AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2007年05月24日(木)

OCEANS 7月号 連載#16 [OCEANS掲載記事]

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King of Elegance

マエストロ赤峰の
「粋がわかれば、すべてがわかる」



白パンツの“粋”
 

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白でまとめた夏のドレスアップは素材感を変えてこなすのがコツ!
パンツはサラリとしたコットン混紡のフランネル。ハイウエストで尾錠付き。こちらは赤峰氏のプライベートブランド、Y.アカミネ ロイヤルラインのもの。サファリジャケットはY.アカミネの2007年S/Sコレクションで展開されている一着。一枚仕立てで、ヘビーウェイトのアイリッシュリネンを使用しています。靴は「McAFEE SHOES」という、現存していないと思われるメーカーで、ロンドンのヴィンテージショップにて手に入れたホワイトバックスのウィングチップ。タイはクラススポーツ的着こなしにふさわしい、クレスト入りのレジメンタル。写真では見えませんが、ソックスにも白を合わせています。
 
 
 
ベストを有効活用すれば、よりスポーティにこなせます
Vネックのベストは1950年代のもので、ロンドンのヴィンテージショップにて手に入れたもの。白いシャツを袖まくりでラフにこなし、パンツの素材は右と同じくコットンとの混紡フランネル。テニスやゴルフなど、クラススポーツ的な粋な着こなし例です。

 

 日本では「人は見かけによらぬもの」という言いまわしがあるが、良識のある人は、概ね見かけも魅力的である。趣味のよいものを身に着け、優雅な物腰の人物は、話をしてみると共通項が多く、有意義な時間をともに過ごせる。そういう意味で、身なりとはすなわち自己表現となる。今回は白のパンツを題材としたが、白のパンツをどのように着こなしているか、それは、私とはどのような人物であるかを伝えるひとつの手段となる。
 さて、まずは白の捉え方について。ピュアな白は正装に向いている。一方、日本では生成り、またエクリュとかパンナとも呼ばれるベージュがかった白は、エレガントでありつつ、スポーティな雰囲気。テニスやゴルフ、競馬観戦など、クラススポーツの場面でしばしば用いられる白だ。
 かつて、英国人はインドやアフリカを訪れる際、ベージュにほど近い麻のスーツを好んで着ていた。それは清涼感を求め、かつドレスアップするというマインドを反映したものだ。俗に今では(注1)コロニアルスタイルと呼ばれる。フォーマルまではいかないが、昼間にふさわしいドレスアップした着こなしだ。ホワイトタキシードのドレスダウンしたポジション、とも言い換えられる。
 私が着用しているのは、そうしたコロニアルな白の(注2)フランネル製のパンツだ。ピュアな白で素材がコットンもしくは麻ならば、通常マリンなイメージが強く感じられる。しかし、このパンツは対極。海よりは森。もっと突き詰めれば、未開の地に赴くような雰囲気を備えている。だから、自ずとサファリジャケットがマッチする。白いパンツといえども、捉え方の奥行きは実に深い。かつて(注3)フレッドアステアは白パンツを好んで着ていた。彼のセンスのよさは広く知られるが、白パンツのこなし方も一流であった。
 白パンツを着こなすコツであるが、全身を白一色でまとめる場合には、素材感をグラデーションにすることだ。今回は、ジャケットがヘビーウェイトの(注4)アイリッシュリネン、シャツがロイヤルオックス、パンツがコットンとフランネルの混紡、靴が(注5)バックスキン。このようにして、同じ白で統一しつつ、素材感を変えて合わせる。すると、メリハリが生まれて、スマートにまとまるのである。コロニアルな白ゆえ、健康的な日焼け肌で着こなすことも、粋に見える秘訣となる。
 
 
(注1) 「コロニアルスタイル」
コロニアルスタイルとは“植民地の”という意味。サファリジャケットやショートパンツ、麻のスーツなどがアイテムの中心。通常は白からベージュ、黄土色などのグラデーションカラーで着こなす。


(注2) 「フランネル」
紡毛糸を軽く縮絨して毛羽立たせた毛織物の総称。フラノとも呼ばれる。冬用生地との捉え方が一般化しているが、薄手のものであれば、夏にもふさわしい。


(注3) 「フレッド・アステア」
20世紀を代表するダンサーであり、不世出のミュージカル俳優。粋な着こなしで多くのファンを魅了した。下の写真集も参照。


(注4) 「アイリッシュリネン」
アイルランドにて亜麻の繊維で織られた生地のこと。特有のざっくりとした質感を持ち、現在では生産量が少なく、希少性が高い。リネンの最高峰とも謳われる。


(注5) 「バックスキン」
雄の鹿革を毛羽立たせて仕上げている素材のこと。特に白はホワイトバックスと呼ばれ、19世紀後半頃、オックスフォード大学の学生がスポーツ観戦用に好んで履いた靴がその始まりといわれる。


 
 

赤峰氏所蔵の本より抜粋した、白パンツの粋な着こなし例。

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1_「LE STYLE FRED ASTAIRE」より。
白いパンツの粋な着こなしでは右に出る者がいない、と赤峰氏も語るフレッド・アステア。
ブラウンチェックのジャケットに白のフランネルパンツを合わせて、足元はホワイトバックス。
右側の写真ではテニスラケットを抱えています。

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2_「Slim Aarons:A Place in the Sun」より。
英国の紳士たちが、全身、白の着こなしで、ボウリングに興じている様子。
白をクラススポーツで着こなす参考例です。

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3_「L'ALLURE DES HOMMES」より。
クラシカルなテニスでの着こなし。やはり、全身を白でまとめています。

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4_「Jean Cocteau」より。
フランスの芸術家は着こなしも粋、そのもの。
白いパンツにはニットをレイヤードして、黒いタイを合わせています。

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今月の赤峰ワードローブ [OCEANS掲載記事]

Y.アカミネのネイビーストライプジャケットジャケット

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赤峰氏のプライベートブランド、Y.アカミネの2007年春夏コレクションより選んだ一着。デザインはチェンジポケット付きの英国調。仕立て映えするイタリア製のシルクと麻の混紡素材を使用。ざっくりとした風合いと光沢感を兼ね備え、ネイビーに白のコードストライプが配されたジャケットには、マリンリゾートでのドレスアップにふさわしい雰囲気が醸し出されています。白の麻シャツもしくは白のポロシャツをインナーに、下にはミディアムグレーのパンツを合わせるのが、赤峰氏が実践する粋な着こなし方。

