AKAMINE BLOG

メンズファッションディレクター 赤峰 幸生のBLOGです。

2008年10月03日(金)

08FW Akamine Royal Line サンプルセール開催のご案内 [サンプルセール]

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08F/W OCT. SAMPLE SALE

いつもブログをご高覧いただき有難うございます。
2008年秋冬のSAMPLE SALEを下記日程で、当社オフィス(白金台)にて行います。
皆様のご来場をスタッフ一同心よりお待ち申し上げております。

 ◆出品アイテム◆
 COAT、SUITS、JACKET、KNITS、SHETLAND CARDIGAN(英国製)、SHIRTS、TROUSERS、MUFFLER(英国製)、TIES

 ◆取り扱い素材(一部の例です)◆
 ・圧縮フランネル、アイリッシュバスケット(COAT)
 ・モヘアトニック、ヘビードライマットウーステッド(SUITS)
 ・モールスキン、クラブストライプ(JACKET)
 ・シェファードチェック、ガンクラブチェックスポーツタイプ柄(SHIRT)
 ・ヘビーコーデュロイ、モールスキン(TROUSERS)
 
 ◆日時◆
 10/16日(木)、17日(金) 10:00〜20:00

 ◆場所◆
 株式会社インコントロ(オフィス兼ショールーム)
 港区白金台5-5-7 ガーデンコート白金台301
 【MAP
 
 *シャツの素材バリエーションも豊富に揃えております*


(サンプルアイテムですので、サイズや数量に限りがございます。予めご了承ください。)


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2008年09月24日(水)

OCEANS 11月号 「パパ男」改造計画 【知】 [OCEANS掲載記事]

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■OC的流儀■感動して知のフィールドを広げる!
“知の巨人”に聞く!感動力の高め方

素晴らしい男=「パパお男」になるためには、常に知的好奇心が旺盛で“知のフィールド”を広げていくことに貪欲でなければなりません。そして、そのために不可欠なことは“心をふるわせる=感動すること”。しかしながら、現代人はそうやって感動することが少なくなってきています。だからこそ、今改めて“感動力”を高める必要があるのです。
ということで、本誌にて「オトナ相談室」を連載中の赤峰幸生氏とスペシャルゲストに松山猛氏を招き、感動力の高め方について伺いました。
“知の巨人”が語る、歯に衣着せない“言葉”には、感性を呼び覚ますヒントがいっぱいです!

 
 

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今回の対談では「感動力の高め方」がテーマです。まずは、最近、感動したことを教えてください。
赤峰氏(以下、敬称略)  8月に東京国立博物館での企画展「対決 巨匠たちの日本美術」を観て、感銘を受けました。中世から近代までの日本美術史に名を刻む巨匠たちをふたりずつ組み合わせ、名作を対決させる形で紹介しているのですが、まず、催しを企画した人の意図に感動したのです。
松山氏(以下、敬称略)  僕はその催しは見逃しましたが、対決させることで個々をより際立てたのですね。
赤峰  展示内容の中では、特に(注1)宗達(注2)光琳の対決が素晴らしかった。有名な作品ですが、従来の“作品を観る視点”を変えたことに面白さがある。つまり対決形式によって、従来の作品が新鮮なものに変わりました。思わず夢中になって鑑賞しましたよ。
松山  僕は時計についての評論を生業のひとつとしています。もともと、自分が時計に魅せられて、興味を持ったことについて知識を蓄えることが好きだから、時計についての執筆やコメントを依頼されるようになったのです。今、興味を向けていることは着物。最近は着物周りのものが気になっています。京都文化博物館で開催された日本人の“飾る”という情熱にスポットを当てた企画展「KAZARI 日本美の情熱」は実に感動しました。僕は京都で生まれ育ったこともあり、実は中学生のころから骨董に興味を持ちました。(注3)東寺で行われる骨董市には今でも訪れます。骨董は私の商売ではないから、“自分が気に入り、身近に置いておきたいと思う”、が私の選択基準です。
赤峰  自分の好奇心をとことん追求することは、自然な行為でもあり、知識を高め、感動力を高めることに通じます。私の場合そのひとつが服であり、たまたまそれを生業としているというわけです。
松山  服で思い出しました。昔のことですが、ドイツの「ラコ」というタイに魅せられたことを覚えています。20歳のころ、とても惹かれましたが、高価で手に入れられなかった。
赤峰  ありましたね、ラコ。神戸の元町にある輸入ネクタイの専門店、元町バザーに置いてありました。
松山  今はいたるところに物があり、そしてそれがどこででも手に入る。情報が多すぎます。だから、感動しにくい。お手本となるような、理想の人がいない、とういことにも理由はあるようです。
赤峰  そう。ファッションでは身近な人がお手本であり、憧れでした。私は叔父貴の(注4)清水幾太郎がそうでした。丸善で仕立てたネイビーのブレザーを着ていて、子供心ながらに格好いいと感動していましたよ。
松山  僕にとっての憧れの大人は父でした。中学2年生のときに亡くなったのですが、父の姿は脳裏に焼き付いています。年に2回、仕立屋が家に着てスーツをあつらえるのですが、父が最後に仕立てたスーツは僕が選んだ(注5)バーズアイの生地でした。
赤峰  当時は映画からも影響を受け、そのたびに心をふるわせたものです。
松山  そう。今より映画は情報価値が高かった。スクリーンに映った(注6)ハンフリー・ボガートの腕元に目が留まり、それがアンティーク時計に興味を持ったきっかけでした。その後にアンティーク時計を手に入れて、壊れたので店に持っていったのです。店主が「いい機械が入っているから大事にしろ」と言って、中を見せてくれました。とてもきれいでね。感動しました。それからバックアップのためにと何本かのアンティーク時計を購入して、蒐集がはじまったのです。時計以外でも、服を見るために映画を観たということもありましたね。石原裕次郎、(注7)天地茂など。麻生太郎さんは天地茂を意識した着こなしではないかな。(注8)ジャン・ギャバンが演じるギャング映画も父に連れていってもらった。映画の帰りには洋食屋に寄るのですが、その味にはいつも感動していました。こういったごく日常のなにげないことに、心をふるわせていましたよ。
赤峰  映画はやはり映画館で観なければダメですね。過去の名作を観る手段としては仕方のないことなんだけれど、家でDVDを観るだけでは魅力が半減する。映画館に足を運ぶ、その行為も映画鑑賞に含まれている。簡略化することだけが、すべてじゃない。昔と今の生活の違いはそういったゆとりというか、情緒、つまり「間(ま)」があるかどうかだと思います。先日の北京オリンピックのデジタル花火なんて、情緒のかけらもなかった。やはり本来の日本の花火には、一発一発に「間」があって、余韻を楽しめる。だからこそ感動につながるのだと思う。
松山  デジタルの音楽だってそう。アナログのレコードには独特な音の“揺らぎ”がありました。完璧な音ではないのですが、それが人間的で、心地よく耳に入ってくるのです。正確すぎることはともすれば息が詰まるような錯覚に陥ることもある。
赤峰  私たちが求める「幸せ」にはふたつある。技術の進歩がもたらす「便利な幸せ」と、昔ながらの「便利ではない幸せ」がある。それらに優劣はないが、今の時代に生きるならやはり両者をバランスよく享受していくことが理想です。しかし、今、後者の幸せがどんどんなくなってきている。目を向ける機会すらなくなっているという事態なのです。

