AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2009年07月24日(金)

OCEANS 9月号連載 AKAMINE STYLE 目覚めよ、日本の男たち! [OCEANS掲載記事]

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マエストロ赤峰の「オトナ相談室」
仕事、家庭、子育て、そして愛……などなど。
30〜40代のオーシャンズ世代にもなれば、少なからず何かしら悩みのタネは持っているもの。
そんな皆様の“駆け込み寺”として開設されたのが、このオトナ相談室。
皆さんの質問にお答えするのは、“人生のマエストロ”こと赤峰幸生氏。
今月も痛快なご意見で迷えるオーシャンズ読者に
救いの手を差し伸べてくれるハズ!
では皆さん、ご一緒に!教えてっ、マエストロ!

今月のテーマ
“個性の高め方”

[今月の質問]
赤峰さん、はじめまして。今回、ぜひ聞いていただきたい悩みがありまして投稿させていただきました。私は今、食品を扱う商社に勤めています。最近、上司から「お前には個性がない。そんなことではうちの会社ではやっていけない」と言われてしまいひどく悩んでいます。確かに私は見た目も地味で目立つほうではありませんが、それと仕事は別問題。ですが、そうは言っても何をどうしたらいいかわからないんです。どうしても上司に「個性のある男」と認めさせたいと思っています。そもそも「個性」とはなんでしょう?はたして私は、今から自分の個性を高めることができるんでしょうか。赤峰さん、どうか教えてください。(32歳・商社勤務・埼玉県在住・I・Hさん)

Q.なるほど〜。この質問は簡単です!やっぱり恋でも仕事でも、世の中目立ってナンボ。とにかく目立つことが大事です。ねぇ、マエストロ?
 いきなり飛ばしてきやがったな!この大ばか野郎めがっ!!真の個性はお前が言うような単純なものでは決してない。個性とは「個人を個人たらしめる特徴」である。ただ、奇抜な格好や言動をするだけの個性は、単なるメッキに過ぎない。真の個性とは、内から滲み出るものだ。
 近年、急に世の中は口を揃えて「個性が大事だ」と言い始めた。その大きな原因は、まず、国際社会においても「横にならえ」で済む時代が終焉を迎えた点にある。日本も国際関係において、個の意見と立場を鮮明にすることが、強く求められている。
 そして百年に一度の大不況。企業は生き残りをかけ、リストラを行っている。これは今までに何度も述べたが、必要な人材だけを残す、という会社のダイエットともいえるものだ。その惨状はご存知のとおりである。また、“婚活”というムーブメントからも推し量ることができるように、恋愛においてもそれと同じような動きが起こっている。三十歳を前にしても結婚はおろか、彼女が一度もできたことがない、という成人男子が急増しているのだ。
 このように、あらゆる面で競争が激化し、格差が生まれている。どんどん過酷さを増していく現代社会で、生き残っていくためには、真の個性がものを言うことになる。

Q.競争社会で生き残るための個性・・・・。こりゃ、想像より深刻ですねぇ!こうなると、今すぐ個性が必要です!でも、日本は没個性の国ですよね。そう一筋縄にはいかないんじゃ……。だから、てっとり早い方法を教えてっ!
 オレはドラえもんじゃねぇんだっ!!てめぇの個性がポケットから出てくるわけねぇだろうが!個性を高めることは一朝一夕にはかなわない。ご存知のとおり、日本は古くより協調性や礼儀作法を重んじてきた。その積み重ねが日本文化を発展させたのは確かな事実だ。しかし、一方で「出る杭は打たれる」という言葉が示すように、競争社会にうまく適応できない環境を作り上げてしまったのも事実だ。ここ日本では、極めて個性が育ちにくいのである。とはいうものの、社会は日々変化している。現代は昨日の常識は今日の非常識となりうる時代である。この旧態依然とした社会システムのなかで、国や企業そして個人が、崩壊しつつある価値観の中に、未だどっぷりと浸かっているのが現状なのだ。日本の社会はこれまで同一化、同質化を求めてきた。個性を高めるためには、まずそこから脱却しなければならない。それが、変革の一歩となるはずだ。必要なのは常識にとらわれずに行動すること。そして、そのためにリスクを冒すことだ。個性、個性と嘆く前に、あなたがリスクテイクに対して臆病になってはいないだろうか、それを己に問うてみよ。