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2007年05月07日(月)

Y.AKAMINE 2007 S/S Sample Sale [INCONTRO NEWS]

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6/1 (Friday):10:00〜18:00
6/2 (Saturday):11:00〜17:00



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参考小売価格より 40〜60%OFF

Y.Akamineは厳選された伊国製Subalpino,Carlo Barbera等を素材として使用し、日本の工場で製造をしております。

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参考小売価格より 40〜60%OFF

他にも多数2007年春夏物のリネンやコットン素材のジャケットをご用意いたしましたので、ぜひこの機会にご家族、ご友人の方々もお誘いの上お気軽にお立ち寄り下さい。

※セール会場までの地図はこちらをご参照下さい。
※御来場の際は、ガーデンコート白金台301の[呼]を押してお入り下さい。

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MEN'S EX 6月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.13 [MEN'S EX 掲載記事]

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菊池武夫さんと赤峰幸生さん。
ファッション界の2人の巨匠が毎回テーマを決め、それに基づいてファッションを披露し語り合う、夢の対談連載。

「今月のテーマ」
トレンドのライトグレイの取り入れ方

今回のBe Buffalo Forever!は、ハロッズのクリエイティブ・ディレクターとしてご活躍の坂田真彦さんをゲストにお迎えして、3者対談を行いました。テーマは、今季の流行色であるライトグレイの取り入れ方。日本人には難しいとされてきたこの色も、3人にかかれば、「なるほど」と頷くことしきりです。三者三様の解釈も伺え、多彩な話題で実に有意義なトークでした。

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■(写真右)菊池武夫氏
・ボルサリーノの帽子
・ロンドンで購入したシルクのスカーフ
・40カラッツ&525の2006年秋冬のシャツ
・40カラッツ&525の今季もののカーゴパンツ
・アディダスのスニーカー
 




■(写真中央)坂田真彦氏
・ハロッズのモヘア混ウールのビスポーク
・ハロッズのタブカラー&ダブルカフスのビスポークシャツ
・ハロッズのタイ
・イタリアのリッチオーネが'70年代に仕立てたウエストコート
・ジェフリー・ウエストのチャッカブーツ
  
■(写真左)赤峰幸生氏
・シャルベでビスポークしたポプリンのシャツ
・ニッキーのタイ
・Y.アカミネの今季もののコットンジャケット
・アカミネ ロイヤルラインのヴィンテージ フランネルのパンツ
・アラン・マカフィーの'60年代製白のヌバックシューズ

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撮影の合間の雑談では、10年前のN.Y.の古着屋話を手始めに、「今のファッションシーンは、N.Y.がアツい」という話題で盛り上がっていました。

■ビジネスで着られるかどうかだけで服を選ぶのではない
菊池  グレイという色はもともと好きで、特にライトグレイやミディアムグレイといわれている色がいいですね。黒や白って確かになんにでも合うんですけど、そのどちらでもない気分のときにこのあたりの色がハマってくるんですよ。だから2年前くらい前でしょうか、ライトグレイやミディアムグレイを中心にいろいろと服を作ってみたんですけど、売れなかったですねぇ(笑)。スーツもありましたけど、全然売れなかった。
赤峰  日本の場合、グレイの人気は高いんですけど、やっぱりチャコールグレイなんですよね。日本は目立たないことが美徳とされる社会ですからね。ビジネスウェアとしてのスーツを考えたとき、ライトグレイやミディアムグレイでは目立ってしまうみたいで、敬遠されるようです。
坂田  もったいないですよね。ビジネスで着られるかどうかだけで服を選ぶのではなくて、遊びで着るスーツというのもあるわけですから。
赤峰  そうなんですよ。服を着る愉しみを狭めていますよね。そもそもグレイって肌の色を問わない、凄く合わせやすい色。色白の人でもライトグレイやミディアムグレイを合わせてみるとキレイで品がいいですよ。
菊池  合いますね。日焼けしたらしたで、今度は全体的に締まって見えてバランスはいいですし。
坂田  僕は、ライトからミディアムにかけてのグレイって男っぽくて都会的な色だなと思うんですよ。しかも、今日着ているスーツもそうなんですが、モヘアみたいに光沢感があると余計そういった雰囲気が出ますよね。ビジネスの現場ではあまり目立たないほうがいいのかもしれませんが、それでもギリギリのところで自分を主張する姿勢はもっていたいですね。
菊池  そういう意味では、坂田くんの格好は似合ってる。白のベストを入れたモノトーンな感じがシック。
赤峰  モヘアの光沢感が今の時代感と合ってますよ。洒脱というのかな、クラシックなところをビシッと押さえつつ、ちゃんと遊びが入っている。
坂田  ありがとうございます。お2人からそんなことを仰っていただけると、恐縮しちゃいますね(笑)。
M.E.  では、坂田さんから見てお2人の格好はいかがですか?
坂田  本当にカッコいいと思いますよ。勉強になります。例えば赤峰先生がお召しになっているオフホワイトのパンツ。グレイと組み合わせると凄くエレガントですよね。
赤峰  いわゆるエレガントスポーティなんですよね。ジャケットがライトグレイじゃないですか。これがダークになるとドレッシーな感じが出てくるけど、ここまで明るいとスポーティさ、軽快さが出る。
菊池  1930年代のテニスルックのスタイルという雰囲気ですね。
赤峰  さすが菊池先生。まさしくそれをイメージしました。テニスクラブのメンバーがするジャケットスタイルですね。
坂田  タケ先生はシャツが印象的です。それはシルクですよね?
菊池  そう。
坂田  ウエイト感を含め、ライトグレイってドレープした柔らかい感じが凄く合うんだってことがわかりました。レディスではよく見るんですけど、メンズでも取り入れられるんですね。自分の頭の中にはなかったので、とても新鮮でした。
菊池  確かにこういうのってメンズにはない。シルクならではのドレープの感じはキレイだよね。