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感動しにくい時代と言うことなのですね。では、その原因は何でしょうか?
松山  コミュケーションの取り方が変わってきましたね。人と人が話さなくなった。
赤峰  パリのサン ジェルマン・デ・プレの有名な(注9)カフェ・ドゥ・マゴ。そこで語り合った人々なんかに憧れもあって、私もジャズ喫茶で顔を突き合わせてお互いに目と目を見ながら会話するということに夢中になったことがありました。でも、今はメールで終わり。ブログなんていうものもあるけれど、誰かよく知らない人が何かに感動したからって、気持ちが伝わってこない。
松山  以前バーに行って、隣の席に座っている人が面白い話をしているから、話に加わろうとしたら、変な人だと思われてしまった(笑)。なんだか寂しいですね。
赤峰  ヨーロッパでは汽車の中で、知らない者同士が会話しているのは日常の風景。江戸前なら、相席という文化もあります。
松山  僕は京都から東京に出てきたのですが、東京は下町を知らないとダメだと思ってよく下町に繰り出しました。飲み屋で隣の人と話したり、お酒を見知らぬ人からごちそうになったり、些細なことでも、そこに感動の種は落ちていたように思います。
赤峰  長屋という文化もありました。
松山  現代の高層マンションは立体的な現代版の長屋ですよ。しかし、昔とは勝手が随分と違う。組合内でも携帯電話の番号は教え合わない。個人情報だから、と。隣に誰が住んでいるかもわからない。連絡先もわからない。怖いですよ。でも、それが当たり前。物騒な世の中だからでしょうが、他人に関心がないと思えてなりませんね。もっとおせっかいであってもいいと思う。
赤峰  昔はね、いい顔つきをしたオヤジが街中に多かった。
松山  そう。自分もそんなふうになりたいと思う、格好いい大人が本当に多かった。
赤峰  理念を持っていて生きている大人がいた。その人なりの「生き様」を持っていた。それに比べて今は他人からの評価ばかりを気にしている。「あなたの人生のコンセプトは何ですか?」と問いかけたくなる。
松山  『(注10)平凡パンチ』をはじめ、さまざまな雑誌作りに携わり企画を手掛けました。自分の興味が向く企画ばかりでした。若い人に、「松山さん世代がいろいろな面白いことをやり尽くしたから、今は面白いことがない」と言われることがあります。しかし、それは間違い。今の時代にも興味深いことは山ほどある。ただ、それに気がつかなくなってきているだけ。
赤峰  感性が鈍っている。それはコンクリートに囲まれた都会で暮らす弊害でもあると思います。私は東京生まれの東京育ちですが、果たして東京で暮らすことが幸せなのか、疑問に思います。感性が鈍っている、感動しなくなっていると自覚のある人には、田舎暮らしをすすめたい。都会にはない感動がいっぱいありますよ。
松山  25年ほど前、信州で2年暮らしたことがあります。子育てをするようになって、子供が土を知らないことに気がつき、本物の自然に触れさせたいという思いが理由のひとつでした。自然との接点は人間にとって大切。それが長く失われると、五感が鈍ってくる。感動を得ることが少なくなったというのは、たしかに都会病とも言えるかもしれません。私はさまざまな場所を旅しましたが、そこで改めて人間はどんな人種でも基本はまったく同じ姿だと感じました。生活習慣や宗教が違っても、人間のすることはさほど変わらない。女性を好きになり、子供を作り、子供を育てる。歴史が始まって以来、そういう営みが続いている。この当たり前の営みの中に、感動があることを多くの人が忘れがちだと思うのです。
赤峰  「生きる営み」。朝があり、昼があり、夜がある。自分が生を受けて、この世に存在することのありがたみを感じることは、まさに感動の源泉ではないでしょうか。

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本対談にて初対面した両氏。赤峰さんは東京生まれの東京育ち、松山さんは京都生まれの京都育ち。お互いに日本文化への思いが深く、対談の中で意見が一致することがしばしば。4日違いの8月生まれで、同じ獅子座であることでも“ただならぬ”シンパシーを感じ合っていました。
 
 
 
では、感動力を高めるうえでの身近で具体的な方法を教えてください。
赤峰  やはり本を読むこと、これは欠かせない。近頃は活字離れが進んでいるようですが、本には感動を呼び起こす要素が多い。おすすめの本はたくさんあるけれど、私が何度も読み返すのは(注11)夏目漱石の『こころ』。一読をおすすめしたい本の代表です。(注12)塩野七生の『人びとのかたち』も付け加えたい。映画を観ることの勧めでもあります。
松山  あえて選ぶなら(注13)久生十蘭。そして(注14)ヘミングウェイ。へミングウェイの著作は私を旅へ向かわせたきっかけでもあります。
赤峰  私もヘミングウェイには影響を受けました。常宿にしていたというヴェネチアの(注15)ホテル グリッティ パレスにも、好奇心から何度か宿泊したことがあります。
松山  ヘミングウェイの足跡を辿った(注16)『パパ・ヘミングウェイ』もおすすめの本です。旅は僕たちの価値観を変えてくれる。感動力を高めるためには、有効な手段ですね。