 

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(→)「食わず嫌いをしない」ことを信条とするマエストロ、今月はなんとDJに初挑戦!!フランク・シナトラを思わせる、涼しげなサンドベージュのコットンスーツに身を包みながらプレイする様子は、とっても絵になっていました。場所はブラックミュージックの聖地とも呼ばれる、マンハッタンレコード。「ヒップホップにはあまり詳しくないが、クラシックやジャズと同じように味わい深いものがある。心の奥を刺激してくれるような、この熱い感じがいいね」と、現場でもノリノリ♪ 常に好奇心が旺盛で、何事にもチャレンジしていくマエストロのコメントには、言葉の力を超えた説得力を感じました。また、いつかどこかでDJ AKAMINEのプレイを目にする日が来ることを祈っています! 
 
 

Q.なるほど、リスク・・・・ですか。そこまで考えが及びませんでしたっ!今や他人と同じでは、ダメなんですね。マエストロ、それってもしかして幼少期からそんな風だったんですか?
 その質問に答えるなら、イエスだ。私の今があるのは、幼少期からある種のはみ出し者だったことが幸いしたと思っている。小学生のころから、「僕も仲間に入れて」のひと言が言えなかったし、皆に合わせることが苦痛だった。だから、いつもひとり。私の友達相手はもっぱら虫や草木、自然だった。幼年期を過ごしたころの東京は、まだまだ自然が残っていた。私は皆が見たこともない虫を捕まえ、巨大なザリガニが捕れる秘密の場所を見つけるのに没頭した。そしてそのことで、クラスの連中から一目置かれるようになった。そして、幼心に知ったのだ。「誰も知らないことを知っていること、皆と違うことが、集団の中でいかに力を持ち得るか」ということを。
 そして家に出入りしていた叔父の影響もある。叔父の名は、清水幾多郎という。戦後の講和問題や基地反対運動、’60年代の安保反対運動に至るまで、論壇の中心にあった社会学者である。平和主義・民主主義の立場から積極的に発言し、行動したことで知られている。普段はいかにも学究の徒といった控えめな大人しい人物だった。そして人と交わることを好まず、いつも孤独だった。しかし、社会問題に関しては、鬼気迫る反骨精神をもっていた。群れることもなく、徒手空拳で世の中と渡りあう姿を目の当たりにし、子供ながらに格好いいと思ったものだ。
 その後、高校生になり、私はヤンチャもしたものだ。その頃、私はある愚連隊の頭になっていた。もちろん腕っ節には自信があったが、私より強い奴はグループの中にわんさかいた。なぜ、私がリーダーになったのか。それは簡単だった。私の考え方が、独自だったからだ。あるとき、数に勝る巨大な連合が、「傘下に入れ」と圧力をかけてきたことがある。不良といえども、結局、「みんな同じ」に安心を覚えるのだ。周囲のグループは、こぞって連合に入った。しかし私は絶対になびかなかった。『みんなと同じで安心できるなら、ツッパる意味はない』と思ったからだ。おかげで危険な目にも遭ったが、吸収されたグループを見限った不良たちが私を慕ってきたとき、心底うれしかった。「何事も人を違うことをする」。この考え方が私の基盤となった。