■グレイは、組み合わせ次第で実におもしろい表情に
赤峰  グレイといえば“タテ目”の時代のベンツのマットなグレイ。あれは凄くキレイでした。
菊池  はいはい、わかります。メタリックじゃないヤツですよね。確かにカッコよかった。
赤峰  ボディはグレイなんだけど、中のシートは赤だったりして、あの色のコンビネーションの美しさというのは今でも記憶に強烈に残ってます。先ほど気付きましたが、菊池先生も靴下を赤で合わせていらっしゃいますよね。グレイと赤の組み合わせはやっぱりカッコいいですよ。
坂田  わかります。僕も'50年代の、グレイとサーモンピンクからレッドの色合わせが好きなんですよ。グレイのブルゾンにアーガイルのプリントがしてあったり。
赤峰  あとは、グレイと茶、そして日本人はあまりやらないけど、グレイと黄色もいい。
菊池  あぁ、黄色はキレイですよ。ちょっとトーンを変えた、クリーミーなベーシュみたいなものとも合います。
赤峰  そう考えると、グレイというのは組み合わせ次第で実に面白い表情を見せてくれますね。
菊池  僕は若い頃ジャズがもの凄く好きだったんですが、'50年代、'60年代のジャズマンはよくグレイの光った感じのスーツを着てましたよ。モヘアの光沢というよりも、安っぽい化繊の妖しい光沢ですね。でもなんていうのかな、そういった感じが逆にシャープに見えて、えらくカッコよかった。
赤峰  いわゆるシャンタンみたいな生地でしょう。
菊池  そうです。ちょっと趣味が悪い感じの。
坂田  そういう崩れたところに色気だったり、魅力だったりを感じることってありますよね。
赤峰  桜の花は、青空よりも曇り空で見たほうがキレイっていうじゃないですか。まさしくそんな感じですよね。
菊池  で、またピンクのシャツを合わせたりするんですけど、黒人だから妙に似合うんですよ。
菊池  黒人といえば、(注1)サミー・デイビスJr.、などは、テカテカ光ったグレイのスーツなんかがよく似合ってましたよね。それとシャンタンのスーツだと、(注2)ケーリー・グラントあたりが着ていた、深めの2つボタンのスーツなんかは洒落てましたよ。
坂田  「007」のときの(注3)ショーン・コネリーも、サヴィル・ロウ仕立てのグレイスーツをスキがなく着てました。
菊池  あぁ、あれもよかったですね。
坂田  そういった意味では、グレイというのはかなり振り幅がありますよね。エレガントにまとめることもできるし、ちょっとギリギリのところを攻めてもそれはそれでカッコいい。
菊池  同じグレイにしてもトーンだったり、素材だったりでいろいろと幅が出てくるから、そこを愉しみながら着てもらえるとおもしろいんですけどね。ひとつの趣味や志向に固執しすぎると、そこから少しでもハズれた時点で、もうダメだ、って感じになっちゃうでしょ。日本人はエレガンスということをわりに知っている人種だと思うんだけど、それでもやっぱり取り入れ方が下手ですよね。
赤峰  日本人だと、白州次郎がグレイのダブルブレストを着ていましたよね。あれはエレガントでした。
菊池  何よりあの人は顔がいいし、背も180cmぐらいありましたからね。
赤峰  今季はライトグレイが流行ですが、こうやって改めてグレイという色を考えてみると、僕自身凄く好きな色なんだなと実感します。ワードローブの実に8割ぐらいはグレイですからね。
坂田  色のトーンだったり、素材のバリエーションだったり、楽しみ方が豊富ですからね。
赤峰  そう。カシミアもいいし、(注4)トニックもいいし、シルクもいい。
坂田  それ以外にも高密度のナイロンとか、ポリエステルもいいですよね。
菊池  レザーもね。マットなグレイのレザーもこれまたカッコいいですよ。
赤峰  年齢はあまり関係ないんでしょうけど、それでもやはり髪の毛に白いものが目立つようになってきたら、グレイ、それもライトやミディアムあたりのグレイを着てほしいという思いはありますね。
菊池  白髪が入ったような年齢の人がグレイを着ていると、妙にエレガンスを感じさせるんですよね。

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(注1) 「サミー・デイビスJr.」
1925年にニューヨーク生まれ。3歳で初舞台を踏み、その後フランク・シナトラに才能を見出され、20世紀のアメリカを代表するエンターテイナーのひとりに。'90年死去。

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(注2) 「ケーリー・グラント」
1904年英国生まれ。「めぐり逢い」('57年)、「北北西に進路を取れ」('59年)、「シャレード」('63年)など、映画史に残る名作に出演した二枚目スター。'86年死去。

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(注3) 「ショーン・コネリー」
1930年スコットランド生まれ。「007」シリーズの初代ジェームズ・ボンド役で有名に。その後も多数の映画に出演。'99年にはナイトの爵位も得た。昨年、俳優引退。

(注4) 「トニック」
ドーメル社が開発したモヘア混紡の生地。3本の撚糸で織り上げていることによる張りの強さと、モヘアならではの贅沢な光沢感がが特徴。独特の風合いにファンは多い。

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菊池さんの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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トーン違いで合わせます

トーン・オン・トーンでグレイをコーディネイトしたタケ先生。頭からボトムにかけて色調を明るく変えてゆく着こなしはさすが。このセンス、是非とも見習いたいものです。

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グレイに赤が利いています

全身をグレイでコーディネイトした中で、合わせたスニーカーに赤があしらわれていることもあり、ポイントに赤の靴下を合わせたそうです。チラリと見えたとき、しびれました。

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赤峰さんの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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ダブルのボタンはひとつ掛け

着こなしでニュアンスをつけるのが上手な赤峰さんらしく、ダブル6つボタンのスーツは、あえて下1つ掛け。絶妙なシェイプ感が出て、腰周りのシワもいい味になるそうです。

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パンツはベルトレスです

今回のコーディネイトは、'30年代のイギリスのテニスルックをイメージ。というわけで、パンツもベルトレスでクラシックな雰囲気を伝えています。細部のこだわりはサスガ。