お二人が好奇心の赴くままに訪れ、そして心から感動された「旅」について教えてください。
赤峰  イタリアは何度も訪れている国です。ミラノやローマのような大都市ではありませんが、忘れられないのは(注17)トリエステ。感動的な都市でしたね。同じイタリアでも、ここまで多文化が混ざり合う場所も少ない。詩人ウンベルト・サーバの本屋は一見の価値があります。
松山  僕は、奇才(注18)ガブリエレ・ダヌンツィオに興味を抱き、彼の暮らしていた家を見るためにイタリアのヴィットリアーレを訪れました。非常に思い出深い旅でしたね。
赤峰  いろいろな場所に赴く旅もいいですが、過去に行ったことのある場所へ再び行くという旅もおすすめしたい。昔と今では感じるものが違う。その違いを実感することにも大いに意義があります。
松山  そういう意味では早く行ったほうがいい場所もある。オーストリアのザルツブルグは素晴らしい景観の街ですが、3年ほど前に再訪したときはマクドナルドができていた。一概にマクドナルドが悪いわけではないが、かつての趣はありません。
赤峰  アメリカによる(注19)グローバリゼーションですね。あと、東京の下町も様変わりしている。かつての情緒や風情は急速に失われています。
松山  日本はヨーロッパと比べて、歴史的建造物へのリスペクトが少ない。常にスクラップ&ビルドを繰り返している。もっと日本の文化に誇りを持ってしかるべきです。日本から影響を受けた文学や芸術も世界には数多い。(注20)ゴッホの『梅の注花』がまさにそう。歴史を紐解けば、私たちの住む日本には世界に誇る文化が溢れていることがわかります。
赤峰  しかし、そこに人々はそこに気づかない。だからこそ、感動力を高める必要がある。旅での非日常は感動を呼び起こすきっかけになります。また、己を知る体験でもある。つまり、価値観、そして生き方を変えるきっかけとなる。だからこそ、もっと旅をしたほうがいい。仕事に追われているばかりでなく、しっかり休んで旅に出るのです。

お二人の生きていくうえでの心構え、座右の銘のようなものがあれば教えてください
松山  「迷いの中に悟りがあり、悟りの中に迷いがある」。平たく言い直すと、頭の中で考えることはタダ、請求書は送られてこない。人間、どこで暮らしていても思考を巡らせることはできる。その行為をどんどん楽しんでほしい。私自身、どうしたらもっと人を楽しませることができるかを、これからもずっと考えいていこうと思います。
赤峰  先ほども言葉に出しましたが、「生きる営み」に尽きます。家族と過ごす、毎日のなにげない生活ほど素晴らしいものはないでしょう。そして、普段の生活の中にこそ、得難い感動が潜んでいると思います。映画を観たり、本を読んだり、旅をしたり。それらも感動力を高めるための有効な方法。ただし、それ以上に普段の生活で見つける感動のほうが、よりリアルに、心をふるわせます。冒頭でお話した「対決 巨匠たちの日本美術」のように、見慣れたものを少し違う角度で見てみる。そんなちょっとした行為が感動の種を見つけるきっかけになると思うのです。自分とは何か、家族とは何か、そうやっていつも問い続けることを忘れないでください。感動力とは、あなたのすぐそばにあるものを使って簡単に高めることができます。誰にでもできる、決して難しいことではないのですから。
 
 
 
(注1) 「宗達」
俵屋宗達。生没年不詳。尾形光琳が私淑し「琳派」の祖ともいわれるほどの江戸時代初期の大画家。「風神雷神図屏風」ほか3点が国宝に指定されている。風神雷神図のような装飾的大画面だけでなく、水墨画の名作も世に残している。江戸時代後期〜明治時代にかけては評価が低く、光琳の絵のほうが上だと見做されてきたが、現在では光琳勝るとも劣らないほどに評価が高い。


(注2) 「光琳」
尾形光琳。1658年〜1716年。江戸時代の画家、工芸家。後に「琳派」と呼ばれる背景に金銀箔などを用いた装飾的大画面を得意とする画派の代表的画家。その非凡なデザイン感覚は「光琳模様」という言葉を生み、現代に至るまで日本の絵画や工芸、ヨーロッパの印象派にまで大きな影響を与えた。


(注3) 「東寺で行われる骨董市」
京都の東寺で開催される弘法市のことで、祖師空海入寂の3月21日を期して、毎月21日に御影堂で行われる。当初は年に1回行われていたものが、1239年以降は、毎月行われるようになった。


(注4) 「清水幾太郎」
1907年〜1988年。社会学者、評論家。赤峰氏の叔父にあたる。優れた日本語の書き手としても知られその著書は多数。学習院大学では教授を務めた。当時、皇太子時代の今上天皇が外国訪問のため皇太子の出席日数が足りなかった際、外国訪問を授業の代わりとして単位を与えるとする案が出たが、これに対し「他の学生が苦労して単位を取得しているのに、皇太子だけを特別扱いする訳にはいかない。それならば聴講生になってもらえばよい」と反対したというエピソードは有名。


(注5) 「バーズアイ」
文字通り「小鳥の目」という意味で、円の中に点が入った一種の水玉模様を全体に散りばめた織り柄。
 

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(注6) 「ハンフリー・ボガート」
1899年〜1957年。ニューヨーク出身のハリウッド映画俳優。ボギーの愛称でも知られる。代表作は『カサブランカ』。トレンチコートに煙草がトレードマーク。


(注7) 「天地 茂」
1931年〜1985年。1965年、三島由紀夫の依頼により、美輪明宏主演舞台『黒蜥蜴』で明智小五郎役を演じ、これが大当たりの役となる。ハードボイルドの代表的なスターであり、ニヒルな眉間のしわで“マダムキラー”の異名を持った。

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(注8) 「ジャン・ギャバン」
1904年〜1976年。フランスの映画俳優。歌手としても活躍。一癖も二癖もあるならず者やお尋ね者を得意とし、ギャング映画に数多く出演。深みのある演技と渋い容貌で絶大な人気を誇り、1954年にはジャック・ベッケル監督の『現金に手を出すな』に主演し、後にギャバンの代表作とも言われるほどの名演を見せる。日本の特撮作品『宇宙刑事ギャバン』の名前は、彼から取られている。

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(注9) 「カフェ・ドゥ・マゴ」
1920年代に文学者や芸術者、左翼知識人のたまり場となったパリのカフェ。第二次大戦の兆しが見え始めたころ、人々が政治的な議論をしに集まり、サルトルやカミュなどを筆頭に実存主義者の根城になったという。その後、ピカソやヘミングウェイにも親しまれた。