Q.ななな、なんですって〜!?マエストロがボスとは、これはもうほとんどマフィア映画の世界・・・・。つまり、男一匹で生き抜くためには個性が必要ってこと?(ブルブル)
 てめぇっ!!たまには的を射たことを言うじゃねぇか!調子が狂うだろうが。まあ聞け。私は大学を出て、アパレルの会社に就職した。それは、「純粋に好きなことでメシを食いたい」と思ったからだ。
 当初、技術的にはもちろん何もできず、青臭い不良のプライドは叩き潰されたが、心根で突っ張ることは忘れなかった。だから企画は常に人とは違うものを提案した。笑われようが生意気だと思われようが、それは覚悟の上だった。やがて孤立していった私だが、大川さんという上司が、私の心意気を買ってくれた。彼がこんなことを言ったことがある。「赤峰君、人と違うことをするには勇気が必要だ。それはひとつの偉大な才能だと思う」と。
 私は28歳でアパレルの会社を立ち上げた。同時期に同じような会社は数え切れないほどたくさんあったが、現在、ほとんどが残っていない。その理由をよくたずねられるが、私はただ、人と違うことを続けてきただけだ。空前のアメトラブームのときは、脇目もふらず、ひたすらイタリアの服をつくり、スーパー150’sの極薄のしなやかな生地が流行すれば、スーパー30’sの極厚の生地を提案する、といった風に。だからこそ、生き残れたのではないかと思う。
 振り返ってみれば、学校や組織で教わったいわゆる常識など、個性を伸ばすには何の役にも立たなかった。私は学校や組織以外の個人的な付き合いのなかで、個性の力を学び、育んできた。そして人生やビジネスで迷った時は、いつも前人未到の道を選んできた。同じ目的を達成するにしても、効率を度外視し、あえて遠回りの道を行く。時間はかかるし、苦労もする。しかし、その道に転がっている無数の石ころこそ、後々の人生で役に立つ個性の素になるのだ。
 「個性とは何か?」と問うこの読者に言いたい。個性をひと言でいうなら、「ツッパってきた結果」である。あなたの中に今までツッパり通してきたものがあるか?あるなら、それこそが個性だ。まだそれがないようなら、これからツッパり通してみればいい。小さなことからでいいのだ。そして、勇気を持ってリスクを冒すこと。この勇気こそあなたを歩ませ、個性を高めてくれる。そして、必ずや社会と対峙するための武器となるはずだ。つまらない常識が、いつなんどき、あなたの道を阻むかもしれない。だが、己を守り、この社会で生き残るために、何としても守り通さなければならない。そう、個性とは“武士の刀”のようなものなのだ。
 
 

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−近ごろのマエストロ−
最近、リクルートのファッションについても、意見を求められることが多い。その際、私はいつも「着る人八分 洋服二分」と答える。私も自分の会社で新入社員の面接をすることがあるが、別にきちんとしたものを着ていれば、ありきたりなスタイルでも構わない。
ニ十数年ほど昔、ハリスツイードのスリーピースを着て面接に現れた青年がいた。驚いたのは、その服装が斬新だからではない。服が彼に似合っていたからだ。いざ話を聞けば、彼の服に対する情熱に、再び度肝を抜かれた。だからこそ、似合うのだ。彼らは私の会社で個性を伸ばし、独立していった。ただ目立つだけでは意味がない。ひと言話せば、それがうわべか、哲学に基づいたものかどうかはすぐにわかるからだ。
ただ、面接に臨むときは、「自分らしい服」ということを主眼に置くべきだ。それが正解であると思うし、第一、失敗しても後悔はしないはずである。それが男の、潔い身なりといえるものだ。
 
 

あの老舗で最先端ミュージックシーンを体感!
渋谷のランドマークとしても有名な、老舗レコードショップ、マンハッタンレコード。2009年で創業29年目を迎える同店は、去る1月にリニューアル。店内にはアナログレコードはもちろんのこと、CDや最先端の音楽機器、アーティスト関連グッズなどが揃う。王道のヒップホップやR&Bを中心に、ロックやハウス、レゲエなど、独自の目線でセレクトされた幅広いジャンルの音楽を体感しよう。

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「マンハッタンレコード渋谷店」
電話/03-3447-7166
住所/渋谷区宇田川町10-1 木船ビル
[ http://manhattanrecords.jp ]
 

■皆さんからの質問待ってます!
仕事から家庭、恋愛、そしてファッションetc.・・・・・・、日ごろ読者の皆さんが抱える悩み、疑問など、相談したいことを何でも教えてください。マエストロ赤峰がズバッと解決いたします!小誌ホームページ[ www.oceans-ilm.com ]へアクセスのうえ、トップページから投稿してください。

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2009年07月16日(木)

服の立ち位置【10年春夏ピッティを読み解く】 [朝日新聞掲載記事]

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朝日新聞(東京本社版夕刊)に2009年7月16日付けでファッションコラム連載『服の立ち位置(10年春夏ピッティを読み解く)』が掲載されました。

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2009年07月06日(月)

MEN'S EX 8月号 平成の寺子屋 赤峰幸生の上級ファッション塾 連載vol.08 [MEN'S EX 掲載記事]