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坂田真彦 Masahiko Sakata [MEN'S EX 掲載記事]

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1970年和歌山県生まれ。デザインスタジオ「アーカイブ アンド スタイル」を主宰。ハロッズでクリエイティブ・ディレクターを務めるほか、昨年末、青山にヴィンテージセレクトショップ「アーカイブ アンド スタイル」を開店。

坂田さんの着こなしテク

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時計とサングラスで光沢感をプラス

スーツのモヘアの光沢と、サングラスのフレームの光沢、そしてゴールドの時計の光沢。品が悪くならないギリギリのところで存在感を出す。それが坂田さん流のコーディネイト。

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白いベストでエレガントさを演出

曰く「都会的なイメージがある」グレイのスーツは、モノトーンで組み合わせるのが気分だそうです。今回はそこに白のベストを加えて、よりエレガントさを演出しています。

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2007年04月24日(火)

OCEANS 6月号 連載#15 [OCEANS掲載記事]

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King of Elegance

マエストロ赤峰の
「粋がわかれば、すべてがわかる」



茶革の“粋”

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骨太な茶革のブリーフがスーツ姿に深みを与えてくれる
赤峰氏が着ているのは、グレーのキッドモヘア素材のダブルブレストスーツ。そして、氏が携えているのは、25年ほど前にミラノにて購入したヴァレクストラのブリーフケースだ。素材はチンギアーレ。丈夫であるがゆえに、長く使い続けることができ、茶革が見事な味わいに変化している。氏曰く「ヴァレクレストラはブランドでありながらこれ見よがしにならない、粋なブランド。職人を大事にしているからこそ、優れた革製品が作られている。機能性のためのデザインは飽きることがなく、初めは硬かったチンギアーレも使い込むうちに柔らかくなってきた。イタリアでも、イギリスでも、このブリーフケースを携えていると、どこのものか?と尋ねられることが多い。それは革が魅力的に映ることにほかならない。ヴァレクレストラだと答えると、皆、納得する」。
 

 今の世の中は、時間に追われている。利便性ばかりが求められ、何事も即物的である気がしてならない。それはファッションについても然り。しかし、そうしたマーケティング主導で作られたモノには魅力を感じられるものが少ない。イタリアでは「(注1)ファット ア マーノ」という言葉が重んじられる。職人の手作りによるモノは完成までに長き時間を要し、そして時間をかけた分だけ魅力を備えていく。私はブランドの名前にはこだわらないし、ブランド名があからさまなのは好まない。しかし、職人を育て、大事にし続けているブランドを選ぶのは、ゆったりとした時間の中で良質なモノを作り上げ、必然的にクオリティが高いからだ。特に革製品は、それがことさらである。
 (注2)ヴァレクストラのブリーフケースはそうした理由で選び、ミラノの店で購入して以来、25年ほど使い続けている。デザインありきではなく目的に適ったシンプルで飽きのこないもので、素材の(注3)チンギアーレはとても丈夫。使い始めは硬いが、使うたびに柔らかくなり、しっくりと手になじむ。それが心地よい。やや明るめの茶を選ぶのは、黒よりも味が出やすく、茶の色合いが濃くなるにつれ、艶が増して美しい風合いとなるから。キズですら、味となり魅力のひとつとなる。(注4)スマイソンのパスポートケース、ティファニーのアンティーク時計、(注5)チェレリーニのコインケースも使うほどに味わい深くなる茶革がいい。まだ幾分、味が足りないが、今よりも来年、そして5年後、10年後の色合いが楽しみだ。
 長く愛用して味の出た茶革の小物を身につけていると、揺ぎない芯が自分に一本通っているようにすら思える。そして、きっとそれは男らしい趣味のよさでもあるのだ。多少、値が張ったとしても結果的に得をするということを思えば、その価値以上の価値を見出すことができるはず。
 最後に着こなしについて触れよう。革小物は色を揃えるのが基本だ。特に鞄と靴。財布や名刺入れ、時計のベルトも揃っていた方がスマートに見える。黒であれば黒で統一すること。それは難しくない。茶であればもちろん茶で統一を。その際、濃淡までも合わせようとする向きもあるが、私は気にしない。揃いすぎているのも不自然で、使っている年月に応じて色合いが変わるのだから。
 
 
(注1) 「ファット ア マーノ」
「fatto a mano」はイタリア語で手作りという意。職人が丁寧に一針一針縫い上げた革製品は、丈夫で傷んでも直しが利き、長く愛用できる。


(注2) 「ヴァレクストラ」
1937年、ミラノにて創業した老舗。クオリティを重視した革製品に定評がある。日本では銀座に路面店があり、多数のアイテムを揃える。


(注3) 「チンギアーレ」
イタリア語でイノシシ革の意。古くから高級素材として用いられ、鞄や財布のほか、グローブにも使われる。丈夫で、キズつきにくいことが特性。


(注4) 「スマイソン」
創業は1887年。英国王室御用達の老舗で、ステーショナリーを中心として扱う。ロンドンではニューボンドストリートにショップを構える。赤峰氏はパスポートケースのほか、特注したネーム入りの便箋も愛用。


(注5) 「チェレリーニ」
1956年にフィレンツェにて創業以来、クオリティ重視の姿勢を貫き、熟練の職人が丹念に革製品を作り上げ、各界の名士を顧客に抱える。


 
 

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経年変化が魅力となる茶革の鞄を愛用する、英国紳士の粋
赤峰氏所蔵の本「BRITISH POLITICAL」より。写真の人物はチャーチル時代の内閣で活躍した政治家、HUGH DALTON。デスクの上に置かれているブリーフケースにご注目を。何年も使い込んだのであろう、深い味わいに変化している茶革が見て取れる。まるで、これまで歩んできた自分の歴史が刻み込まれているかのようだ。特に英国紳士にはモノを長く使い続ける精神が根付く。氏はそうした姿勢をとても粋と感じる。
 

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金具を修理し、寿命を延ばす。
そして、永く愛用し続ける!

