴィジョンにて。今回使用したエンブレム社のジム・コンウェイ社長と赤峰さんの2ショット。
 
 

■いいバランスで出来上がったと思います
M.E.  昨年の11月号で、「連載のタイトル『Be Baffalo Forever!』をブランド名にしたジャケットを作りましょう」という企画が持ち上がり、その後お2人の力を結集して着々と作業を進めていただいたジャケットがこの度遂に完成しました。いろいろとこだわりが詰まった1着になったかと思いますが、まずは実際に袖を通した感想を伺いたいと思います。
菊池  本当にいいバランスに仕上がったと思いますよ。そもそもこのジャケットを作るにあたって、みんなで打ち合わせを何度か繰り返し、最終的にフランス映画の「死刑台のエレベーター」をテーマにしようと決めて進めていったのですが、そのあたりの雰囲気はしっかりと表れていますね。例えば着丈は短いんだけど、今風にピチピチしているんじゃなくて、どことなくゆったりした感じがあるところとかね。あとはポケットの位置をやや低くして、ベントを浅くしたのもポイントです。全体のバランスは非常によくまとまっていると思います。
赤峰  菊池先生のおっしゃるとおりですね。テーラード感を保つことのできるギリギリのレングスが絶妙です。しかも、ゆったりとした感じに見えるんだけど、肩にキチッとハマっているから非常に吸い付きもよくて、肩甲骨のあたりの線がちゃんとキレイに出ています。最近のジャケットは、これくらいの着丈になるともうちょっと肩が中に入ったりしているんですけど、これはフレンチの流れを汲んでいるからドロップショルダー気味に仕上がっていますよね。
菊池  それってまさしく今の僕の気分なんです。ゆとりがあるっていうのかな。今の男のエレガンスって、なんでもかんでもイタリアに向かっちゃってますけど、そうした流れに対するひとつのカウンターとして今回のジャケットはあると思います。
赤峰  着丈がちょっと短くて、ベントは浅め。肩のラインはややドロップ気味だけど、意外に硬直的で存在感があって、なおかつ腰にかけては少し絞り感もある。まさしく'60年代のフレンチアイビーの現代版アレンジといったところですよね。
菊池  ドロップサイズも6から7の間ぐらいじゃないですか。今の細身のものってだいたい8ぐらいでしょ。だからシルエットもだいぶ違いますよ。カジュアルにジャケットが出来上がっているっていうのかな。ストンと落ちたシルエットは一見するとダサく映るかもしれませんが、そういった雰囲気ってしばらくなかったから今になって凄くカッコよく見えるんですよね。
赤峰  クラシコイタリアだとか、肩パッドのないアンコンジャケットといった流れがあって、その後はタイトフィットが隆盛を極めている状況が続く中で、改めてこのジャケットを手に取ると、適度なゆとりが感じられて不思議と新鮮さを覚えるっていうのはあります。まさにモーリス・ロネ(『死刑台のエレベーター』の主演俳優)のイメージで、フレンチシックに着こなしたい1着ですよね。

■カーディガンのようにさらっと羽織る
M.E.  生地にもこだわりました。赤峰さんとは一緒にパリの生地展や生地屋巡りもしましたよね。
赤峰  アイルランドのダブリンにある「エンブレム社」ってところの、コットンリネンを使用しています。ラルフ ローレンやジョルジオ アルマーニにもデリバリーしている生地屋ですよ。ここの社長は昔から知っていましてね。かれこれ30年前でしょうか。彼が日本に初めて売り込みに来たときに最初に買ったのが僕でして、彼とはそれ以来の付き合いなんです。アイリッシュリネンの中には糊で固めたようにハードなものもありますけど、ここの生地は割りとソフトなフィニッシュになっているのが特徴です。
菊池  アイリッシュリネンだからか、やっぱり少し光沢がありますよね。コットンリネンだと普通はそんな感じはしないんだけど、これはいい具合にツヤが入ってる。そしてなんといってもカジュアルに見えますよ。ウールだとこうはならなかったでしょう。
赤峰  普段着感があるのは断然こっちでしょうね。で、そのほかの利点としてはリネン100%だとシワが出やすいけど、コットンが入ることによってそれが目立たなくなりますよね。
菊池  そうです。だからこれはシワが目立ちにくいうえに、麻のタッチも残ってますから、そういう面でよかったんじゃないかと思います。
赤峰  バリエーション的にはいろいろな合わせ方ができると思うんですよね。オーソドックスに考えれば、僕のようにグレイパンツに合わせるというのもあるし、一方で菊池先生のようにデニムとのコンビネーションで合わせる手もある。着こなしの選択技は相当多いと思います。
菊池  いや、本当にレンジは広いですよ。色もネイビーで合わせやすいですし。実をいうと、最初の頃はわりと明るめの色を探していたんですけど、'50年代の雰囲気にするのであれば、落ち着きがあっていろいろと着こなしやすい色ということでこれにしました。
赤峰  まさにオールマイティー。カーディガンを着ているような気分で、さらっと羽織ってみるといいのではないでしょうか。

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今回も愉快な対談となりました
今回は「40カラッツ&525」のバーカウンターで対談。その際、カメラマンからの「カメラを意識せずに会話してください」というオーダーに対し、菊池先生の第一声は「赤峰さんは何座ですか?」。これには一同大爆笑でした(笑)。

■当時のパリの気分を思い出して作った
菊池  今回はフレンチテイストに仕上げましたけど、やっぱりフランスの服ってイギリス的な要素だったり、イタリア的な要素だったりをバランスよく取り入れた中庸の上手さってのがあると思います。さっきもいいましたが、なんとなく今の僕の気分としてはあんまり尖った感じじゃなく、だけどコーディネーションが成立しているっていうのがいいんですよね。
赤峰  わかります。いってしまえば、究極の普通ってやつですよね。シンプルであればあるほど、そのもの本来の美しさが現れてくる。そういった部分を、今回我々はゆったり感だったり、リラックス感というイメージで捉えてみたわけですよ。
菊池  そうそう。だらんと着た感覚を表現しました。で、そういうアンニュイでスローな感じがあるところとなると、やっぱりフランス、それもパリだと思うんですよ。
赤峰  デカダンな雰囲気がありますね。小難しい哲学の話を延々と夜通しやり合って、それでも解決しないからまた翌日もやっちゃうのはパリならではですよ。だからこそ文化とかアートといったものが根付くんでしょう。
菊池  このジャケットを作るにあたって「死刑台のエレベーター」をイメージしたっていいましたけど、あれって音楽はマイルス・デイビスですよね。もちろん彼はアメリカ人ですし、ジャズ自体もアメリカのニューオーリンズから生まれているんですが、それでも「死刑台のエレベーター」の音なんてすごくアンニュイでフランス的。
赤峰  たとえ同じ曲でもパリで聴くと途端にアートっぽくなるっていうのはありますよね。そうさせてしまう力がパリにはあるんでしょうね。
菊池  ただ、ことファッションに関していうなら、最近のパリにはそういった魔力みたいなものはほとんどないですよね。フランスの影響を受けているファッションってほとんど出てきてないと思いますよ。
赤峰  確かにありませんね。振り返ってみると、僕なんかも若い時分にパリに行き始めたときは、カルチェラタンとかに行ってはクリエイティブな匂いを嗅ぎ回っていた思い出はありますよ。そういった意味で今回のジャケットは、当時のパリの気分を思い出して作ったともいえます。
菊池  ですね。かなり満足のいく形で出来上がったと思います。
 
 

Posted by インコントロ STAFF at 00時00分   コメント ( 0 )

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