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「白シャツのこなし」

真のクラシックを追求し、服のみならず、生き方そのものに自らのスタイルをもつ男、赤峰幸生。氏が考える、男のお洒落を伝授する連載。第8回は、「白シャツ」についてのお話です。洒落た白シャツのこなしとは?サイズ選びからそのこなしまで、赤峰イズムをお話いただきます。

Q シャツ選びのコツを教えてください
まず大切なのはサイズ選びです
サイズ選びは、何よりも大切ですが、間違えたサイズを自分のサイズと勘違いしてしまっている人が意外と多いように思われます。着丈はお尻が隠れるくらい、袖丈は指の第2関節くらいまであるのが正しい長さです。それとボディにも適度なゆとりが欲しいところです。以下に代表的なものをまとめましたので、ご参考に。

サイズ選びはココが大切!

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(写真左)人差し指1本がすっぽり入るゆとりが◎
ネックサイズは人差し指一本が首にスポッと入るくらいがジャストサイズとされています。前を留めたときに生地に肉が食い込むようだと、それは当然きつい証拠。余って前が浮いているのも、エレガントとはいえません。

(写真中)鎌は高め、身頃には適度なゆとりを
アームホールはなるべく高い位置にあり、身頃も適度なゆとりのあるものがベスト。鎌深は浅いほうが動きやすく、見ためのエレガントさも違います。最近見られる明らかなタイトフィッティングは、窮屈な印象なのでNG。

(写真右)スリーブは実寸よりもゆとりをもたせて
シャツの袖丈は、カフのボタンを留めずに伸ばしたときに、指の付け根から第2関節の間に収まるくらいがベスト。長さにゆとりがなく手首までだと、動かしたとき突っ張られてストレスを感じてしまいます。
 

■まず何よりも、シャツの基本は上質なポプリン
M.E.  今回は白シャツです。赤峰先生の白シャツといえば、まずポプリンを思い浮かべます。特にシャルベでオーダーされたシャツをよく着られていますよね。
赤峰  そうですね。かつてウィリアム・イェッツとアシュトン・ブラザーズという2つの名シャツ生地メーカーが英国マンチェスターにありまして。この2ブランドのポプリンは本当に素晴らしかったですね。シャルベでもこれらのブリティッシュポプリンを使って何枚かシャツを作っています。私の中では、シャツ生地の定番といえば、ブロードではなくポプリンなんです。ポプリンはフォーマルにも普段着るのにも、オールマイティに使えますから。それと、本当にいいポプリンというのは、洗えば洗うほど風合いのよさが増していくんですよね。なんていうのかな、肌触りがコリコリッとしているんです。
M.E.  なるほど。でも、その2ブランドは今では存在しません。赤峰先生が今オススメするポプリンを教えてください。
赤峰  そうですね。デヴィッド ジョンアンダーソンなんかもいいですけど、個人的に好きなのは、スイスのアルモのポプリンですね。アルモのポプリンはアカミネロイヤルラインでも展開していますが、ここのは100番手でも、他社の120番手、140番手を凌ぐクオリティの高さがあるんです。
M.E.  ポプリンのシャツを着用するシーンは決まっているのですか?
赤峰  いえいえ。ポプリンというとドレスの印象があるかもしれませんが、私はそれこそフォーマルからカジュアルまで、あらゆるシーンで着ています。万能性は断トツです。それよりも、それをどうこなすか、のほうが大切ですね。
M.E.  と言いますと?
 

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(←)赤峰的定番1 =ポプリン=
素材説明=細い横畝を特徴とする風合いの柔らかな平織り生地で、一般的に横密度に比べて縦密度があります。同じ平織りでも、ブロードは縦糸・横糸ともに同じ番手を用います。
洗い込むと風合いが増す100番双糸のロイヤルプリン
糸が細く打ち込みがいいスイスはアルモ社の100双ロイヤルポプリンは、視覚的にもブロードとの区別はつかず、畝もわかりません。が、洗い込むとコリコリッとした肌触りを楽しめ、風合いのよさが増します。フォーマルな場にも対応する1枚。シャツ3万450円、スーツ19万4250円(以上オーダー価格)、タイ1万3650円、/以上アカミネロイヤルライン(インコントロ)
 