(注10) 「平凡パンチ」
1964年、平凡出版(現マガジンハウス)から創刊。ファッション、情報、風俗、グラビアを扱う男性向け週刊誌として、人気を博す。

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(注11) 夏目漱石の『こころ』
1867年〜1916年。日本の小説家、評論家、英文学者。『吾輩は猫である』、『三四郎』、『坊ちゃん』で広く知られ、森鴎外と並ぶ明治・大正時代の大文豪と称される。写真の『こころ』は友情と恋愛の板ばさみになりながらも結局は友人から恋人を奪ったために罪悪感に苛まれた「先生」の遺書を通して、明治人の利己を追う代表的な作品。

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(注12) 塩野七生の『人びとのかたち』
1937年生まれ。東京都出身の作家。1963年からイタリアへ渡り、1968年に帰国すると執筆を開始。雑誌『中央公論』掲載の『ルネサンスの女たち』で作家デビューを果たす。現在はイタリア永住権を得て、ローマ在住。ローマ帝国興亡の歴史を描いた全15作の『ローマ人の物語』が有名。同作で司馬遼太郎賞の受賞、イタリア政府より国家功労勲章受章、文化功労者に選出される。『人々のかたち』は、自身に多大な影響を与えた映画を題材に、人生の奥深さというものを語る力作。


(注13) 久生十蘭
1902年〜1957年。北海道函館市出身の小説家。推理もの、ユーモアもの、歴史もの、現代もの、 時代小説、ノンフィクションノベルなど多彩な作品を手がけ、博識と技巧で「多面体作家」、「小説の魔術師」と呼ばれた。「黒田騒動」(1624年に福岡藩主の黒田忠之とその側近と筆頭家老などの間に生まれた軋轢から10年に及ぶお家騒動)に巻き込まれ破滅に向かう人間像を描いた『鈴木主水』で、1952年に第26回直木賞を受賞した。

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(注14) ヘミングウェイ
アーネスト・ヘミングウェイ。1899年〜1961年。アメリカの小説家・詩人。カジキと闘う孤独な老漁師サンチャゴの物語を描いた『老人と海』は、1954年にノーベル文学賞受賞のきっかけとなった作品として有名。また、彼を語る上で外せないのが釣りから狩り、ボクシング、闘牛を楽しむアメリカ的で男らしいライフスタイル。世界中から「パパ・ヘミングウェイ」の愛称で今なお親しまれる20世紀を代表する人物。

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(注15) ホテル グリッティ パレス
ヴェネチアの旧市街中心地にある高級ホテル。共和国時代の統領アンドレア・グリッティの居住館として1525年に建設され、バチカン市国の大使館としても使用されていた歴史を持つ。英国ロイヤルファミリーやウィンザー公、モナコのプリンセスなどの著名人が顧客として名を連ねていたことでも有名。


(注16) 『パパ・ヘミングウェイ』
著者であるA.E.ウォッチナーは、ヘミングウェイの親友。この作品では、ほかでは見られないヘミングウェイの素顔に迫った伝記。日本では1967年に早川書房から出版された

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(注17) トリエステ
旧オーストリア領、第一次世界大戦によりイタリア領となった都市。第二次世界大戦後に南部はユーゴスラビアが占領した経緯もあり、トリエステにはイタリアとオーストリア、そしてユーゴスラビアなどの多文化が入り混じる。現代イタリア三大詩人の一人として知られる、ウンベルト・サーバが生まれ育った場所。

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(注18) ガブリエレ・ダヌンツィオ
1863年〜1938年。イタリアの詩人であり作家、劇作家。ファシスト運動の先駆とも言える政治的活動を行ったことでも知られる。16歳にして処女詩集の『早春』を出版した。ファシズムの創始者とされるムッソリーニとの親交も深く、多大な影響を与えた人物とされている。


(注19) グローバライゼーション
従来の国家や地域などの境界を越えて、地球規模で複数の社会とその構成要素の間での結びつきが強くなることに伴う、社会における変化やその過程。この言葉はさまざまな社会的、文化的、商業的、また経済的活動において用いられる。使われる文脈によっては、世界の異なる部分間の緊密なつながりを意味する場合もあれば、負の側面、つまり工業や農業といった産業が世界規模での競争にさらされることで維持不能になるなどの搾取の要素を指す場合もある。グローバリゼーションの進展については賛否両論があり、現在さまざまな分野においてその功罪が議論されている。

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(注20) ゴッホの『梅の開花』
1853年〜1890年。オランダで生まれ、主にフランスで活動したポスト印象派の代表的画家。現在でこそ高い評価を得ているが、不遇の生涯を送っており、生前に売れた絵は「赤い葡萄畑」のたった一枚だけであったとういう。「梅の開花」は1887年に彼が描いた作品で、日本の浮世絵に影響を受けたとされるもの。1887年の作。

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松山 猛 [OCEANS掲載記事]

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■Profile■
関西を中心にフォークソングの作詞などを手掛け、代表作に「帰ってきたヨッパライ」などの作詞、「イムジン河」の訳詞など。東京に移住後は「平凡パンチ」、「ポパイ」、「ブルータス」などでライター、編集者としても活躍。フジテレビ系「ワーズワースの庭で」、「ワーズワースの冒険」レギュラー出演なども。また趣味人としても知られ、特に時計の造詣が深く、現在は機械式時計のご意見番でもある。

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2008年08月24日(日)

OCEANS 10月号連載 AKAMINE STYLE 目覚めよ、日本の男たち! [OCEANS掲載記事]

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マエストロ赤峰の「オトナ相談室」
仕事、家庭、子育て、そして愛・・・・・・などなど。
30〜40代のオーシャンズ世代にもなれば、少なからず何かしら悩みのタネは持っているもの。
そんな皆さまの”駆け込み寺”として開設されたのが、このオトナ相談室。
皆さまの質問にお答えするのは、”人生のマエストロ”こと赤峰幸生氏。
今月も痛快なご意見で迷えるオーシャンズ読者に救いの手を差し伸べてくれるハズ!
では皆さん、ご一緒に! 教えてっ、マエストロ!