少々乱暴に扱っても革はへこたれないが、25年も使っていたら、金具の部分が壊れてしまったそう。赤峰氏は靴の修理で知られるユニオンワークスに依頼し、壊れた金具を取り替えた。「壊れたら修理して使う。使い捨てはしない。この鞄はまだまだ現役だ。今後、この革はもっといい色に変化していくだろう。」

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今後の革の味わいの変化が
楽しみなパスポートケース

ロンドンにあるスマイソンで5年ほど前に購入したピッグレザーのパスポートケース。こちらは海外出張のときに使用。同じものを長く使っていたが、ミラノからフィレンツェに向かう列車の中で盗難にあってしまったとのこと。お金よりも、味の出ていたパスポートケースを失ったことが残念と語る。

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腕時計よりも魅力を感じるのは
味が出ている茶革のベルト

ステンレスベルトの腕時計は好まない赤峰氏。このティファニーの腕時計は10年ほど前に、ニューヨークのアンティークショップで見つけて購入。革に汗が染み込んで、部分的に色が濃くなる。それは使い続けていれば自然なこと。そういう変化を楽しむことに、革の醍醐味があるのだ。
 

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海外出張時に便利な
仕分けのできるコインケース

フィレンツェのチェリーニで購入。グリーン、レッド、ベーシュ、ネイビー、それぞれのジッパーごとに4室に分かれているので、ユーロ、ポンド、ドル、円の小銭を仕分けられるのが重宝する。普段、赤峰氏は財布を使わないそう。札やカードは特大のクリップで挟んで使用している。
 

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今月の赤峰ワードローブ [OCEANS掲載記事]

Y.アカミネのコードストライプのサマージャケット

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赤峰氏のプライベートブランド、Y.アカミネの2007年春夏コレクションにラインナップされているジャケット。かつてロンドンで購入したジャケットを今日的に復刻したもの。素材はイタリアのファブリックメーカー、フェルラ社によるもので麻×シルクの混紡。ネイビーのコードストライプが特徴的。デザインは2ボタン、センターベント、ポケットはチェンジポケット付きのスラントで英国調。白シャツにグレーパンツでリゾート風のこなしがおすすめ。ジャケットは日本橋三越本店、他にて展開

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2007年04月06日(金)

来る5月25日(土)、26日(日)プレタスーツオーダー会を開催します [MEN'S EX 掲載記事]

メンズEx 5月号(4月6日付け発売)にてご紹介させて頂いています「Akamine Royal Line 読者限定オーダー会」をAKAMINE BLOGご高覧の皆様にもお届けさせていただきます!

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赤峰さんが考えるリアルクローズのスーツです
 
サイズは44〜52、ボディはドロップ6と7のサイズサンプルを用意しています。オーダー価格は、スーツ15万8000円〜。裾上げと本切羽は無料です。写真のスーツは3シーズン着用できるハリソンズの肉厚トロピカルウールを使用。スーツ16万950円(オーダー価格)、シャツ(参考商品)、タイ1万500円。以上(問)インコントロ tel.03-3447-1891

アカミネ ロイヤルライン
AKAMINE ROYAL LINE
読者限定オーダースーツ
昨年の秋、赤峰幸生さんとパリの生地展「プルミエール・ヴィジョン」に行ったときのこと。赤峰さんは日本からヴィンテージの生地見本を持参したり、メーカー各社にアーカイブの資料を持参してもらって、それぞれが得意とする生地を復刻してもらっていました。感心すると同時に「かなりオーダー入れてるなぁ」と不思議に思っていたのですが、今回のコレクションを見て納得。赤峰さんの集大成といえる、リアルクローズを表現した「アカミネ ロイヤルライン」を立ち上げたのです。どれもこれも、打ち込みのしっかりしたヘビーウエイトの生地を使用していて、赤峰さんテイスト全開。今回特別に、秋冬からの展開に先がけて、読者限定のオーダー会を2日間設けてもらいました。当日は、ヴィンテージの復刻生地を中心に、デッドストックの着分も用意。さらに、オーダされたかた全員に、「アカミネ ロイヤルライン」のタイをプレゼントしてくれるそうです。ご応募を。
 
 
<応募方法>
まずは、ハガキでMEN'S EX編集部までご応募ください
5月25日(金)13時〜18時、26日(土)13時〜17時に開催される読者限定25名のオーダー会に参加ご希望のかたは、ハガキに住所、氏名、年齢、職業、日中連絡が取れる電話番号、希望の日時を明記の上、〒102-8187 東京都千代田区九段北4-2-29 世界文化社 MEN'S EX編集部「赤峰さんオーダー会係」までご応募ください。5月2日(水)当日の消印有効です。※5月3日(木)以降の消印分については、直接インコントロオフィス宛(〒108-0071 東京都港区白金台5-5-7ガーデンコート白金台301)にご郵便下さい。応募者多数の場合は抽選とし、当選者のみにご連絡いたします。ご応募いただいた個人情報は抽選・当選のご連絡のために使用させていただきます。この目的以外で許可なく第三者への個人情報の提供はいたしません。お送りいただいたハガキは、抽選にもれたかたのものは速やかに廃棄し、当選したかたのものはご連絡後、弊社が責任をもって適切な方法で廃棄いたします。

 

■特典1 5月25日(金)、26日(土)の2日間、読者限定プレタスーツオーダー会を開催!
5月25日(金)13時〜18時、26日(土)13時〜17時の2日間、赤峰さんのオフィス「インコントロ」(tel:03-3447-1891 住所:港区白金台5-5-7ガーデンコート白金台301)にて、読者限定25名のオーダー会を開催します。
地図は[ 印刷用地図 ]をご参照ください。

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■特典2 赤峰さんが別注したヴィンテージの復刻生地を用意しました!
 
ヘビーウエイトの英国生地が目白押し!
生地展「ミラノ・ウニカ」や「プルミエール・ヴィジョン」で、トレンドを気にせず、男服の本質である色柄でヴィンテージの生地を復刻した赤峰さんこだわりのオリジナル生地。さらに、ホンモノのヴィンテージ生地も用意。

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■特典3 オーダーされたかた全員にアカミネ ロイヤルラインのタイをプレゼント!

柄から起こしたオリジナル生地もアリ!
スーツ・ジャケット・コートをオーダーされたかたには、1着につきアカミネ ロイヤルラインのタイ(1万500円)を1本プレゼントいたします。赤峰さんが生地から別注したこだわりの逸品で、なかには柄から起こしたものも!

