AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2012年12月01日(土)

朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘コートが気になる季節’』2012年12月1日(土)掲載 [朝日新聞掲載記事]

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 気温が20度を下回ると、コートの季節。今回は、男のカッコイイコート姿についてお伝えしましょう。

 コートは貴族の日常着を起源とするものと、軍服に起源するものの二つに分けられます。特にトレンチコートは、もともと兵隊が雨風をしのぐためのもの。ウエストに絞りがなく、コートの上から幅広のベルトをキチッと締め上げて着用していました。

 一方、礼服用のチェスターフィールドコート、スポーツ観戦用のカバートコートやポロコートなどは英国貴族の装いを起源とします。よりドレッシーな要素が強いものだと言えます。

 現代はその違いがかつてほど明確ではありませんが、歴史を知って身にまとうことで、より深みのある着こなしが生まれることでしょう。

 この冬は素材の値段や円高を映して、海外製品がかつてより求めやすい価格になっていて、チェスターフィールドやアルスターコートのような、ハイウエストで絞られたひざ丈のコートが人気です。一時、「ショートコート」が流行し、これまでもひざ上の丈が主流となってきましたが、少し丈が長くなってひざにかかる程度のものも増えてきました。またチェスターフィールドはダブルブレストの製品が目に付きます。

 ここにはクラシックに回帰する潮流が見て取れますが、男性の装いが更にエレガントになり、シックを感じさせる流れだと言えましょう。
 

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イラスト・YAB

 そして男のコートの決め手は何と言っても後ろ姿。ウエストの絞りや、長めの丈で腰から裾にかけてゆったりと揺れるフレアが、何とも言えない色気を醸し出しますヨ!

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*朝日新聞社に無断で転載することを禁止します。

Posted by インコントロ STAFF at 18時32分 Permalink  コメント ( 0 )

2012年11月17日(土)

朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘Vゾーンの色は足さずに拾う’』2012年11月17日(土)掲載 [朝日新聞掲載記事]

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 前回に続いて「Vゾーン」について考えます。今回はスーツ、シャツ、ネクタイの色をどう組み合わせていくと格好良くまとまるのか、お伝えしましょう。

 テレビによく出てきますが、政治家のネクタイ選びを参考にしてはいけません。赤や黄色、オレンジなど「勝負タイ」と称して目立とうとし、ネクタイだけが浮いたように見える。スーツやシャツの色との組み合わせで楽しむ発想が見えません。また、「これはエルメスだから」とブランドもので安心してしまうような選び方も感心しません。

 Vゾーンを考える時にも思い出したいのが、「男の三原色」です。白からグレーの無彩色と青、茶の3色を組み合わせるのが基本になります。そのほかの色はアクセントとして分量を控えめにするのが原則です。

 例えばネイビーのスーツを着た時に、ライトブルーのシャツ、青系のネクタイで色を統一し、濃淡でまとめれば間違いなく決まる。青と茶も非常に相性がいいので、茶系のタイもいいでしょう。この時、スーツやシャツの色を拾って、ネクタイにブルーのストライプが入っていると、違和感なくまとまります。

 つまり、Vゾーンの組み合わせは、色を足すのではなく、「拾う」のが基本。青に白のラインが入ったスーツに白のシャツ、青地に白のレジメンタルタイといった組み合わせは互いに色を拾うので、抜群になじむのです。
 

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イラスト・YAB

無彩色を除いて、色は2色までに絞るのが、スーツスタイルの基本です。ネクタイは迷うほど色々な柄がありますが、いったん「ソリッド」と呼ばれる無地のタイに立ち返るのもいい。原則が感じられるVゾーンが粋ですね!

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*朝日新聞社に無断で転載することを禁止します。

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2012年11月03日(土)

朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘「魔のVゾーン」はまずバランス’』2012年11月3日(土)掲載 [朝日新聞掲載記事]

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 上着とシャツ、ネクタイで作る「Vゾーン」。スーツを着こなす上でパッと人目につくキモの部分であり、頭を悩ませる人は少なくないと思います。私もひそかに「魔のVゾーン」と呼ぶほどで、ゆるがせにはできません。
 
 アイテムの組み合わせの前にまず考えたいのは、Vゾーンの面積やバランスです。肩幅や顔の大きさは人それぞれ異なり、またスーツのデザインによってVゾーンの開きや深さもまちまちです。狭すぎても広すぎても格好が良くない。深さはみぞおちが基本で、5a下までが許容範囲でしょうか。とにかく試着を繰り返し、何度も鏡で見て、しっくりくるバランスのスーツを選んでください。
 