今月のテーマ
“現代版・江戸しぐさ”

[今月の質問]
毎月楽しく「オトナ相談室」を妻と一緒に読んでおります。私は息子を持ち、仕事では教員として私立高校の教壇に立っています。ここ最近、若者の日本語離れが問題になっています。正しく美しい日本語の使い方や、「江戸しぐさ」について授業をすることも非常に多くなっています。現代をよりよく、豊かに生き抜くために、これらへの理解は欠かせないものになってきています。日本文化だけでなく海外の文化にも精通していらっしゃるマエストロに、それらを併せたような現代版の「江戸しぐさ」を何か教えていただけないでしょうか? (40歳・埼玉県在住・私立高勤務・O.Yさん)

Q.おっと、今月も壮大なテーマですよ。「現代版・江戸しぐさ」だそうです。日本語やその使い方の重要性を改めて知る。そんな気運も今、確かに高まっています。
 てめぇ!いい具合に始めやがるじゃねぇか。そうだ!その通りだ。最近、日本人は日本人のよさを失っている。大体、日本が素晴らしいと語るのは外国人であって、日本人であることは少ない。そればかりか、そこに気がつかない日本人が多すぎるのではないか。海外の文化に触れることで、初めて日本のよさを再認識するようになった経験はあるだろう。ご指摘のとおり、文化の根幹をなすものは「言葉」である。つまり、日本語を正しく使えなければ、その美しさなど到底理解できるはずがない。ましてや、日本文化を理解しようなど永劫叶わぬ。ただし、ここで言うそれは、文法的な意味だけに留まらない。忘れてはならないのは、日本語は、特有の“間(ま)”や“侘び寂び”といった「粋」を宿すものであることだ。それが、日本らしさ、つまり日本文化を理解するうえで極めて大切だ。
 例えば、私に会うなり、「いやぁ、暑いですねぇ」と話しかける輩が多い。私は思わず続ける言葉を失うね。「てめぇ、暑いから何だ、この野郎」と腹の中で思う。そうではなくて、「蝉の季節ですね」だとか、「緑が色濃く感じられる日ですね」といった言葉は出てはこないのか。そうすれば、「いやあ、そうだね」と話が続き、たとえ短い会話であろうと、それは心地よい会話となる。言葉使いとは、こういった日々の小さな積み重ねである。それが、結果的に相手を気持ちよくさせる、つまり、思いやることにもつながるのだ。

Q.なるほどっ!さすがはマエストロ!いつもいつも、ありがたいお言葉。お忙しいのに本当にありがとうございます!さすが、江戸っ子!粋ですねっ!
 馬鹿やろうっ!ふざけているのか!だが、間違ってはいない。私は江戸っ子だ。江戸っ子といえば、まず“べらんめえ調”の乱暴な言葉使いを連想するかもしれないが、実はそうではない。相手を慮る世辞が自然と使える、もしくはそんな振る舞いができることが大切だ。そして昨今、改めて見直されようとしているものが、「江戸しぐさ」である。最近では、小学校の授業にも使われることもあるようだ。江戸時代、かつて寺子屋では、大人が子供に話しかけ、子供が自分で考えて自分の言葉で話す訓練をしたそうである。そして、そこには身分や年齢といった概念はなく、対等の人間関係のみが存在した。例えば、部下に「おはようございます」と挨拶をされて、あなたは何と答えているだろうか?「おはよう」と偉ぶってはいないだろうか。私はどんな相手であろうと「おはようございます」と返す。そのほうが、部下も私も気持ちがいい。同格の言葉を返すことは、信頼関係を築くうえでも大切なのだ。さて、もうひとつ。お前が、先ほど使った「忙しい」という言葉。これを使われることを私は好まない。「赤峰さん、お忙しそうですね」と話されると、てめぇ、何だとこのやろう! 失礼な奴だ、と思う。まぁ、そう言葉にすることはないが、仕方なくそれを我慢したとして、そんな時はあえてこう言う。「かなり、暇なんです」。別に天の邪鬼をしているわけではない。「忙」という字は心を亡くすと書くだろう。つまり、相手に「忙しいですね」とは「心を亡くしていますね」と言っていることと同義であり、失礼を意味するのだ。少なくとも江戸商人においては、その言葉遣いは認められなかった。もし、忙しそうな相手に声をかけたりするときは「ご多用のところ」と言ったりするのが正しい。何でもメールで済まされる時代である。だからこそ、相手と直接交わす言葉では日本語のよさや意味を意識して、使うようにしてほしい。

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(→)マエストロは自他ともに認める無類の動物好き。この日は、公園でワンコとじゃれあう姿をパチリ。動物にも“思いやりの気持ち”をもって対等に語りかけるその姿は、微笑ましくもあり、氏の生きざまを映し出しているようでもありました。

Q.いやぁ〜深いですねぇ、日本語。なんだか身に染み入るお言葉です。お言葉にいつも含蓄があるのは、その言葉遣いのせいでもあったんですね。日本語の魅力をほかにも教えてっ!
 てめぇ、言いやがるじゃねぇか。オレを持ち上げてどうするつもりだ。日本語の魅力を教えてほしいのか。映画のタイトルにも使われた「武士の一分」という言葉がある。金や名誉を捨てたとて、これだけは譲れないという意志を持つことだ。つまり、プライドを保ち続ける、自分を自分が裏切らない、ということだ。生活のありとあらゆる場面で「武士の一分」があるか問われる。そのたびに私は自分を律するのである。しかし、世の中はどうだ?己の誇りはどこへ消えうせた?金や名誉のためなら何でもする輩が多すぎる。かつての武士は、生活が困窮して月代〜さかやき〜(=江戸時代には風俗にもなった成人男子の髪型)は伸び放題、着物はボロで、あちこちに借金をして、それでも武士は気位を失わなかったという。例えばあなたの会社が潰れて、名刺がなくなり、仕事を失ったときに、どれだけ誇りを保ち続けられるか。人間の強さは、丸裸にされたときに初めて試されるものだ。同じことをする必要はないが、その精神だけは、ぜひ覚えておきたいものだ。
 やせ我慢を意味することもあるが、私は「武士は食わねど高楊枝」という言葉も好ましく思う。なぜなら、それは自分を律することができているということだからだ。オフィス街に行くと、ジャケットを脱いで、半袖のシャツで、ネクタイは外し、スリッパを履いて街を歩いている輩に出くわす。クールビズのエコロジカルな精神に異を唱えはしないが、ネクタイを締めないビジネスマンは、刀を差さない武士と同じだ。兜の緒を締めるように、ネクタイを締めると気持ちが引き締まる。そして、これは装いにおける世界基準でもある。いかに暑かろうと「やせ我慢」をせよ。自分を律する心持ちはネクタイにも現れる。このように、日本語には、自分を律することに通じる振る舞いや気構えを示してくれる言葉がたくさんある。それこそが、大きな魅力だ。