■白シャツを1枚で着てサマになってこそ一人前
赤峰  白シャツは白い御飯と同じ。たかが白、されど白なんです。ストライプのシャツを着ていればお洒落に見えるかもしれませんが、白シャツをちゃんと着こなせてこそ、初めて一人前なんだと思います。イタリアに行って、上着を脱いで上は白シャツ1枚でもサマになっている人を見ると、おっ、コイツやるなって思います。パッと見はカッコよくても、シャツ1枚になると、その人の素性がさらけ出されるんですよね。単にサイズが合っているかどうかの問題ではなく、ちゃんとシャツをこなせているかどうかもまた大切になってくるからです。
M.E.  なるほど。では、まず基本調のサイズですが、特にどこをチェックすべきか、大切なところを教えてください。
赤峰  そうですね。最近はタイトフィットのシャツがもてはやされていますけど、赤峰的にはあれはちょっと・・・・。本来、身頃には適度なゆとりがあるべきなんです。それと意外と大切なのが、シャツの袖丈。カフのボタンを外して腕を伸ばしたときに、指の付け根から第2関節くらいまでの長さがあるのがベストです。既製のシャツを着ている人は、これよりもだいぶ短い場合が多々あります。
M.E.  確かに腕を動かしたとき、そのくらいの余裕があったほうが、生地が引っ張られることなくストレスを感じずにいられます。
赤峰  そういうこと。それと、大切なのは、シャツそのものの着方です。
M.E.  と言いますと?
赤峰  ウエストまわりとカフまわりに、ゆとりを出すための生地をたるませながら、整えて着ることです(↑「赤峰的定番1」の写真を参照)
M.E.  確かにそうすると、非常にきれいに見えますね。勉強になります。
赤峰  それともうひとつ、これは基本ですけど、時計をする側のカフ回りは、もう片方のカフ回りよりも8mm〜1cm太くしています。私の場合は薄い時計しかしないのでこのサイズですが、場合によってはもっと差をつけてもいいと思います。
M.E.  なるほど。あっ、話は戻ってしまうのですが、赤峰先生はポプリン以外だと、白シャツではどんな素材を好んで着られるのですか?
赤峰  ピケとジャカードです。ピケは夏の素材と思われがちですけど、今は1年を通して着ています。ジャカードはいろいろな種類がありますけど、織り感を楽しめるのが魅力ですよね。個人的には織り感はあってもシンプルなものが好みです。あえて上着との素材感の違いを楽しんでみるのもオススメです。とまあ、この3素材を自分なりの解釈で着られるようになると、コーディネイトの幅が格段に広がるはずです。
M.E.  なるほど、ポプリン、ピケ、ジャカードですね。頭に叩き込んでおきます。ありがとうございました!
 
 

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(→)赤峰的定番2 =ピケ=
素材説明=縦方向に立体的な畝が入った二重織組織の織物で、シャツ地の定番。コシが強く、それでいて肌離れがいいサラッとした肌触りが特徴。一年を通して着られます。
オン・オフともに対応する縦畝が特徴の120双ピケ
スイス・アルモ社の120双のピケを使用。120双なので上品な光沢があり、非常に細く立体的な畝感が雰囲気◎。タイドアップしたスーツスタイルにはもちろん、ノータイで着ても絵になります。シャツ3万450円(パターンオーダー価格)/アカミネロイヤルライン(インコントロ) リヴェラーノ&リヴェラーノでス・ミズーラしたパンツ(私物)

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(←)赤峰的定番3 =ジャカード=
素材説明=織り模様のある組織で、ひと口にジャカードといっても、そのバリエーションはさまざま。赤峰先生が好んでいるのは、織り模様が均一で、とてもシンプルなそれ。
120双のシンプルジャカードは着こなしアクセントの格好材料
こちらもアルモ社のジャカードで、120双のコットン100%。織り感を楽しめる一枚です。見てのとおりこれみよがしなものではなく、ピンヘッドやモヘアなど、素材感のあるスーツとの相性のよさが抜群です。シャツ3万450円、トニックスーツ18万9000円(以上パターンオーダー価格)/以上アカミネロイヤルライン(インコントロ)

 
今月のおさらい

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 白シャツの基本は上質なポプリン、ピケ、ジャカードの3つにあり。
 昨今主流のタイトフィッティングには意義あり。適度なゆとりこそが大切。
 着丈、袖丈のゆとりを整えてきれいに見せるこなしのテクニックこそが大切!