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MEN'S EX 5月号 菊池武夫と赤峰幸生の Be Buffalo Forever! vol.12 [MEN'S EX 掲載記事]

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菊池武夫さんと赤峰幸生さん。
ファッション界の2人の巨匠が毎回テーマを決め、それに基づいてファッションを披露し語り合う、夢の対談連載。

「今月のテーマ」
スプリングコートの着こなし方

身も心も軽やかになる春ですが、日によってはまだまだ肌寒いこともしばしば。そんな時期に重宝するのが、スプリングコートです。そもそもコート好きを自任するおふたりは、はたしてこのアイテムをどう着こなすのか?ダンディズムや季節感をテーマに、対談はまたしても痛快に進んでいきました。

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■(写真右)赤峰幸生氏
・ベルソールの折り畳みサングラス(マックィーンモデル)
・プリンチペのボタンダウンシャツ
・アカミネロイヤルラインのタイ
・リヴェラーノ&リヴェラーノのオーダースーツ
・アカミネロイヤルラインのポプリン地のオリジナルコート
・ジョージ・クレバリーのストレートチップ
 
 
 
 
■(写真左)菊池武夫氏
・ボルサリーノの帽子
・ルイ・ヴィトンのシルクシフォンのストール
・40カラッツ&525のリネンコート
・スウェイン・アドニー・ブリッグのステッキ
・リーバイス505のホワイトジーンズ
・アディダスのスニーカー(アリ・クラシック)
 
 

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今回の撮影の舞台となったのは、銀座銀杏並木通りに面したレストラン「セラン」。春間近とはいえ、日が暮れてくるとまだまだ肌寒いようで、お二人ともコートを「ビシビシに締めて」会話に興じていました。それにしても、絵になります(笑)。

■コートほど男を感じるものはない
菊池  そもそも僕はね、コートが凄く好きなんですよ。重厚なものもあれば、ペラペラのシャツみたいなものもあって、丈ひとつとってもその長さはいろいろでしょ。だから、着る愉しみがあるんですよね。時期にしたって、一般的には冬の衣料と思われがちだけど、今回のスプリングコートのように、春先に颯爽と羽織って歩くタイプだってあるし、実際に僕は梅雨の時期まで着ることがありますからね。雨の中を傘をささずにコートを着て、濡れながら歩くんですよ。
赤峰  ご多分に漏れず僕もコートは好きで、それこそトレンチに始まって、いろいろなバリエーションを持っていますよ。特にこの時期は、プレーンなタイプのコートをダラッと着ている感じがピッタリですよね。やっぱりコートほど男を感じるものって僕はないなと思っていて、まさに菊池先生のおっしゃるように、多少の雨など気にしないでコートを濡らしながら大股で歩いている姿というのは、一番カッコイイなと思いますね。
菊池  パリでよく見かけた光景なんですけど、雨の日に傘をささずにコートを着て、雨が入らないようにパイプを下向きにくわえながら歩いてるおじさんがいるんですよ。シビれましたね。コートだって別にパリッとしたものを着ているわけじゃないんですけど、こういう何気ない仕種がサマになるんですから、やっぱり文化が違うなって思いますよ。
赤峰  そうですよね。(注1)アルベルト・ソルディがスプリングコートを羽織っている姿には、なんだか大人の魅力といったものがありましたよ。フレッド・アステア、ケーリー・グラント、(注2)スティーブ・マックィーンなんかもそうです。昔のアクアスキュータムのアクアファイブや、ロンドンフォグのテロッとした風合いのコートとかを何気なく着ているのを見ると、とにかく男が感じられます。
菊池  着古して、身体によく馴染んだ感じがカッコイイんですよね。刑事コロンボなんかはまさにそう。あの汚く着た雰囲気はすごく好きです。
赤峰  ヨレちゃうともう古いと思うんじゃなくて、ヨレてやっとコートらしくなってきたって感覚ですよね。だから新品を着るのは少し恥ずかしい。
菊池  そういう意味で、赤峰さんもよくコートが似合いますよね。
赤峰  ありがとうございます(笑)。僕が思うに、コートというのは95丈、100丈、110丈、だいたいこの3つがレングスの基本だと思うんですよ。あとはウエストを絞っているか、ストレートかといった具合。スプリングコートの場合、いくらサラッと着るとはいっても、やはりそこそこ台襟が高くて、襟に存在感がないといけません。チビ襟というのはちょっとね。ラインも、僕が着ているようにウエストがシェイプされているのだったり、あるいはAラインのコートなんてのもカッコいいと思います。
菊池  あぁ、いいですね。僕は結構Aラインが気分かな。なんといってもシルエットがキレイですよ。
赤峰  Aラインだと、振り返ったときの蹴回しが大きいからフレアがついて、そこに男のエレガンスが感じられるんですよ。雨のときは前をビシビシに締めるんだけど、ラインは優雅っていうのがなんともいえずいいですよね。映画「暗殺の森」(ベルナルド・ベルトルッチ監督、1970年)の中で、(注3)ジャン=ルイ・トランティニャンが着ていたのもそういった風情があって、すごくカッコよかったですね。それと、(注4)ジャック・タチ。丈が短くて少しAラインのコートに、これまたえらく短いパンツを合わせ、足元にはアーガイルの靴下が覗いている。それはそれでフレンチの粋がありました。