Q.よっ!さすが平成の武士!マエストロは、ラストサムライですね!しかも、海外の文化にも精通していますしね。日本との違いってどうなんですか?
 私は江戸っ子だが、江戸かぶれをしているわけではない。イタリアやイギリスの文化に多く触れてきた。文化とはその国や土地による違いはあれ、海外には総じて日本人が学ぶべきことも数多い。ひとつ日常的なシーンでの例を挙げよう。日本の駅では「携帯電話をお切りください」とか、「白線よりお下がりください」とか、「間もなく出発です」とか、事細かに放送が流れる。これは、悪いことだとは言わない。だが、それが意味するのは、言わなければできないという、要は“子供扱い”されているということだ。ところが、イタリアではそういった類いの放送は一切、流れない。列車は定刻になれば、勝手に走り出す。日本に比べて、これは極めて“大人扱い”だと言える。また、イタリアの友人と電話で話すと最後に必ずと言ってよいほど「ご家族にもよろしく」と締めくくる。これは「あなたを取り巻く人が元気でいるか」という心配りの意味合いで、それは私に対する親愛の情からくる言葉だ。つまり、そんな日常のシーンからでさえも、イタリア文化、あるいはイタリア人の成熟度の高さを垣間見ることはできないか。一方、日本ではどうだろう。日本人には、悲しいかな、心のゆとりがまったくもって足りないのだ。もちろん、日本でも昔はそうした気配りがあった。しかし、そういった“心のゆとり”が失われてきている。心のゆとりとは、誰かを思う気持ちである。言葉やしぐさの本質は、まさにその心のゆとりにある。そして、そのゆとりが文化を形作っていくのだ。独り善がりな心からは、何も生まれることはない。


Q.言葉やしぐさの本質は相手を思う気持ち、ですか。ではなぜ、この日本からその気持ちが失われてきているのでしょうか?そして、今我々に必要なことは何か、教えてください!
 それは、おそらく日本人が生きていくうえで規範とすべき“道標”が形骸化してきているからだ。わかりやすく言えば、それがかつての「武士道」だ。英国をはじめとする欧州の国々には、ジェントルマンシップとしての「騎士道」が文化として息づいている。我々がすべきことは、まずこの日本から消えようとしている文化を継承していこうとする姿勢を持つことだ。「正しい日本語」の習得と理解、そして実践から始めよう。日本文化の深みを知ってこそ、海外へ目を向けることができる。かつての規範にすべてを求めることはできない。しかし、そこには現代にも通じる素晴らしい文化が凝縮されている。日本文化への造詣は、あなたの生き方にとって大きな示唆となるはずだ。文化の根幹を成す正しく美しい言葉やしぐさの本質は、誰かを思いやる気持ちにある。それをもう一度よく理解したうえで、海外でのよき規範あるいは文化を見渡せばよい。そうすれば、あなたの求める「現代版・江戸しぐさ」は自ずと身に付くはずである。

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−近ごろのマエストロ−
1年ほど前、ある英国ブランドから日本での展開にあたり、アドバイスを求められた。もちろん、時間を割いて耳を傾けた。そして、私なりに精一杯の助言はしたつもりである。しかし、それから音沙汰はなく、今秋から日本での展開を始めるのだと聞いた。「馬鹿やろう」である。アドバイスを求めていながら、まったく仁義に欠ける。私は金銭的なことなどではなく、その気持ちのつながりを欠いた行為に強い憤りを覚える。この社会とは、人と人のつながり、つまり心と心のつながりで成立しているものなのだ。

■みなさんからの質問待ってます!
仕事から家庭、恋愛、そしてファッションetc.・・・・・・、日ごろ読者の皆さんが抱える悩み、疑問など、相談したいことを何でも教えてください。マエストロ赤峰がズバッと解決いたします!インターネットの場合は[ www.oceans-ilm.com ]へアクセスのうえ、「NEWS」から投稿してください。郵送の場合はハガキに @相談したいこと A氏名(ふりがな) B住所 C年齢 D職業 E電話番号 Fメールアドレス G「オトナ相談室」への感想 を明記し、〒162-0825東京都新宿区神楽坂6-42 オーシャンズ編集部「オトナ相談室」係まで。

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この秋、スーツは断然「グレンチェック」 [OCEANS掲載記事]

その“よさ”を彼らは既に知っていた・・・・・
ほら、達人たちには「グレンチェック」が当たり前!

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あくまでも控えめな印象でこなしたい

グレンチェックには特別な思い入れがあると語る赤峰さん。「1970年代に会社を興し、男の装いの原点は英国にあることから社名をグレンオーヴァーとしました。だから、その名の由来ともいえるグレンチェックは私にとって特別な柄でもあります。このスーツはアカミネロイヤルラインのもので、生地はドレス感のあるウーステッド。ジャケットはやや細身、対してパンツは太めのストレートというシルエットです」。今回はベーシックな白×黒のグレンチェックスーツなので、誰でも真似しやすい白シャツと黒タイのVゾーンに。モノトーンでストイックにこなしていただいた。

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黒シルクのチーフに入る赤いドットがアクセント。「ケーリー・グラントの場合は赤のバラだったね」とは赤峰さんの弁。袖口には英国的紋章が入っている赤いカフスリンクスを着用。

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2008年08月06日(水)

Akamine Royal Line 2008F/W&2009S/S Special Pattern Order会 [Special Pattern Order会]

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 平素は格別のお引き立てを賜り心より御礼申し上げます。Y.Akamine Collectionより通算して09S/Sは23回目のコレクションとなり、テーマは「21世紀のヴィンテージ」です。
私の送り手としての想いを少しでも多くのお客様へご紹介させていただきお一人お一人のヴィンテージを温めていただくことにお力になれればとの想いを、10年は着られる男服の原点に立ち戻り、国内産地の素晴らしい匠の方々と心を込めて作り上げました。
ゲージのサンプル<DROP6・DROP7>をご用意し、生地については08FW、09SS共に国内開発素材及び海外の著名な生地を取り揃えております。ご多忙かと存じますが、ご来場をお待ち申しております。

(株)インコントロ オーダー担当



■Date : 8 / 28(木) 29(金) 9 /1(月) 2(火) 3(水) 4(木) 5(金)