Posted by インコントロ STAFF at 00時00分 Permalink

2009年06月24日(水)

OCEANS 8月号連載 AKAMINE STYLE 目覚めよ、日本の男たち! [OCEANS掲載記事]

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マエストロ赤峰の「オトナ相談室」
仕事、家庭、子育て、そして愛・・・・・・などなど。30〜40代のオーシャンズ世代にもなれば、少なからず何かしら悩みのタネは持っているもの。そんな皆さまの“駆け込み寺”として開設されたのが、このオトナ相談室。
皆様の質問にお答えするのは、“人生のマエストロ”こと赤峰幸生氏。
今月も痛快なご意見で迷えるオーシャンズ読者に救いの手を差し伸べてくれるハズ!では皆さん、ご一緒に! 教えてっ、マエストロ!


今月のテーマ
“人情の機微”

[今月の質問]
赤峰さん、いつも「生きる手本」として、この連載を楽しみにしている36歳の男です。ぜひ聞いていただきたい悩みがあり投稿させていただきました。私は都内で小さなIT関連会社を経営しています。当初は友人と始めた共同経営でしたが、お金の面で話がこじれ、彼は社を去り、同業の会社を立ち上げました。当初は順調だったようですが、この春、不況の煽りを受け、多額の負債を抱え倒産したことを知りました。かつては得意先を奪われて、私も窮地に立たされた苦い思い出もあります。ただ一方で、昔から一本気で、愛すべき男友達でもあります。正直な気持ちを言えば、今、何かの力になりたいと思っています。しかし問題は、彼は自尊心が人一倍強いので、下手なことをして彼のプライドを傷つけてしまわないか、ということです。私は男として、彼とどのように接するべきでしょうか?どうかご教示をお願いいたします。(36歳・埼玉県在住・IT会社勤務・T.Y.さん)

Q.窮地に立つ友人にできること・・・・。まあ、だけど事情を考えると向こうから連絡があるまでそっとしておけばいいのでは?彼もいい大人なんだし、そうでしょ、マエストロッ?
 しょっぱなからてめぇは頭痛がするほど大ばか野郎だなっ!!
 貴様という奴は、すっかり現代の毒に侵されきっている。いいかよく聞け!時代の移ろいとともに失われつつあるが、日本には「機微」という言葉があるのを知っているか。それは「表面からは捉えにくい微妙な事情や趣」という意味であるが、機微というものは、昔から人間関係を築くうえで、重要な役割を果たしてきた。先んじて相手の心情を読み取り、心を尽くした振る舞いをなす。今やなんでも利害関係で割り切ってしまう希薄な人間関係が増えつつあるが、人生をより豊かなものにするためには、この人情の機微をしっかりと理解することが重要なのだ。お前はそんな大切なものをまるっきり理解していない。そんな先には、むなしい人生しか待っていないと心得よ。