■季節感を意識することって凄く重要ですよね
赤峰  ことヨーロッパにおいてスプリングコートというのは、イヤーラウンドの中のベースのコートという感じがありますよね。
菊池  そうですね。向こうはライナーの取り外しって常識みたいだから、冬はスプリングコートの裏にウールとかキルトのライナーをつけて、春になるとハズしてしまう。そんな着回しをしていますよ。
赤峰  最近でこそよく見かけるようになりましたが、もともとヨーロッパに中綿のコートとか、ダウンのコートってあまり存在しなかった。寒ければウールのオーバーコートを着るし、暖かければスプリングの一重のコートを着る。そういう使い分けをしていましたよね。
菊池  現在は地球温暖化などいろいろな問題がありますが、特に都市部にはシーズンがありません。食事でも生活でも、なんでも旬ってあるじゃないですか。そういった季節感を意識することって凄く重要ですよね。これは洋服も同じで、季節をきちんと意識して着ることってとても大切なことだと思います。昔はこの日を過ぎたらこれを着るってことがちゃんと決まってましたもんね。
赤峰  本当にそのとおりです。イギリスの昔のスプリングコートなんかは、アームホールのカマのところにループが両方ついていて、雨でずぶ濡れになったら、ハンガーの両肩に引っ掛けて乾かすようになっているんですね。現代と違って、自然とか、季節にきちんと向き合っていたことが、ここからもよくわかります。
M.E.今回はお二人ともオリジナルを着てご登場いただきましたが、それぞれのポイントなどを聞かせていただけますでしょうか。
菊池  僕はどうしても本筋からハズして物事を考えるタイプだから、あえてリネン素材のコートにしました。シワになりやすいけど、それがまたいい表情になるかなと思って。キレイにしているとなんだか落ち着かないんですよ(笑)。着こなしはビシッとしていても、どこかダラダラした感じが欲しいですね、僕の場合。
赤峰  早くも雰囲気が出てきていますよね。肩もずいぶんとナローでカッコイイです。
菊池  ありがとうございます。僕自身、それが凄く好きでね。スーツの上にコートを着たとき、肩がぐーんと平らになるのがイヤなんですよ。
赤峰  ジャン・ギャバンのトレンチ姿も肩がちょっとドロップ気味になっていてえらくシブい。
菊池  そう、あれがいいんですよ。
赤峰  確かに麻のコートは本流ではなく、やはりクラスなもの。いわゆる機能というよりは、これを着ることによる遊び心の表現ですよね。その点、僕のは逆で、ミリタリーの生地を使ったものです。ブリティッシュミラレーンという、バーブァーなども使っている生地屋の、リアルポプリンと呼ばれる高密度の生地を使い、防水性も高い作り。モデルとしては、'60年代後半から'70年代にかけて、モッズの時代に出てくるようなショートカットのスタイルです。ハ刺しも全部入れて、完全にテーラードな作りをしています。ただ、まだ新品なのでこれからもっといじめ抜いてピリを出したいですね。
菊池  これを着古したら凄くいい味わいになると思いますよ。僕だったらこのコートには、ザクッとしたコットンの、ローゲージの首が抜けているようなセーターを着て、緩めのパンツをはいて、といった感じで合わせてみたいですね。意外と構築的なイメージなので、バランスを崩して着ると面白いんじゃないかなって。
赤峰  なるほど、さすがは菊池先生。では、僕が先生のコートを着るとしたら、そうですね、確か色違いでネイビーもあったと思いますが、そっちを着て、中にコバルトブルーか、ロイヤルブルーのラコステの長袖のポロシャツを合わせ、ネイビーとのグラデーションを見せつつ、リーバイスのホワイトコーデュロイのトラウザースにスニーカーというのはいかがでしょう。春の気分にしっくりくるのでは。
菊池  いや〜、いいですねぇ。赤峰先生、お見事です!



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(注1) 「アルベルト・ソルディ」(右)
1920年イタリア生まれ。映画俳優として生涯で約150本の映画に出演し、'95年にはその功績が讃えられ、ベネツィア映画祭において特別功労賞を受賞。'03年没。

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(注2) 「スティーブ・マックィーン」
1930年アメリカ生まれ。'56年に「傷だらけの栄光」で映画デビュー。一躍人気スターの仲間入りを果たし、以後アクション映画を中心に数々の作品に出演する。'80年没。

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(注3) 「ジャン=ルイ・トランティニャン」
1930年フランス生まれ。'55年に「空と海の間に」で映画デビュー。'66年の「男と女」で一躍有名になり、今やフランス映画界を代表する名優としてその名を知られる。

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(注4) 「ジャック・タチ」
1903年フランス生まれ。映画監督兼俳優。'53年、「僕の伯父さんの休暇」を発表。主人公ユロ氏の風変わりなキャラクターとともに世界中で大ヒットを記録。'82年没。

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菊池さん的コートの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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ウイングカラーをこんな風に着ます

フォーマルなウィングカラーシャツの胸元を開け、スカーフとともに合わせる上級ワザ。こうした遊び心は菊池先生ならではといえるでしょう。是非見習いたいものです。

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白のベストが気分だそうです

コートの下には、白のベストを合わせています。ウイングカラーシャツにしてもそうですが、カジュアルなものにフォーマルなものをミックスするのが、菊池さんの気分とのこと。

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競馬観戦用のステッキで休憩

実はこれ、競馬観戦用のステッキです。通常の使用のほかに、ちょっと疲れたな、というときにはこうして椅子代わりになるので重宝します。ただし、コンクリートの上では×。

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赤峰さん的コートの着こなしテク [MEN'S EX 掲載記事]

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BDの襟ボタンはハズすのが赤峰流

ビビッドなピンクのシャツを選ぶあたりもサスガですが、故ジャンニ・アニエッリよろしく、BDシャツの襟ボタンをわざとはずしてタイドアップしているあたりはサスガです。

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ウエストのシェイプがなんとも絶妙です

アカミネロイヤルラインのオリジナルコート。腰にかけて緩やかにシェイプされたシルエットは、'60年代後半から'70年代にかけて、モッズのテイストを汲んだもの。95cm丈です。

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ダブルブレストの前を留めて風格を

ダブルブレステッドのフロントを留めて着こなすのも赤峰さん流。オーソドックスなアイテムを選びつつこなしでニュアンスをつけるのは、赤峰さんが最も得意とするところです。

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私はコレを大定番とします!あの人が選んだ定番リストが見たい [MEN'S EX 掲載記事]

星の数ほどある名ブランドの名作の中で、あなたにとっての大定番品とは?
ここに目利きが選んだ定番品リストを、モノの背景やエピソードを交えながら一挙に大公開します!