■Place : Incontro Showroom

■Item : SUITS ¥136,000〜 , SHIRTS ¥18,000〜 ,
       JACKETS ¥110,000〜 , TROUSERS ¥46,000〜

■INCONTRO MAP
印刷用地図】  【Yahoo!Maps


■お問い合わせ、お願い
Tel 03-3447-1891
又は【コンタクトフォーム】よりご来場ご希望日時をご連絡いただければ幸いです。こちらから折り返し確認のご連絡をさせて頂きます。

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2008年07月24日(木)

OCEANS 9月号連載 AKAMINE STYLE 目覚めよ、日本の男たち! [OCEANS掲載記事]

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マエストロ赤峰の「オトナ相談室」
仕事、家庭、子育て、そして愛・・・・・・などなど。
30〜40代のオーシャンズ世代にもなれば、
少なからず何かしら悩みのタネは持っているもの。
そんな皆さまの”駆け込み寺”として開設されたのが、このオトナ相談室。
皆さまの質問にお答えするのは、”人生のマエストロ”こと赤峰幸生氏。
今月も痛快なご意見で迷えるオーシャンズ読者に救いの手を差し伸べてくれるハズ!
では皆さん、ご一緒に! 教えてっ、マエストロ!

今月のテーマ“ストレス”

[今月の質問]
毎月「オトナ相談室」を拝読し、人柄が滲み出ている回答に感銘を受けています。私は妻と息子の3人家族で、昨年マイホームを購入しました。子供の成長ぶりにはとにかく驚かされる毎日です。さて、実はここ最近とにかくストレスに悩まされています。仕事では中間管理職として上司、部下の板挟みにあい、家庭でも妻の機嫌取りをする毎日。どうにかストレスを解消しようと、いかに効率的に仕事を進めるかを考え、ひとりの時間を作るように努力しています。ですが、やっぱりストレスが溜まり、気楽な独身時代に戻りたいとすら思うことも.....。何かよいアドバイスをください。(38歳・福岡県在住・銀行勤務・K・Aさん)

Q.この方かなりストレスが溜まっていますね。最近、書店で仕事の効率化を謳う本をやけに目にするように、日本のビジネスマンは今、ものすごく病んでいる人が増えているんですよ!
 てめぇ、このやろう!今月は少しはましな話から始めやがったな。そうだ。今、日本のビジネスマンの多くは日々のストレスに悩まされている。売れ筋のビジネス書に仕事の効率化を謳う本が多いのは、国や会社といった組織に一切頼らずして身を立てる、という考え方がよりビジネスマンに浸透してきたのだろう。それゆえ、高次元での自己実現を願うビジネスマンが増えてきているのだ。しかし、翻ってみれば一方でそこからはお前の言うとおり、ビジネスマンの“心の病”の深刻化も推測できよう。事実、私はストレスを溜め込んで、うつ病になった人をたくさん見ている。特に順風満帆に人生を送ってきたように思われる人が、働き盛りの40代前後でエアポケットに入ったかのように、心の病にかかってしまう。まさに、幸せそうに見えて、実は不幸せに感じている。そんな人が驚くほど多い世の中になってしまったのだ。

Q.なるほど!いかに効率的かつ合理的に仕事生活と家庭生活を営むか、それがビジネスマンの課題ということですねっ!
 ばかやろう!てめぇはまったくわかっていやがらねぇな。だが、まるでオレと打ち合わせしたかのような相槌を打ちやがる。生活において効率化と合理化を第一義とする、まさにこの思想こそが病理のひとつと言えるのだ。確かにビジネスにおいては非常に重要であることは否定はしない。しかし、現代社会においてはその度が過ぎている。そこに大きな問題があるのだ。再三述べてきてはいるが、最近では「無駄=悪」と見なす傾向のなんと強いことだろうか。今ではあまり聞かなくなったが、「脱メタボ」という言葉。まるで「脂肪=悪」ということを社会全体で謳ったかのような社会現象だった。しかし、脂肪には必要量というものがあるのと同じように、「必要な無駄」もある。ゆえに、一切の無駄を排除するかのような風潮はなんともいただけない。そうやって効率化や合理化を求め続け、生活のすべてをスピード化していく様は、私には人間がまるで犬のように電柱から電柱をおしっこをしながら移動しているように滑稽に映ってしまうのだ。なお、言っておくが私は犬が大好きだ。多くの日本人は、忙しいことを美徳とすら思っているようだ。「昨日は徹夜で、今週末も仕事です!」などと、自慢げに忙しさを主張する。ドタバタと働いている自分に酔っている輩の何と多いことか。私に言わせれば、それは仕事がデキない証だ。

Q.お、お、おしっこですか!?確かに仕事はデキなそうですね。というか、なんだか悲しすぎる・・・・・。では、マエストロ!ずばり、仕事が“デキる”とはなんなのでしょうか?
 ようし、だんだんノッてきたな。仕事がデキるとは、己をコントロールできることだ。だからこそ、仕事ができる人間は息抜きもウマイ。オンとオフを上手に使い分け、ストレスを溜め込まない。精神的な抵抗力が高く、タフなのである。私はこれまでに何度も言ってきた。上手にサボリなさいと。悪い意味でのサボリではもちろんない。息継ぎをしなさいということだ。今日できることは今日する。しかし、明日でいいことは明日にする。誰かを出し抜くために、死に物狂いで先に仕事を進める必要などない。「勝ち組と負け組」の発想を捨てなさい。よく考えてみてほしい。いったい何が勝ちで、何が負けなのか。出世したら勝ち?収入が上がれば勝ち?そうではない。昔から私がいつも考えているのは、自分たちがやっている仕事は誰かの役に立っているかどうか、ということだ。たいそうな言葉ではあるが、それは考え方次第だ。自分で満足する仕事をして、その仕事で人に喜んでもらい、プライベートで家族と過ごす時間を幸せに感じることにこそ意味がある。出世して、収入が上がってもストレスで精神的に病む。それでは何の意味もない。いったい自分が何のために仕事をしているのか?そうやって常に問題意識を持つということが何よりも重要なのである。問題意識はあなたの働く意味となり、生きていく意味となる。そして、その意味をしっかりと理解している人には揺るぎない自信が生まれるのである。やがて、自信はコントロールする糧となるのだ。今、この自信のない輩が実に多いのだ。