Q.う〜ん、キビといわれても・・・。では、こんなケースの場合、早々に彼の好物やお金を贈ってあげればいいですかね?熱い励ましのメッセージを同封すれば完璧?もしや、キビキビやれって意味?
 当代稀に見る大ばか野郎だな、お前はっ!!赤の他人ならつゆ知らず、窮地に立たされた男友達に、そんな安直で形式ばったことが心に届くと思うのか!?機微というのはもっと深みがあって繊細なものだ。
 たとえば、私が父から学んだ機微にはこういうものがある。前にも話したが、父は学者で、欲というものがまったくない清廉な人間であった。そんな父に年に数回、決まって同年輩の友人が訪ねてくる。大学の同窓生で画家だというその友人が来たときにだけ、父は家で酒を飲んだ。卓袱台のそばに清酒の一升瓶を置き、つまみはノリと佃煮といったものだが、質素な父にとっては心づくしのものであっただろう。
 私は普段厳しい父が、相好を崩して酒を飲む姿を見るのが好きだった。とはいえ、ときどき隣の部屋からこっそり覗き見るだけだったが。そんなある夜、こんな光景を目にした。二人は急にしんと黙り込み、二人は目を伏せる。そのとき、父は封筒をそっと差し出した。無言で友人がそれを受け取る。後年、その友人は、家に金の無心をしにきていたことがなんとなくわかった。返済はおそらく一度もなかったが、父の不満はひと言も聞いたことがない。
 作家の菊地寛は友人から金を無心されると、着物の袖に入れていた金すべてを差し出したという。返済は求めなかった、とはいえ、袖にいくら入れているかはあらかじめ計算済みである。返ってこなくても惜しくなく、また、相手が重荷にならない程度の金額をいれておいた、といわれている。そう、これはこれは友情を守るためのひとつの機微だったのである。
 父が友人に貸していた金額もまた、返ってこなくても家計には響かない金額だったはずだ。古い友人が訪ねてくると、金を借りに来たとわかっていても、宴を張る。相手が気を使わない程度のささやかな宴である。訪ねてきた友人への礼儀でもあったのだろう。そしてお互い気持ちよく酒を飲み、帰り際、自分の身が痛まない程度の金を無言で渡す。だからその友人は、父に対して一度も卑屈な態度をとる必要がなかったし、父のほうも望んでいなかった。
 私がすべてを理解したのは、もう大人になってからだった。父のように機微を細やかに捉えた振る舞いはなかなか真似できるものではない。それに、決して無理をしろということではない。ただ相手を思いやり、その気持ちをそのまま行動に移すこと。これが、人情の機微を理解するうえでの基本でありすべてなのだ。

 

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(→)日本男児として、洋装と同じように和装にも精通するマエストロ。今月は夏を目前に控えた時期ということもあって、なんと浴衣に身を包んで登場。新潟は小千谷産のちぢみを使った浴衣は、今回の取材協力をいただいた銀座もとじで7年前に誂えた一着とのこと。ちぢみといえば、西洋でいうシアサッカーにあたる生地で、肌への接地面積が少ない涼しげな着心地が特徴。装いにおいても季節感を楽しむマエストロらしい選択でした。着付けは銀座もとじの当主、泉二弘明さんによるもの。「浴衣の命はなんといっても角帯。横から見ると分かりやすいのですが、後上がり前下がりになっているところが、浴衣を粋に着るときの最大の秘訣です」とは泉二さんの弁。マエストロは「浴衣や着物を着ると、立ち居振る舞いまで変わってくる。おそらくこれ以上に日本人としてのアイデンティティを強く感じる瞬間はない」と終始ご満悦の様子でした。

 
Q.さすがマエストロのお父上っ!ちょっと機微がわかってきました。でも、このケースのように確執がある友人は別でしょう!?ほっとけばいいんじゃないすか?
 ばっか野郎!!人間生きていれば、大きなケンカのひとつやふたつするのは当たり前だろう。大切なのは、そいつという人間性が、最終的に好きかどうかだ。好きなら、絶対に何かしてやるべきだ。そして相手が窮地に立たされたときこそが、その機会なのである。私の経験談を話そう。
 私は28歳でアパレル会社を立ち上げた。そう、この読者と同じように、同年代の親友とだ。その後5年間、会社は順調に成長し、社員が80名を超えるまでになった。しかし、私と彼は経営方針、ものづくりのスタイルなど、さまざまなことで衝突するようになった。我が子のように愛しい社を去るには未練はあったが、私には『もう会社でやることはやった。後は大丈夫だろう』という自負があった。だから私は会社を去った。
 退社する日も挨拶しなかったほどだから、よほど仲が悪かったのだろう。その後も私と彼は、業界でも犬猿の仲で有名だった。その会社は、一時は自社ブランドをヒットさせ、テレビでも見かけるほど成長したのだが、だんだん業績が悪化していった。そして私が会社を辞めてちょうど15年経ったころ、巨額の負債を抱えて倒産してしまったのだ。私はその知らせを聞いたとき、久々に彼のことを思った。腹の立つ思い出もあったが、利害関係もない今なら、お互い素のままに話し合えるのではないかと思い、電話をかけてみた。彼は15年ぶりの私の電話に、ただただ驚いていた。私たちは居酒屋で酒を飲んだ。私は説教をし、なだめ、そして力いっぱい励ました。二人の心は完全に学生時代に戻っていたものだ。そして、その後すぐ彼から手紙をもらった。
「赤峰よ、倒産してみんな蜘蛛の子を散らすように去っていった。そんななか、まさかお前から一番先に連絡をもらえるとは思わなかった。びっくりしたが、正直、うれしかったよ。オレもまだ捨てたもんじゃないな」と書かれていた。
 逆の場合もある。十数年前、私生活の面で問題を抱え、落ち込んだ時期があった。そのとき、村上というかつての部下が、すぐに電話をくれ、「今晩飲みに行きますか」と誘ってくれた。抱えている悩みを信頼できる人間に話すだけでも、心は軽くなるものだ。終始村上はうんうんと話を聞いてくれ、最後にこう言った。「赤峰さん、人生はまだ長いですよ。それに赤峰さんがどうなろうと、オレは友達ですからね」。その言葉を聞いた時、私は焼酎のグラスにぽとぽと大粒の涙をこぼしてしまった。
 この読者も、かつて袂を分かった友人が人間として好きなようだ。ならば、連絡があろうとなかろうと、すぐ電話をかけてやれ。そして酒でも酌み交わせ。もう利害関係もないのだから「お前がどうなろうと、オレはお前の友達だ」と、彼に対する気持ちをぶつけてやればいいのだ。私も経験があるが、社会的に窮地に陥ると、利害関係だけでつながってきた多くの人間は去っていく。そして孤独に苛まれるものなのだ。だからこそ、いの一番に馳せ参じてやる。これが私流の人情の機微である。
 