 胸の前にあるスーツの折り返しをラペル(下襟)と言います。このラペルはスーツの表情を形作る部分で、標準の幅は7.5センチから8センチ程度。これより細いものはモダンでスマートな印象に、太いものは押し出しの強い印象になります。太めが流行ですが、自分の好みを大切にすればいいでしょう。
 
 少しマニアックな話になりますが、ラペルには上襟と下襟をつなぐ「ゴージライン」という線があります。近年のトレンドとして、この線が非常に高い位置に置かれ、姿勢が反り返ったような印象さえ与えたものですが、これも少しずつ従来の位置に戻ってきたようです。
 

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イラスト・YAB

 この秋もイタリアに足を運びましたが、英国を源流とするクラシックなデザインを見つめ直そうという機運を一層強く感じました。流行をむやみに追うことなく、長く着られるデザインを選ぶことが大切です。
 
 次回は、スーツとシャツ、ネクタイの色合わせについてお伝えしていきます。
 

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*朝日新聞社に無断で転載することを禁止します。

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2012年10月20日(土)

朝日新聞be on Saturday『赤峰幸生の男の流儀‘お薦めの生地選び’』2012年10月20日(土)掲載 [朝日新聞掲載記事]

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 これまで2回に渡って「クラシック」への回帰についてお伝えしてきました。正統的でエレガンスを感じさせるスタイルにぜひともトライしたいという方に意識して頂きたいのが、スーツの生地の選び方です。

 大量生産時代の生地は、「紙」のような質感で、ペタッとしていて立体感がありません。軽く、薄く、柔らかいのでヒラヒラした印象です。

 それに対して丁寧に時間をかけて作られた布には「膨らみ感」があります。生地自体に重みがあって沈むので、「落ち感」もあって美しく見え、パンツのクリース(折り目)もピシッと決まってひざが出ない。こうした服を着込んで生まれる味わいには代え難いものがあります。

 日本では新しい服を身につければ、おしゃれだという誤解が根強いように思います。その結果、次々と新しいものを買い、古くなったものを捨てるという「消費」の考え方が支配的になってしまいました。でもそれは「着せ替え人形のシャレ感」ではないでしょうか。

 私は家具や食器のように、使い込んでこそ味が出るものこそを「いい服」と呼びたい。スーツなら3年は当然、できれば10年着るという文化を育てていきたいという思いで仕事をしています。
 

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イラスト・YAB

 ずっと着ている間に自分の「皮膚の一部」として、宝のように思える服がいい。ですからスーツを選ぶ時も、お薦めするのは、繊維が細く柔らかい素材ではなくて、「バリッ」とした印象のしっかりした素材です。「これを体温でなじませながら、自分のものにしていきましょう」とアドバイスしています。

 クラシックを意識するなら、重みのある素材を選ぶのが粋です。

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*朝日新聞社に無断で転載することを禁止します。

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2012年10月10日(水)

2012 Winter Trunk Show [Special Pattern Order会]

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  It is a great pleasure to inform you that we will be introducing
 our new product line(Laurence)during the upcoming Winter
 Trunk Show(October 25 - November 2)
.


Yukio Akamine


 
■Theme : Winter in the 1920s/1930s

■Date :  Oct. 25(Thu)、26(Fri)、27(Sat)、29(Mon)、30(Tue)、31(Wed)
       Nov. 1(Thu)、2(Fri)

■Time :  10:00 AM 〜 7:00 PM


※by appointment
 Please contact by e-mail(y.baba@incontro.jp

■Place : INCONTRO Shiroganedai Showroom

■INCONTRO Map
印刷用地図(MAP for printing)】  【Yahoo!Maps

■Contact
Tel 03-3447-1891

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赤峰 幸生 (あかみね ゆきお)

● イタリア語で「出会い」の意のインコントロは、大手百貨店やセレクトショップ、海外テキスタイルメーカーなどの企業戦略やコンセプトワークのコンサルティングを行う。2007年秋冬からは『真のドレスを求めたい男たちへ』をテーマにした自作ブランド「Akamine Royal Line」の服作りを通じて質実のある真の男のダンディズムを追及。平行して、(財)ファッション人材育成機構設立メンバー、繊研新聞や朝日新聞などへの執筆活動も行う。国際的な感覚を持ちながら、日本のトラディショナルが分かるディレクター兼デザイナーとして世界を舞台に活躍。 Men’s Ex、OCEANSに連載。MONOCLE(www.monocle.com)、MONSIEUR(www.monsieur.fr)へも一部掲載中。

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MEN'S EX 11月号 平成の寺子屋 赤峰幸生の上級ファッション塾 vol.01

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出張達人の「上質最低限」拝見!

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