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(→)この日はなんと、会社のトイレを一生懸命に掃除するマエストロを発見!週に3回はトイレ掃除をするというから、驚きだ。誰もが嫌がりそうな仕事を自らが進んでやってみせる。これぞ、一流の証と言えよう。「なんでも自分でやる」というその性分から、マエストロの生き方そのものが読み取れよう。取材陣一同、これ以降トイレをお借りするのが非常に申し訳なくなったことは言うまでもないが・・・・・。

Q.なるほど、問題意識、自信ですね!しかし、何やら一筋縄ではいかない様子。そこで、マエストロ!簡単に自信がつく方法を教えてっ!
 てめぇ、このばかやろうがっ!簡単な方法だと?今度そんなことを言いやがったら、今すぐここからつまみ出すぞ!それともまた、オレの話を茶化そうというのか?一朝一夕に身につくものではない。そこに近道などありはしないのだ。とはいえ、アドバイスだけは送ろう。問題意識を持とうとすることは、ものごとの本質を理解しようとすることだ。例えば、記憶に新しい“秋葉原の刺殺事件”。あの事件に対して、あなたはどんな意見を持っているだろうか。その悲劇についての事実に関しては新聞やテレビをよく見て知るところだろう。では、なぜそんな事件が起こってしまったのか。加害者の個人的な理由に留まらず、社会背景まで捉えたうえで考えたみたことがあるか?報道された事実は、本当にすべてか。自分の頭で繰り返し考えることだ。そうやって事件をもっと俯瞰していく、あるいは掘り下げていくことで見えてくるものがある。それが、本質というものだ。そして、本質を捉えることで初めて、それが事件に対するあなたの意見となる。意見とは考え方であり主張である。そして、それこそがほかでもない、問題意識だ。日頃から、どんなことに対しても「なぜ?」と考えるクセをつけることが、問題意識を持つことにつながるのだ。要するに、勉強だ。勉強とは学生だけのものではない。万が一、学生時代を終えてからしっかりとした勉強というものを忘れてしまった人がいるなら、今すぐに改めてほしい。勉強とは、社会に出てさまざまな経験をしていく中でこそ必要なのだ。勉強場は、あなたの日常のいたるところにある。あなたは、仕事以外の時間で積極的に“誰かと話す努力”をしているか?タクシーの中、銭湯、飲み屋どこだっていい。年長者と話をしてみよ。先達から学ぶことのいかに多いことか。電車に乗ったら、降りる駅のひとつ前の駅で降りて目的地まで歩いてみるがいい。意識して、普段の行動を変えるのだ。そうすると、一駅分の道の中で、普段では気がつかなかったこと、見えなかったものが見えてくる。そこには、あなたの知らない世界が広がっているのだ。そこで出会う人や見たもの、どんな些細なことにも目を向けてみることから始めてほしい。素敵な花屋、うまい団子屋を発見するだけでもよいではないか。旅をしてみるというのも面白いだろう。
 それも、仕事のようにタイトなスケジュールを決めていく旅ではなく、目的を決めずに出る旅だ。偶然に身を任せてみるのも案外楽しかったりするものだ。こんなふうに、今までの自分の行動を意識して変えてみることが、何かを考えるきっかけになる。それが、問題意識を持つということにもつながるのだ。


Q.いつも問題意識を持つことで自信を身につけていくんですね!そして“デキる”人になる。そうすれば、己をコントロールできる!
 そのとおりだ!己をコントロールできるなら、このスピード化した情緒のカケラもないライフサイクルの中を、思い切ってローギアにシフトチェンジするのだ。一見、「無駄」に見えるようなことほど大切にしてみる。もっともっと「スロー」を心掛けてみてほしい。そうすることで、あなたの仕事や家庭を含めた“生活”がもっと俯瞰で見えてくるはずだ。時間とあなたのエネルギーには限りがある。そこでそれらをどのように最適に配分するかを決定するのだ。
 私はこれを、ライフスタイルにおける「選択」と「集中」と呼んでいる。要するに「メリ」と「ハリ」だ。効率化や合理化はそのための手段にすぎない。己をコントロールできさえすれば、ストレスなど恐れるに値しないであろう。

 
 

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−近ごろのマエストロ−
秋ごろ、神楽坂にショップをオープンする予定だ。そのショップでは私がディレクションしている「アカミネロイヤルライン」から、初めてのデニムを展開する。古い力織機でローテクに作り込んで、デニムの魅力を真正面から表現する。私は服を処分することがほとんどない。擦り切れて、変色して、もう着られないだろうという服をまだ着倒す。服に寿命はないのである。デニムがさまざまな着こなしに合わせやすく、幅広いシーンにマッチすることはご承知のとおり。新しい神楽坂のショップで展開するデニムも、私にとって一生涯、ずっとはき続けられるものになる。

■みなさんからの質問待ってます!
仕事から家庭、恋愛、そしてファッションetc.・・・・・・、日ごろ読者の皆さんが抱える悩み、疑問など、相談したいことを何でも教えてください。マエストロ赤峰がズバッと解決いたします!インターネットの場合は[ www.oceans-ilm.com ]へアクセスのうえ、「NEWS」から投稿してください。郵送の場合はハガキに @相談したいこと A氏名(ふりがな) B住所 C年齢 D職業 E電話番号 Fメールアドレス G「オトナ相談室」への感想 を明記し、〒162-0825東京都新宿区神楽坂6-42 オーシャンズ編集部「オトナ相談室係」まで。

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赤峰 幸生 (あかみね ゆきお)

● イタリア語で「出会い」の意のインコントロは、大手百貨店やセレクトショップ、海外テキスタイルメーカーなどの企業戦略やコンセプトワークのコンサルティングを行う。2007年秋冬からは『真のドレスを求めたい男たちへ』をテーマにした自作ブランド「Akamine Royal Line」の服作りを通じて質実のある真の男のダンディズムを追及。平行して、(財)ファッション人材育成機構設立メンバー、繊研新聞や朝日新聞などへの執筆活動も行う。国際的な感覚を持ちながら、日本のトラディショナルが分かるディレクター兼デザイナーとして世界を舞台に活躍。 Men’s Ex、OCEANSに連載。MONOCLE(www.monocle.com)、MONSIEUR(www.monsieur.fr)へも一部掲載中。

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今月の赤峰ワードローブ

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本社を移転しました

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朝日新聞be on Saturday " 赤峰幸生の男の流儀 同じような物を買う 2014年1月18日(土)掲載"

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