 

−近ごろのマエストロ−

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「至福の瞬間は何時?」と聞かれれば、現在の私は「家庭菜園で水やりをしているひととき」と答えるだろう。家の庭に小さな家庭菜園がある。トマトやネギなどを植えているが、今年はズッキーニの収穫に成功した。昇り始めた太陽の下で、できたての実を生のままかじってみる。形こそ不細工だが、味は新鮮なキュウリのようにみずみずしく旨い。ものは試しと花も食ってみる。ほのかな甘みと香りが口いっぱいに広がる。ちっぽけな家庭菜園であっても、陽の光と土壌、水があれば、野菜は力強く成長する。人間も同じである。太陽になってくれた恩師、土壌となった両親、水をくれた友人たち・・・・・少々不器用でもいい。
力強く伸びて、こんな実を実らせることが、ひとつの恩返しになるのだと私は思う。
 

着物の奥深さと魅力を味わってみよう!
「新しい時代の新しい着物店」がモットーの銀座もとじ。業界初の男の着物専門店をはじめ、紬の着物や染めの専門店、そして作品紹介を主としたギャラリーといったふうに多様なニーズに応える形態で店舗展開を行う。東京・銀座のほか、大阪・梅田阪急内に店を構える。ただ今、着物を粋にこなす達人でもある泉二弘明社長(写真)と同社顧問であり着物の専門化でもある早坂伊織さんによる「男のきもの塾」を開設中。着物を誂えたい方はもちろん、その着こなしについて学びたい方など詳しくは以下へ問い合わせください。

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「銀座もとじ 男のきもの」
電話/03-5524-7472
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2009年06月18日(木)

服の立ち位置【手を加え、受け継ぐ】 [朝日新聞掲載記事]

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朝日新聞(東京本社版夕刊)に2009年6月18日付けでファッションコラム連載『服の立ち位置(手を加え、受け継ぐ)』が掲載されました。

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赤峰 幸生 (あかみね ゆきお)

● イタリア語で「出会い」の意のインコントロは、大手百貨店やセレクトショップ、海外テキスタイルメーカーなどの企業戦略やコンセプトワークのコンサルティングを行う。2007年秋冬からは『真のドレスを求めたい男たちへ』をテーマにした自作ブランド「Akamine Royal Line」の服作りを通じて質実のある真の男のダンディズムを追及。平行して、(財)ファッション人材育成機構設立メンバー、繊研新聞や朝日新聞などへの執筆活動も行う。国際的な感覚を持ちながら、日本のトラディショナルが分かるディレクター兼デザイナーとして世界を舞台に活躍。 Men’s Ex、OCEANSに連載。MONOCLE(www.monocle.com)、MONSIEUR(www.monsieur.fr)へも一部掲載中。

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OCEANS 6月号 連載#15

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朝日新聞be on Saturday " 赤峰幸生の男の流儀 『リネンを味わう時代』 2013年7月20日(土)掲載"

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