【インコントロ代表/赤峰幸生 定番リスト】

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■ジョン スメドレー ハイゲージウールニット
10枚以上はもっています
「ちょっとしたときの羽織りものとして年間を通して使える堅牢なカーディガン。ネイビー、茶、グレイなどが基本でしょう」

■モンブラン マイスターシュテュック
とても丈夫でクッション性も抜群です
「筆圧の強い自分の文字に耐えられる唯一のペンです。既に25年以上は愛用していて、これからも変わらず使い続けます」

■ドレイクス タイ
色がベーシックなので気にいっています
「ベーシックな色が豊富なところがいい。ドット柄や千鳥、レジメンタルなど時代を超えて使っていける数少ないタイです」

■シャルベ チーフ
なんとも微妙な色合いが見事です。
「1950年〜'60年代の水玉やプリントものなど、基本の柄がいまだに存在していて、その色合いがまたとても気に入っています。」

■ハミルトン ベンチュラ
外に見せない状態で手首にリストさせる
「ヴィンテージモデルを中心に、もう30年以上愛用しています。時計は基本的に小ぶりのモノがエレガントで好みです」

■ペルソール 折り畳みメガネ
ヨーロッパにおけるサングラスの原点
「ヨーロッパのサングラスの原点です。なかでも、'60年代のモデルはコーディネイトがしやすいので、数タイプ所有しています」

■シャルベ シャツ
質の高いレギュラーなシャツです
「15年前にオーダーしたのがはじまり。シャルベのシャツはフィット感が抜群。台襟は高くもなく低くもなく、とても絶妙です」

■エドウィン・ウッドハウス スーツ生地
10年着られる、くたびれない生地
「春夏秋冬問わず、基本的にスーツ生地は保形性に優れた、ヘビーウエイトなものが好みなので、ここの生地よく使います」

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2007年03月29日(木)

エスクァイア日本版「LAST(vol.9)」5月号臨時増刊(男の靴雑誌)“Akamine's choice” [LAST掲載記事]

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「LAST vol.8」に引き続き、vol.9にて、「達人たちが選ぶファブリックと靴」の中で、Akamine's choiceとして、ご紹介させていただきました。是非ご一読下さい。 
 
Fabric & Shoes
達人たちが選ぶ、ファブリックと靴。
 
[春夏編]
モヘア、シャンブレー、またはコットン、リネン。
色柄以上に、その素材感が重要な春夏のスーツファブリック。
達人たちが考える、爽快かつエレガントな
素材と靴のマリアージュ。

Akamine's choice 1
「ウィリアムハルステッドのウールモヘア、ピンヘッド風ブラウンシャンブレー」×「米国調のコードヴァン・オックスフォード」

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 ロンドンのサヴィルロウのテーラーが好んで使う3プライ、つまり三つ縒りで、英国生地ならではのハリ感に納得しています。10年以上前から、この生地のシングルブレスト3つ釦段返りとダブルブレストのスーツを愛用しています。海外出張の多い私にとっては、プリーツが取れにくく非常に重宝している素材です。またセミセレモニーやパーティなどにも対応する、格式のある生地でもあるといえます。
 今年の気分は、白のナローなシャツに黒無地のシルクタイ、そして靴は'60年代アメリカの代表モデルというべき、コードヴァンの質感が魅力的なフローシャイムのコブラヴァンプとのコーディネイトです。ただ現在はコードヴァンのヴァンプ自体が希少なので、コードヴァンならキャップトゥやプレーントゥなどもいいでしょう。パンツは5cm幅のダブル、裾幅は19.5〜20cmぐらいでシャープなイメージに。できれば針抜きの黒のシルクホーズと合わせて、ドレスイメージで装いたいものです(談)。

【BROOKS BROTHERS】
このブルックス ブラザーズネームのオールデン製コードヴァンシューズは、両社の長い信頼関係があってこそ販売されている傑作。デザインもラストもオリジナルで、他では手に入らない。¥89,250(ブルックス ブラザーズ/ブルックス ブラザーズ ジャパン tel.03-3403-4990)
 

Akamine's choice 2
「アルスターウィバース社のスペンスブライソン、リネン」×「コンビシューズ」

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 アイリッシュリネンの本家本元、北アイルランドのアルスターウィバース社の生地ブランドであるスペンスブライソンのリネンは、夏に不可欠の素材です。麻のカリッとした、密度の高い生地は見事の一言です。無論、スーツにするなら白蝶貝釦使用の6つ釦ダブルブレストです。
 合わせるのは革とキャンバスがコンビになったフルブローグタイプが今の気分です。ハリのある麻の味とキャンバスを合わせるのです。こんな夏のアイリッシュリネンのスーツにコンビシューズというのは、18世紀から継承して愛されている伊達男のスタイルです。イタリアの'60年代の映画監督であり、俳優としても名を馳せた、私の大好きなヴィットリオ・デ・シーカをイメージして着こなしたいですね。昔はコンビシューズの布部分に白墨を何度も塗り込んで、履き込んだヴィンテージ風の味を出したものです。映画「ベニスに死す」のボガードみたく、パナマ帽を被るのもいい。粋や洒落という言葉が似合う装いです(談)。


【BROOKS BROTHERS】
ベージュと茶のナチュラルなコンビネーションが、エレガントなリゾートスタイルを喚起させる。洗練感溢れる表情を持つ、ピール社コレクションの英国製フルブローグ。¥68,250(ブルックス ブラザーズ/ブルックス ブラザーズ ジャパン tel.03-3403-4990)

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赤峰 幸生 (あかみね ゆきお)

● イタリア語で「出会い」の意のインコントロは、大手百貨店やセレクトショップ、海外テキスタイルメーカーなどの企業戦略やコンセプトワークのコンサルティングを行う。2007年秋冬からは『真のドレスを求めたい男たちへ』をテーマにした自作ブランド「Akamine Royal Line」の服作りを通じて質実のある真の男のダンディズムを追及。平行して、(財)ファッション人材育成機構設立メンバー、繊研新聞や朝日新聞などへの執筆活動も行う。国際的な感覚を持ちながら、日本のトラディショナルが分かるディレクター兼デザイナーとして世界を舞台に活躍。 Men’s Ex、OCEANSに連載。MONOCLE(www.monocle.com)、MONSIEUR(www.monsieur.fr)へも一部掲載中。

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赤峰さんのお気に入り3足

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